【熱海ワーケーションメモ】起雲閣と地域交流プログラム。

ワーケーション体験の最終日に地域交流プログラムという、ちょっとしたサミット的なプログラムがありました。価値ある開催でした。

 

内容、非常に意義あるものだっんです。実際にワーケーションで熱海という町と対峙、見て、体験して、考えたことを地域交流でぶつけられたのはとても楽しい体験でした。そんな意見や提言からの刺激で何かが動き出せば嬉しいと考えて、けっこう真面目にメモなど作って臨んだのです。そういうものを皆さんと共有できたのは大変価値がありました。

こういうのは地域を限定して考えず、日本のいろいろな場所で起こっている、高齢化や地域の過疎化、交通手段の廃業などによる影響等たくさんの変化が現在進行形で進む今、そのようなものを頭に入れた上で熱海という場所ででなにか新しい取り組みを実行、成功例を作って「次のステップのこれからの日本」という考え方で全国へ良いフィードバックにつながれば、などそういうモチベーションが湧き上がりました。

とにかく「地域での困った問題」ってのが日本中にばーっとばら撒かれて今実際に存在してて、それをまず1箇所、良い形で解決すると、その解決方法がばーっと広まってカスタマイズされて日本全体が底上げされるようなイメージが浮かびます。

 

この地域交流プログラムの開催前に、会場となった起雲閣を見学しました。これが素晴らしい歴史と見応えある建物で、見学できたのは本当にとてもよかったのです。

地域交流プログラムの前に早めに到着して起雲閣を見て歩いたんです。実はこの建物の成り立ちを知らずにやってきたんですが、解説などで大変価値ある建物であることを知り勉強になりました。

元々は大正時代の海運王内田信也が実母の静養の場として建立。のち、日光線を開通させた東武鉄道社長 根津嘉一郎に取得されます。増築や改築が入り、洋館「金剛」にはローマ風浴室など作られ和洋折衷の洋館「玉姫」やチューダー様式の「玉渓」などの棟が完成します。またのち、実業家の桜井兵五郎が取得。旅館営業を始めました。このときつけられた屋号が「起雲閣」となっています。そして現在、熱海市が取得、熱海市指定有形文化財に登録されています。

とにかくその作りが素晴らしく、見どころが多かったですねえ。

 

和館「麒麟・大鳳」は建物初期に作られたもので美しい伝統的な和風建築のたたずまい。高い天井と座敷の三方をぐるりと囲む畳廊下は素晴らしいもの。畳廊下(こういうの知らなかった)の窓ガラスはいわゆるむかしガラス「大正ガラス」で穏やかにゆがむガラスを通してみる庭の風景をまるで当時のように見せてくれます。

二代目主人、根津嘉一郎が完成させた「玉姫」。正面中央にマントルピースを構える重厚なヨーロッパ風デザインです。天井は「折上格天上」という日本の神社仏閣や銭湯などに見られる建築様式が用いられ折衷になっているのですが、その融合に破綻がないのが素晴らしい。

併設されるアールデコ様式のサンルーム、ガラス葺きの天井が圧巻でね。

ステンドグラスの天井から日差しが美しく入り、床のモザイクタイルを照らす美しさといったらありません。

洋館「金剛」のローマ風浴室は残念ながら旅館というその特性上、実用も求められるため1989年の改築の際に多くの部分が現代の部材で構築し直されました。とはいえステンドグラスの窓やテラコッタ製の湯出口などに建築当時の面影が見られます。テルマエロマエな感じだなあ。

旅館営業の当時は太宰治など名だたる文豪が宿泊したそうです。

熱海市、素晴らしいものを維持してくれているなあ。旅館運営をされている時代に宿泊してみたいものだったと心から思いました。

そういう場所で地域交流プログラムが行われるというのは価値を感じずにはおれません。

非常に興奮したよ。