おもしろい店を見つけたんですよ。「普通のカレー」のお店です。え、どゆことそれ。
カレーですよ。
いやだってさ、看板にあるんだよ、その言葉が。「日本人がイメージするふつうのカレーの店」って。
うーん、なかなかこれ、勇気がある看板だと思う。「普通」って一番頼りない言葉だし基準だと思うから。考えすぎなければなんてことないと思いうけど、普通って全ての人が「自分が普通」と考えてるからね、全然違うんだけど。
まあさておき、屋号を見ると、ちょっと普通っぽくない、
「咖喱味庵 / カリビアン」
というヒトクセありそうな名前。
店自身が「普通のカレー」を標榜するわけですが。
実は「普通のカレー」というのを外食で探してもなかなか見つからないと感じるんですよね。冒頭でいろんなこと書きながらも、ここのカレーは驚くほど、正しく「普通のカレー」だと感じました。こういうものを知っていると、なんというか、普通ということの大切さや価値がわかってくるんじゃないかなあ。
「野菜カレー」
を頼ました。
ココイチなどが普通と言われることも多いですが、あれはいわゆる「普通のカレー」ではないのです。「普通の喫茶店カレー」だと思っています。「普通のカレー」は感覚としては家庭の「普通のカレー」が「普通のカレー」、スタンダードでしょう。そういう味なんだよね、ここの味は。
思いのほかよかったこのカレー。 良い意味での「普通のカレー」は確かに誰の舌にもしっくりくる味です。
「普通」に対して功を奏するのがやっぱり味変。
味変ではないのかもしれないですが、野菜と合わせると変化が出て楽しかったな。ブロッコリは茹でてあり、これ、我が意を得たり、なのですよ。ブロッコリは素揚げはやめた方がいいよ。よく油が絡むので重くなったり油の悪い匂いが残ったりでよろしくない印象が残ってしまうんです。茹で、正義だな。ナスは素揚げ、これは正解。とろんと仕上がっていて甘味が出ていい感じでした。
真ん中にホールトマトが乗っていて、これがとてもよかった。酸味がカレーソースと合わさると爽やかさ、軽やかさが出て印象が変わります。あまりやっているお店を見かけない手法で感心しました。これ、いいよ。
極め付けのタコさんウインナーの喜び。普通、普遍の権化のようなタコさんウインナーが乗っているじゃないですか。スペシャルなひと皿と言ってもいいな、タコさんウインナーが乗っているだけで。
味は「普通のカレー」です。そこが、とてもいいんです。