カレーですよ4915(大島 サウスパーク大島店)非常にハイレベル。大変な美味しさ。

久しぶりのご近所のお店。ご近所なんだけどちょいとご無沙汰となってしまってました。それで、食べると改めて、その実力、美味しさに驚くんだよねえ。感銘なんていう言葉を使いたくなります。

 

 

カレーですよ。

 

 

とにかく非常に巧みな料理であると感じるんですよ。レストランの格みたいなもんが見える。

いわゆる南インドの料理はどちらかというと家庭料理、食堂料理のイメージが強いと思うんです。でもここの料理はそれらと同じ名前を持ちながら、明らかにひと回り分、美味しさのレベルが違う。食べてストレートにわかっちゃう。

それはいいことなのか否か。

なんのはなしかというと、美味し過ぎるんだよ。日常遣いとしてはご馳走すぎる気がするのです。それってすごいこと。南インド料理としてはごちそうすぎる繊細さや強さをかっちりと持っているんです。それで、、でもね、ただもうなにものでもなくこのレストラン、

 

「サウスパーク 大島店」

 

のオリジナルの料理そのものなのだから、これでいいに決まってるんです。

そんなことをひと口目から考え込んでしまうくらいおいしいの。ビリヤニとノンベジミールスを頼んだんです。

チキンビリヤニ

これは驚かれる表現かもしれないんですが、おこわの風情があると感じます。香ばしさと旨みでそう感じるのではないかなあ。なにかおこわや釜飯を思い出させる部分を強く持っています、これ。もちろん醤油なぞ使っていないはずなんだけどね。

チキンはマリネがとても良くてね、大変な美味しさです。柔らかさと噛みごたえ食べごたえのバランスが素晴らしくて、味わいも大変なもの。マリネがいいのかな、それともその後のビリヤニに合わせる前の別調理のなせる技かしら。鬼気迫るものがあります。まったく素晴らしいな。

ビリヤニのごはん自体も当然いいもの。ハイレベル。米ひと粒ひと粒がおいしい油でコーティングされ良い香りを放っています。たまらんです。タマネギからな気がするのですが、ほんのり甘味のニュアンスも感じられてそれを補完するレーズン使いも秀逸。もちろん違うわけですけどどこかやっぱり醤油のニュアンスを感じてしまうんだよなあ。なんなんだろう。旨味と香ばしさとが和食なのかと錯覚させてきます。全然違うはずなのに碓氷峠のめがね橋を思い出すという面白さ。峠の釜飯かこれは。

食べ、唸り、考え、考えに至らずまた食べ、考えるわけです。それを繰り返すうちに気がつけば山盛りのビリヤニは目の前から消えてしまっていました。お祭り料理の特別感とレストラン料理の洗練がちゃんと同居していることに圧倒されます。

 

ベジミールス

非常にレベルが高いんです。

常々思っているんですが、ライタがおいしい、ライタにきちんと自分の所の個性を作り出しているお店にハズレのお皿はない。そう思うんです。それを地でいくようなきちんといいものでした。なぜただのヨーグルトと刻み野菜がこんなに良いものになるのか。これはもっと真剣につめて考えねばいけないと気が付きます。

 

 

サンバルね、いい。苦味の使い方が大変技巧的で印象に残ります。ラッサムも個性がちゃんとあります。ここでだけのラッサムだねえ。キャベツのトーレンはいくらでも食べられる野菜の甘さ持ち味をこれでもかと活かし切ってて素晴らしいし。

ココナツ仕立てのベジカレーも大変な美味でした。

タットドーサは発酵生地の蒸しパンという感じです。酸味はほぼないんですがイドゥリを思わせるところあり。米粉なのかな、もちもちとしてこれもうまいんです。

 

いつもなら当たり前に混ぜて食べるんですが、ここの料理はどれもきちんと個性が際立っており、単品で食べたり日本人的に口内調理、三角食べでもまったく持ち味の色褪せがないすごいやつです。

だから、あえて、ね。

 

サウスパークは南インドの家庭料理を標榜するお店ですが、だがしかし。レストラン料理としての精度、出来が非常に高いレベルにあると感じるんですよ。

思うにこのお店のレシピを厳格に管理する、オーナーを務める奥様たちが属する「クラス」と言うものと関係があるんじゃないかなあ。これは町の食堂の定食の味ではないですよ。

壁にポスターがあったのですが、あうっとなってかたまります。自家製ピックルを持ち帰れるらしい。ありゃ〜すごいうれしい。2種類あって、フィッシュピックルとラディッシュアンドビーフ。この日はそのまま出かけるので諦めたのですが、からなず手に入れねばいけないな。

そうそう、ちょいと艶消しだったのが、暖房。さむい日だったんですが、店内、やけに寒い(笑)あとから入ってきた常連のマダムがコートを脱がないのでなんだろうと思ったんだよね。そうか、寒いの知ってるのか。ケーララのコックの旦那集、これで大丈夫?厨房の中であったかいから平気なのか。いやあ、寒かったなあ(笑)。それ以外は例えようなく素晴らしいひとときでした。

 

こんなお店が近場にあるというのは本当に驚くべきこと。危険がいっぱいです。癖になりるもんなあ、この味は。通っちゃうよね、間違いなく。