カレーですよ5237(木場 ジャンカレー)40年。

店頭に見かけないポスターが貼り出されていんです。立ち止まってじっとみてしまった。コピーには「東陽町で四十年」とありました。そうか、そんなに経っているのか。

 

 

カレーですよ。

 

 

なんとなく、カレーをメモした自分の過去執筆ストックをあたってみたら「東陽町で30年」と書いたのぼりが出ていたことも記してあったのを発見しました。10年前のメモ、ということだな。町にきちんと根をおろしているのがわかります。

町の人に受け入れられているということです。

 

「ジャンカレー」

 

はいい意味で日本の普通のカレーだと思っているんです。ニッポンのカレーライスの一つの体現ではなかろうか、とも。そこに大きな価値があるんです。

「ニッポンのカレーライス」は柱が2本、黄色と茶色ですよね。黄色は原初のカレーライス。小麦粉とカレー粉を炒めた調理の先にあるもの。代表だと新潟のバスセンターのカレーなどがあります。詳しくは小野員裕さんのご著書「幸福の黄色いカレーを食べられるお店」をご参考に。

そして茶色はデミグラス、ないし家庭用固形ルウ使用のもの。ジャンカレーは後者です。1970年代以降のスタイルだと思われます。

CoCo壱があるではないか、と言われる御仁も多いでしょう。あれはちょっと違う気がしているんです。あれは「ニッポンのカレーライス」ではなく、「CoCo壱のカレーライス」の感があるから。甘さの部分が足りていないと感じるんだよね。それがCoCo壱番屋の個性であり、「ニッポンの代表」ではないということ。

 

「ニッポンのカレーライス」のうねりというのは当たり前ではありますが、「CoCo壱のカレーライス」の波とは比較にならぬほど大きいわけです。

ジャンカレーは香ばしく、奥底に甘みあって、だれもが「カレーライスらしいカレーライスだなあ」と思う味。ごはん、カレーソース共に熱々で、大事な部分を外していません。アツアツで、すごい大盛りで、ひと皿で満腹、幸せになれるのが「ニッポンのカレーライス」のイメージ。それを体現しているなあと思います。

カレーライスらしいカレーライスを選ぶのに少々苦労する時代となりました。洒落ていたり今風だったりのものが多いからね。そっちもまったく悪くないですし、そっちも頻繁に食べてます。だけど、余計なことをしない、カレーライスらしさがきちんとあるカレーライスの復権がなんとなく見えている気がしているのです。