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トリコカレーが帰ってきました。待ってたよ。
カレーですよ。
去年末、線路脇の心地よい狭さのあの場所が閉まってから、ハラハラしながら移転先の発表を待ったファンも多いはず。佐藤店主から「中野は離れることになるかもしれないです」という言葉を聞いてに肩を落とした近所のファンもいたと思います。が、すべてだいじょうぶ。なんと移転先は目と鼻の先。歩いて1分。よかったよかった。良いご縁があったことを照れくさそうに伝えてくれる佐藤店主の言葉にホッとしました。
さて、お店というもの。
味も雰囲気も大事ですが、お店の立地とそこについてくれたお客さんがとても大事です。お客たちはお店の空気を作ってくれる立役者。
「トリコカレー」
はそれをとりこぼさす継承できたようで本当に喜ばしいと感じています。
佐藤店主が声をかけてくださりグランドオープンの前に集りを開いてくださったんです。
何人かにお声をかけました。スパイシー丸山さんとアキノ・リーさんがつごうをあわせてくれたのです。松さんは、、、おっと！失礼しました。池袋で開催されるご自分のイベント初日だったね。小野員裕さんは翌日の地方出張にそなえて、で残念。前日のマシャールでお会いしていた365curry、南場四呂六さんもお店で合流。楽しいテーブルとなりました。
まずは店の店頭。お馴染みのオレンジのベスパがなかったら見落としていたかもしれません。マンション1階で聞いていたんですが、なんだか扉がない。店の周りをぐるぐる回るんですが、やっぱり扉がない。スクーターあれど扉なし。うむむ、こりゃあどうしたものか、と佇んでいると意外な感じで扉が開き、佐藤店主が登場。ひゃ〜なんと、そんな感じなんだ、扉。おもしろいなあ。
「店の姿勢が見えるでしょ」とイタズラっぽい顔をする佐藤さんはチャーミングです。こちらも嬉しくなっちゃうね。なるほど、これは佐藤節、健在。いいね、いいとおもう。
本来お店ってのはお客を選んで良いし、育てたお客だけを受け入れる、でまったくいいと思ってます。お客も選ばれたわけ、選ばれなかった訳を考えるべきだと思うのです。きちんとジェントルに振る舞えたかどうか、店主ときちんと向き合ったかどうか。振り返る余裕があるかないかで決まるんだと思う。それを面倒だというのなら、もちろんそういう面倒がいらない店もあるわけでそちらを選べばいいわけです。単純だよね。
さてカレー。その前にサラダ。
そうそう、これがないとねえ、トリコカレーは。これは変わらずのスタイルです。うれしいです。
トリコカレーのメニューはシンプルなものです。カレーソースが1種にそいつがレギュラーか辛口か、という選択。そこにいろいろな工夫を凝らした後のせの具材が散りばめられます。これが基本。カレーではなく、キーマではなく、タコミートが乗るメニューもあるよ。
この日はオープニングのお呼ばれなのでグランドメニューはまだなかったんですが、4種もの皿が出てきました。うへえ、４皿！（笑）さすがに小さめにしてくれましたが、それでも４皿だぞ。ごはんの量を聞いてくださったので命拾いです。
佐藤店主にチラリ聞くと東京からのファンにはお馴染みの野菜が乗った例のシグネチャーメニューとも言えるあれ。どうやらここで名前が変わるっぽい。その想い、少しわかる。福岡に巻き戻す感じ、かなあ。いいよなあ。
野菜の調理が丁寧で美しいんです。ジャガイモの食感などこれがなかなか大変なものでね、じゃがいもだけのお代わりなぞないかなあ、と夢想するわけです（ない）。焼き野菜なんてのもいい。いいねー。
おもしろいのが、具材を変えただけでカレーソースの印象が大きく変わること。たしかめたくてアキノ・リーさんに伝えると同じく、と頷いてくれました。わたしだけではなかったぞ。
4皿めに出てきたカレーにはなるほど、と思わず手を打ったんです。そうかあ、こうくるかあ。初めから例のチキンスープがカレーと共にひとつうつわに収まってやってくるんですよ。これはあれだ。カルピスウォーターを初めて飲んだ時のあの答え合わせ感。そうだ、そうだ。
トリコカレーはその濃度、粘度の深さに皆驚くわけですが、あたしも驚いたんですが、それ以上に驚き、面白いのがスープで割って濃度調整をして食べるというスタイル。割り方の指針が初めてお店から公式に出た、と感じたのです。画期的。つまりはカルピスウォーターなんであるよ。ほら、メーカーが「この割り方、濃度が正解だよ：って言ってくれた感じ。
感想としては「こんなにたっぷり注いでよかったんだ」ということ。まったく楽しいなあ。
佐藤店主を独り占めというわけにはいかなかったんですが、少しお話ができてうれしかったな。
グランドオープンはゴールデンウィーク明けになりました。いま、ゆるゆると徐々にスピードを上げていってるみたいです。
もし食べたくなったら、ただそのまま行くでなく、SNSなど情報収集を少ししてからいくといいでしょう。
住宅街だからね。くれぐれも行列やおしゃべりなどスマートに控えていただきたいものです。
上手にお店の空気に乗っかって楽しく食事をしてきてほしいです。いいお店になってます。
