いつもの場所でいつもと違うことをやろうと思ったんですよ。いや、特に考えてってわけじゃないんですが、気まぐれにそんなことを思ったので。
カレーですよ。
「いつもの場所」は上野御徒町「デリー上野店」です。ほんとにもういつも通りだよ。
「違うこと」はiPhoneじゃない端末で写真をとるということ。それといつものコルマじゃないカレーをたのむこと。
さて、そんなことを
「デリー上野店」
で。
デリーは、いや、行きつけの店ではついつい同じものを頼みがちですよね。間違いなく幸せになれるのを知っているから。でもたまには何か違うものを食べるべきであるとも思っています。それをやるとそのお店のパフォーマンスってのを思い知ることが多いです。こっちもこんなに良かったか、って。
それで、なんとなくそんなことを考えたり決めたりして、pixel8proを使ってベンガルを頼んで食べたのです。まだ慣れぬGoogleのスマートフォンのカメラ。長くiPhoneで撮ってきたからかしら、記録されていく写真の風味にちょっと新鮮さを感じます。
で、
「ベンガルカレー」
久しぶりになったけど、おいしいなあ。
デリーのベンガルカレーは肉カレーではないのです。具材はエビとナス、にんじん、じゃがいも、オクラなど。カレーソースのベースはトマトと玉ねぎ。ほんのり酸味と野菜の旨味がおだやかです。軽やかなスープ状のカレーに仕立ててあってとてもいいんですよ。辛さは控えめで、物足りなければテーブルに常備されるタマネギアチャールを合わせてやれば良いわけです。
デリーには「凪の時間」というものがあることをわたしは知っています。平日、週前半の16時半から17時半。もちろん絶対ではないけどね。
行列もなくスーッと座れて、驚くべきことに気がつけばお客がわたしだけ、などいう一瞬があるんです。しかしそれは一瞬。すぐにお客さんが入ってきます。そもそも空腹だなんだという以前にデリー上野店の前を通りかかって覗き込んだ店内に席が空いていたら、それは無条件で入るってもんでしょう。そりゃあそうだ。だから静寂は一瞬なのです。
しかし、そういう時間も、営業時間である11時50分から21時30分のあいだにわずか数分ではありますが、確実にあるんだよ。
それを知っているわたしは幸せだと思っています。
さて、上野の街に戻ろう。もう少し写真を撮ろう。