カレーですよ5228(新宿 パトワール)キラークイーン。

 

深夜、奥多摩や高尾の方面から国道20号を車で部屋に帰ることが月に何度かあります。なにかあると(なにもなくても)どうも富士山に頼ってしまうんです。

 

 

カレーですよ。

 

 

あそこには、どうも気を鎮めてくれる何か、ごちゃついた思考を整理してくれる何か、そういうものがあるに違いないと信じています。だからハンドルが向いてしまう。

最近軽バンを手に入れたのでちょいといじって寝られるようにしてやろうと思っているんです。車中泊ってほどでもないんだけどね。遠出とかになるとその方が楽なんじゃないか、などいうのがあるって。でも結局やっぱり部屋の布団が恋しくて真夜中の甲州街道をもどってくることが多いです。

なので、通らざるを得ない、新宿。文化女子大学横の歩道橋のたもとには深夜なのにカーンさんが待っていてくれるんです。

 

「パトワール新宿店」

 

に必ずひっかかってしまうよなあ。どうしても素通りできないんです。

実はお腹の都合や時間的なもので素通りすることもあるんですが、素通りした後にどうしてもカーンさんの顔が浮かぶんだよね。

そんなふうにもやもやとしているのだったら、立ち寄った方がいいに決まってます。

 

「C弁当 / ドライカレー弁当」

 

をいっこ買います。カーンさんも心得ていてわたしの顔を見るとどんどんC弁当の用意をしてくれます。こういう阿吽の呼吸みたいのが楽しいなあ。お互い見知った中なのでいきなりよもやま話が始まってしまうこともあって、そういう時はカーンさんも注文を取り忘れておしゃべりに花が咲きます。

単価の安い客ではあるのですが、安いから買っているわけではないのだよ。間違いなくこれが好きなんです。

ドライカレーはタマネギとトマトが主体となったペースト状のカレーで、タマネギとかピーマンがちらちらと入っています。肉そぼろとトマトとタマネギにまみれるこの幸せこそこのお弁当の真骨頂。それもカーンさんの調味でなければダメなのですよ。他のコックさんのを食べると微妙に違いがわかっちゃう。おもしろい。そっちも美味しいんだけどね。

横にそえられるキャベツスライス。これが大事。これとセットでこそ「パトワール新宿店」の「C弁当 / ドライカレー弁当」として成立する大事な要素なのです。まるで金沢カレーだわね。野菜にかかった甘いドレッシングが野菜を透過して弁当箱の底を伝ってメシに染みてゆくんです。そこをドライカレーと混ぜて食べてやるとさ、もうね、至福がやってくるわけですよ。これが無くしてパトワールのドライカレー弁当の楽しみなし。そう思っています。

食べれば瞼の裏に浮かぶカーンさんのチャーミングな笑顔。フレディマーキュリー似の彼の目元のぱちぱちまつ毛を思い出しながらなぜか深夜に口ずさむ「キラークイーン」。きっと雨のリズムと「キラークイーン」の頭のカウント風に入るリズムがなんだか重なって聴こえたから。

 

そんな夜がたまにやってきます。