カレーはね、それがレトルトカレーであろうとなんであろうと、出してくれる人の想いで味が変わるものです。体験が変わるのです。そういうものだよ。
カレーですよ。
体調の悪い義理の母が、カレー好きのわたしにくれたたこれ。なんの変哲もない、レトルトカレーです。
「エスビー ポークカレー」
だね。
スパイスのスの字を探してカレーソースの中をスプーンでかき回してしまうような(スミマセン/笑)スタンダードもいいところのカレーライスのためのカレー。
およそカレー食いのわたしにとって縁遠いカレーではああるのですが。なのに、こんなにうまいんだよな。
例えば同社の特異点、大阪のコロンビア8の看板を冠するあれの極北にあるカレーだと思います。わたしは選ぶとすればだいたいそっちを選ぶんですが、こういうスタンダードなものに愛情が乗っかると途端にその価値が跳ね上がるんです。
わざわさわわたしのカレー好きを知る義母が、調子の悪い中で買い物にも行けないけれど、と言いながらECで選んでくれたりするわけです。わたしのことを気にかけてくれる。なんという尊いことか。
いつでもそうなんだよ。カレーを食べるのではないんです。カレーをわたしの差し出してくれる人の愛情を食べるのです。レストランでも自宅でも。
おいしくないわけがないよね。