高島平とくれば欧風カレーなのですよ。ボンディの祖となる西台の「インディラ」、いうなれば日本の欧風カレーの故郷と言ってもいいでしょう。もちろん諸説あるけどね。
カレーですよ。
それで、どうしても「インディラ」に目が入ってしまうわけですが、じつは高島平には「インディラ」以外の欧風の選択肢もあるんです。もちろんインディラ詣はするわけですが、ちょっとショック。朽ちた看板のこと。今回知ったんですが、こんなになっちゃったのか。っていうか落下大丈夫だったんだろうか。あれ、直してあげないとかわいそうだよ。イノティフになってるぞ。
まあそれで「インディラ」は「あの」インディラとも呼ばれるわけです。いろいろなニュアンスがあるわけですが、それはつまり昭和の喫茶店丸出しのあの感じのなかで郷愁を感じつつ食べる欧風カレーの元祖、なんてのはなかなかにオツなもんであります。
が、その昭和感丸出しが耐えられないときもあるでしょう(知らんけど)。そういうときに
「欧風カレー&カフェ ラ・ファミーユ」
を選ぶのはスマートな選択だとおもうのです。
「ラ・ファミーユ」も喫茶店的なんですがなかなかに凝った内装とシックで出しゃばらないヨーロッパ風というか南欧風というかの調度でね、たしかに欧風カレーを静かに味わう環境というものがあるなあと思います。大変に気分良くホッとできる空気なのです。
さて、注文は、
「スペシャルミックスチーズカレー」
迷わずにこれを頼むべき。
それというのもこれ、ほかの欧風カレーの店で見たことがない、リンゴを入れたカレーなのですよ。驚くよこれ。
いや、わかる。どこでもリンゴなんぞ入れているだろうと意見したいんでしょ。違うの。すりおろしたリンゴをカレーソースに入れるなどハウスバーモントカレーの昔からあるわけです。そうじゃない。スライスしたフレッシュのリンゴがカレーに入っているのですよ。これはどうにも面白い。しかもよく合っていてね、美味しいの。これには驚いたぞ。
カレーソース。わかってはいるんだけどなんだろうこの美味しさは。いつもこういうスタイルのカレーにはそうなってしまうんです。なんというのかね、付け入る隙のない美味しさとでも言いましょうか。煮込み料理の中でこれ以上進まなくても良かろうというあたり、ひとつの果てがこれだと思うんです。
牛肉がうまい。ひたすらうまいなあ。ものすごく高級ではないんですが、これぞビーフという味と楽しみがあります。こういうのが好き。リンゴはやっぱりハッとさせられます。そうか、こういうものにリンゴ。合うものなのだなあ、とひとしきり感心。ヨーロッパの料理でりんご使うもの多いよね、お菓子じゃなくて。あと、香取先生のレシピのアングロインディアジャンルであろうりんごのスープ思い出したよ。
フレッシュのダイスカットトマトが入るのもいいアクセントで納得がいきます。欧風のカレーソースだからこそフレッシュトマトが際立ちます。好みでいうとチーズはもう少し控えでもいいかなあ。カレーソースの美味しさを喰われてしまう感があるので。チーズってそういうところがあります。
そうそう、ごはんにチーズぱらり、はここではやらないようだよ。いじらない白ごはんが出てきました。
お店の雰囲気含めて大いに満足。しかしリンゴ、印象に残るなあ。なんとなく、ですがレーズンも少し入ると楽しくなるのではないかしら。
アーモンドスライス、レーズン、チーズ。欧風カレーアイテムだよね。