なんというか、日常と特別の狭間にあるお店ってのがあるなあとおもうことしばしばなのです。
カレーですよ。
わたしにとって湯島のあそこが特別の場所。さっと入ってさっとうまいものを食べてすーっと出る。この美しい所作を極めるべく通っているわけですが、この場所は日常と特別が混在する空間なのです。
わたしにとってのそういう店ってのが
「デリー上野店」
デリーとしては、田中社長としては、特別な空間は銀座店だよ、と考えてらっしゃるのではないかしら。いやもしくはアトリエデリーかな。たしかにどちらも特別な空間です。
でもね、上野店。料理は殊の外旨く、店内空間はほぼカウンターだけの機能的なもの。しかしその場の空気に宿るピリッとした感覚と、ホッとゆるめる空気がこれまた混在。結果大切な場所として通い続けているんです。上野店はわたしにとって日常と非日常が混ざり合う特別な場所。
さて、珍しくコルマではないのです。柄にもなくメニューなぞ眺め、そういえば最近食べていなかったな、と、
「ドライカレー」
を選んでみました。やはりいいものなのよね、ドライカレーって。
見ての通りのカレー炒め飯。どこがやっても同じじゃないかという勿れ。同じ名前なのにこれほど個性が出るメシも多くないのです。インド料理でもないけどジャパニーズ喫茶店カルチャーのアレでもない。間違いなくオリジナル。「デリーの」ドライカレー、なのです。
グリンピースが入るドライカレーは全面的尾に賛成をしています。レーズンも楽しいアクセントになっていいよね。ピーマンはみじんで香り強くかかせないもの。甘くしょっぱいこれはベーコンかしら。そうやってバランスしたドライカッレーをテーブルのタマネギアチャールでリズムをつけてやってひたすら頬張ります。ああ、なんという快楽だ。
ここに咀嚼の永久機関が完成するのであるよ。