気が向いて、伊勢、四日市を経由して伊那方面に向かっていたんです。まっすぐ帰ればいいものをねえ、ついついこれであるよ。遠出をするとまっすぐ帰ったためしがないのです。
カレーですよ。
珍しくアテがあっての寄り道です。
峠越え、山越えはちょいとひやりとしました。天気予報にない雪が降ってきました。
標高とルートと気圧を見ながら慎重に判断、雪はすぐにやんで路面の凍結、積雪もなく安全に通過です。
まずは木曽福島の「マサラサンガム」。素敵なご夫婦がやっているお店。たしか奥様が風邪をひいたようで早めの冬休みスタートとなっていたはずです。それは知っていたのでちょっとお店を見に行っただけ。せっかく通りかかったんだからね。そのあとにサンガムのマダムに以前教えてもらった伊那の
「産直市場グリーンファーム」
へ。異能の直売市場です。いろいろと、なんといったらいいか、すごいのよ。混沌なのであるよ。
まず、古道具が売られているんです。骨董というには霊験新かな感ががないんだけどな。古道具という言い方がちょうどいいと思います。なぜこんなものが的なものも多いんだよね。楽しいんだよ。エンジン付き農機具などの大物から謎の民藝品やランドセル、カヌー、家電、なんでもある。前来た時は軽トラの荷台に乗り切らないサイズの集魚灯まであったぞ。焼津あたりが出所らしいです。
今回はスーパーカブが2台売っていて思わず買って帰りそうになったよ。キャブの50、貴重品だわ。
かごも欲しかったんだよねえ。ECとかでも買えるけど、こういう場所に来て買うってのがね、いいの。地元の人が普段使いしているものをその場所で買う、ものに魂が宿ると思ってます。
赤いのやっぱり買えば良かったかあ。こういうのに外でお茶飲むためのコンロとシエラカップと湯呑みと入れとくのいいなあと思ったのよね。それで車に積みっぱなしにしておいてね。
いいなあ。
野菜等は季節柄、場所柄ということで山芋とか椎茸きのこ類が目立ってました。このあいだ来た時は松茸がすんごい値段(安い)で大量に出ていたんだよね。今回はお正月用の食べ物もいろいろあってこの地域の食文化が見え隠れしたりして楽しいです。
とにかく物凄く面白いファーマーズマーケットなのよ。聞きしに勝るとはこのことか、って感じです。さてと、お目当てはもちろんカレー。こんな場所の、それも直売場にバングラデシュのカレー屋さんがあるんです。えーと、
「チャメリ」
がある、、はずが、ない!
うーん、閉店したみたい。なんてこった、まったく残念。なんて思ってたら店内を物色しているとお弁当だけは生き残っていました。ああ、よかった。チャメリかあさんはお店はたたんだけどここグリーンファームのお弁当コーナーにはあの味を残してくれていました。よかったよかった。迷わず店頭の2種を買いました。スイーツ的な何かもカゴに放り込んだよ。
さて、ここからはぶらぶらと東京に向かいます。そうだ、ツルヤも寄らないとなあ。いや絶対寄る。寄った。満足。
そんなのもあってなんとなく高速道路を使わないことに決め、いくつかのローカルスーパーマーケットの立ち寄ったりしながらの帰途。途中すでにホームと言っていい、勝手知ったる相模湖辺りから中央道に乗りました。長距離を1人で走り切り。たのしかったな。クルマの運転、好きだな。
部屋に戻って翌日、カレーを楽しんだよ。
チキンカレー
塩味と鶏の旨みでキメたスタンダードチキンマサラ、というところかしら。コクうまな感じでスパイスからの苦味でありましょう、後味がすっきり決まってます。これはスタンダードになり得る味でお店の基本のポジションの1食ではなかろうか。とても良いものです。
ダルカレー
ほくっとざらっと仕上げたひよこ豆が大変良いカレー。穏やか味付けでざくぎりの玉ねぎの食感もしゃくしゃくを残してあっていい感じ。このままシチューとして出しても食卓で便利に機能するバランスで、それはつまりパンでもごはんでも合わせやすく、単体で食べ進んでも豆のボリュームで満足感が残るという万能選手だということ。これはずいぶんいいなあ。
おかし、「ニムキ」もたべました。ミルフィーユのような層になってて(この場合はパロタと例えるべきか)素朴でいい感じでした。どれもみんな美味しかったです。
願わくばチャメリさんがその場で作ってくれるレストランがあったら嬉しいなあ。ぜひその場で食べながらおしゃべりをしてみたいです。