カレーですよ5395(浅草 レストランカミヤ)アサクサ・クラシック。

浅草とくればなんだろう。そりゃもうまずは雷門に浅草寺、仲見世、ヨシカミ、花やしき。忘れちゃいけない神谷バー。浅草1丁目1番1号、創業明治13年の老舗です。

 

 

カレーですよ。

 

 

電気ブランでご存じの「神谷バー」は日本最初のバーとされています。浅草の良き時代の文筆家や役者などに愛されたお店。

そして「神谷バー」のわきには2階へ続く階段があるんです。2階は神谷バーじゃないんだよね。

 

「レストランカミヤ」

 

ここのカツカレーを忘れちゃあいけない。

ずいぶん久しぶりになってしまってうっかり1階に吸い込まれます。「えーとカレーはっと、、、」「すみません、カレーは2階なんですよ」おっと!しまったそうだった。1階は神谷バーであり、バーの料理は軽食までに限られる、というわけです。神谷バーではカレーライスは「軽食」ではなく「食事」なのであるよ。

さて2階。ホールはどうにもクラシックでしゃっきり背が伸びるいい雰囲気です。が、そこに高校生でありましょうか、修学旅行の子どもたちと見受けられるグループが楽しそうに、しかし行儀よく食事をしています。いいねえ、微笑ましい。

そうそう、こういうお店、こういう場所で食事の経験をしておくとこれから先レストランでどう振る舞えばいいかの勉強になるはずだよ。とてもいい体験だと思う。いいチョイスをしたねえ。

さて、わたしはカツカレー。

カレーは、これはあれか、ポークカレーか。正しく東京スタイルです。ちょいと厚切りのポークがほろっと煮込まれていて大変に美味しい。ありそうでないんだよねえ、こういう普遍的なやつ。味ははまさにジャパニーズオーセンティック。正しくカレーライスです。こういう場所にふさわしいもの。納得というものがあります。

カツの方はというと、これまたなるほどの昔ながらの正しいカツ。今風に変にこだわったり変わったことしていたりしないスタンダードを持ってくるわけです。とても正しい。少しラードの香りがある気がするな。それもまたらしさであり、やはりこういうのには勝てないな、という感が残ります。いいんだよな、やっぱり。

ああ、やっぱりカツカレーはしんなり部分がすきだなあ、と思ったり。まだ無傷のパリッとしたところを白飯と、ソースがわりの福神漬けを合わせて味わってみたり。なんとも楽しいひとときです。

天井の低さが年季を感じさせる、しかし清潔でパリッとした感じのホールで背筋を伸ばしてカツカレーを食す。歳をとったのでこういう楽しみをちゃんと知っていないといけないな。

そんな気がします。