カレーなしよ(大島 永明中華そば店)食の研究所。

すごいのをまた食べました。大滝店主の真骨頂、他のジャンルの料理からのインスピレーションと融合。鬼気迫るものがあります。本当にセンスのいい、ひらめきのある人だなあ。

 

 

カレーなしよ。

 

 

道志村にキャンプへ向かった日、大滝店主がまたすごい限定品をお店で出す情報を知ったのです。心残りではありますが山梨にハンドルを向けよう。が、なんということか、車両トラブルで引き返すことに。結局キャンプは参加中止。ああ〜もう、ホーボージュンさんとかまっててくれたのにいい。

なので暴飲暴食を決め込むことに決定。だったら行かなくちゃ、

 

「永明中華そば店」

 

ここはラーメン屋さんではありますが、天才のラボでもあります。

03/26の夜(特別営業。知っている人しか集まらない穏やかでいい空気)のメニューがすごかったよ。お店の写真は別の日の昼間に行ったときのやつ。

 

「中華そば〜ゴルゴンゾーラドルチェ」+「〆の焼きチーズ飯」

 

すごいの出してくるなあ。

ゴルゴンゾーラ、クセが強いじゃないですか。それで、レストランやバーなど行くとはちみつやドライフルーツと合わせて出て来ることなどあるよね。わたしもあれは大好物です。

その構成から閃いたそうなんですよ。

ラーメンとくれば出汁。その出汁にゴルゴンゾーラチーズ、チーズのうまみ成分などにフォーカス、そこを当てはめてやって牛乳と野菜の出汁でのばしたらどうなるか。この夜はそういうトライの2回目でブラッシュアップがさらになされたというのです。そりゃあ期待もしちゃうってもんです。

で、これ。いやこれすごいな。もうなにかラーメンの引力圏を脱してイタリアンの宇宙に飛び出した感。しかし繊細さと出汁感でラーメン圏内に引き戻される面白さ。普段は塩のエッヂ太いラーメンらしいラーメン、クラシックなやつも当然提供しつつ、こういう繊細な振り幅も持っているのです。ひとえに大滝店主の勉強熱心さ、言い換えれば食や味への純粋な興味の強さが結実するとこうなるわけです。あいかわらずすごいのよ。

そして原価もすごい(笑)。そういうのを「ことの面白さ」と天秤にかけて面白さをとってしまうのが大滝店主であり「永明中華そば店」のこわさ、凄みなのです。ああ、危険極まりない。

ひとしきり麺を啜って、スープも白髪ネギとチャーシューもちゃんと少しのこして、どんぶりを大滝店主に戻します。「〆の焼きチーズ飯」の時間だよ。どんぶりがリゾットになって帰ってきたぞ。いやーこれまたうまい。

麺とごはんがチェンジしただけで不思議なくらい食の体験が変わってくるんです。そのことを大滝店主に喋りかけて、また楽しい考察や確認ができて、ますます深く良い時間になります。ちょっとこれは本当に素晴らしい時間。なにものにも代え難い。

たぶん、ですがエルブリやノーマが飲食店営業という形態から転じて研究機関になったりする純粋さ。そういうものの初源の一滴のようなものがここにはあるのだと感じているのです。

決して言い過ぎではないと思っているよ。