カレーですよ5477(東大前 喫茶ルオー)東京のクラシック。

 

喫茶店のカレーは面白いものだ、そう思います。味やスタイルは幅も広く、食べ歩く楽しみがあります。いろいろなスタイルがありますが、わたしのイメージする喫茶店のカレーは西洋出汁を生かした甘さを控えめにしたカレー。つまり、CoCo壱番屋のあれに似た感じ。そして、あれがちょいと苦手なのです。本郷あたりにいました。

 

 

カレーですよ。

 

 

喫茶店のカレーは苦手な場合があるんですよ。CoCo壱番屋のあのスタイルのカレーはなかなか難しい。これは極私的趣味、好みという話しだと強く前置きしておきますが、しょっぱいカレーが苦手なの。塩味太めの軸にして味を決めているもの、という意味です。甘味もどこかに入れてほしいわたしなんであるよ。甘い、辛い、酸っぱい、しょっぱい、苦い。みんな入っているといいな。それで、そのなかで各方向のバランスの好みがあるわけです。

で、喫茶店のカレーの難しさは付け合わせとのバランスにあると思っています。苦手と書いたけど、実はそこからの秘めたポテンシャルを持つカレーも間違いなくなくあるんです。箸休めの福神漬けやラッキョウ、時にはレーズン、玉ねぎの酢漬けなどが添えられることもありますが、これらをカレーと混ぜてやると途端にバランスして美味しくなるものがあるんです。

 

なるほど、これらを合わせての完成か、と大納得。侮り難いな。そしてその漬物類の良し悪し、甘みの度合いや酸味の具合がうまくバランスできていないお店もあったりします。なかなかに難しいんです。

前置きが長いな(笑)。

 

喫茶ルオー

 

は随分と久しぶりになりました。本当にいいお店。古い純喫茶というのはいいものだよね。

昔はこういうお店は喫煙ができて、煙が濛々と立ち込める劣悪な環境のお店も多かった。それがあって若い頃は喫茶店は大嫌いでしたが、時代が変わり快適な場所になったんです。やっと喫茶店が楽しめる時代になったなあ。これまた極私的なはなし。

喫茶ルオーのカレーは不思議なカレーです。なんというのだろうねえ。「喫茶店のカレーなのだが、何か根本が違う」ということ。初めて食べる者にはとらえどころのない味だと感じさせるところもあります。たぶんクラシックな喫茶店カレーであるからというのがその理由だと思うのです。

 

が、しかし。わたしはこのカレーを大変面白いと思っています。食べ始めのインパクトが穏やかだからかもしれないな。食べ進めるうちにだんだんそれが変化してくるんですよ。なんというか、受け手の舌の方の責任、経験かもしれないと感じます。先ほど話しに出たよくある「喫茶店のカレー」にはこういう感じがないんだよ。

他からの例えで恐縮、新川デリーのコンチネンタルカレー(コンチネンタルカレーはなぜか新川デリーで食べるの。上野では食べていない)に少しニュアンス的に似るところがあるんですよね。これこそまさに小麦粉とカレー粉で作った、昔ながらの洋食カレーであり、古い喫茶店カレーの味だと経験的に考えています。ただ、そういう中でも良し悪しは出ると思う。

デリーの田中社長のブログを読んだのですが、そして田中社長はたまにルオーに足を運んでらっしゃるようなのですが、なんとなく腑に落ちるところがあるんです。その中で田中社長が「デリーのコンチネンタルカレーが一番昔から変化をしていない」とおっしゃっています。

https://www.delhi.co.jp/bossblog/4192

初期の頃は主流のカレーであったがインド、カシミール、コルマカレーが評判になり間で手直しされぬまま今日まで残っているという話。非常に興味深い。それはつまり、など考えます。

ここらへんになにかキーが隠されているのではないかと思っています。結論はまだ出ないんだけど。

そしてルオーのカレーは大変に魅力的なのであるよ。おいしいとおもう。