ご存知高崎とくればスパゲッティ。スパゲッティシティ・タカサキであるぞ。その総本山、50年を越える歴史を持つ店があります。
カレーですよ。
あれ、あれ、カレーですよじゃないじゃん。はじめはわたしもそう思ってたんだけどね。遠出したし、きょうは慰安旅行だし、カレーなしよ、とか思ってたんだけど。
それで、高崎あたりにいると「シャンゴ」にはついつい足が向いてしまうんですよね。
「イタリアンレストラン シャンゴ」
は高崎市周辺に7店の大型店を持つ群馬きってのイタリアンレストラン。イタリアンレストランと言ってもイタリア人シェフとかサルバトーレクオモとかああいう感じではなく、地元にフィットするイタリアン洋食店という感じで、実にこう、好みなんだよなあ。
けっこう前のことなんですが、高崎の「シャンゴ」でカレー風味のスパゲッティを食べたことがありました。2018年のことです。そのときは季節の限定メニューということで「夏野菜のカレースープスパゲッティ」というのを食べました。おいしかったなあ。そののち再訪した時は誰もがご存知のシグネチャーメニュー「シャンゴ風」を食べました。これがまたうまいのよ。
「シャンゴ風」ほんとうにスキ。独特の甘さと苦味で奥行きある味わいのミートソースであるぞ。
ミートソースと言ってしまうとちょっと違うな、という感もあります。変わったミートソースなんだよ。デミグラスソースを八丁味噌で仕立てたような印象で面白いんです。なによりこれにカツを合わせてあるのが特徴的で、その異様はカツカレーもかくやという外見なのです。実に面白い料理なんであるよ。
ちょいと名古屋の味噌カツに通ずるところがあったりしていろいろと好みです。
そして今回、普通にトマトベースガーリック風味的なものを、と心に誓ってやってきたわけですが、
「復刻版カツカレースパゲティ」
というメニューにあえなく辿り着いてしまったのであるよ。ああ〜カレーだ。これは避けて通れない、、、
じつはあの「シャンゴ風」というのはもともとカツカレーをルーツに持つらしいんです。50年ほど前の開店当時は洋食レストラン的メニュー構成でカレーも扱いがあったそう。そんな環境でいつぞや盛り付けの間違えが発生して出来上がったのが「シャンゴ風」だといいます。へええ、おもしろいなあ。
何かのミスでそれがメニューに上がるという事例はレストランではつきものです。あちらはメニュー名の間違えですがデリーのカシミールカレーの話しを思い出します。「カツカレー」と「シャンゴ風」と「復刻版カツカレースパゲティ」には「シャンゴ」という店の中にあってそれぞれ因果関係、繋がりがあるようです。通して全部食べてみたいと思ったよ。
さて、スパゲッティがやってきました。セットで頼んだサラダと飲み物もうれしい特大セットであるぞ。Lサイズを選んでしまったんです。なぜか「シャンゴ」で毎回やるミスであるよ。すごい皿がやってきちゃいました。片手で持ち上げようとすると手首を捻挫する重さ、いやホントに。スパゲッティもカレーソースも暴力的な量であり、さらにこの上のLLがあるのか、と言葉を失うのであります。
写真ではニヤニヤしてるけど実は冷や汗をかいております。こ、こんなに食べられるのか、、
スパゲッティの量が選べるのですが、SからLLまであってね、Lを選んだんです。250グラムであるぞ。これはつまりスパゲッティの茹でる前の量であり、当然湯の中で膨らんでいくスパゲッティの最終重量ではないわけです。カレー脳のわたしは250グラムを「少ないけど大丈夫か」とか思ってしまうんであるよ。ちがう。ご飯の量ではないの。このミスを「シャンゴ」で必ずやるわたしなのであるよ。いてて、、、
多い。高崎スタイルスパゲッティは多いのだと聞いています。いやもうまったくそれを体現するようなお皿です。ちょいとどうしたもんか、とお皿を前にかたまってしまったんですが、食べ始めるとなんだかんだで食べられてしまったんであるよ。うまいから。
薄めに仕上げたカツは正しくカットレット方面からやってくる、カツカレーの正しきスタンダードなカツで、好感が持てます。そう、ちゃんとトンカツ屋のカツではなくレストランのカットレットという出自を感じるのです、うんうん、こうこないとね。
カレーソースが粘度高く濃いもの。スパゲッティによく絡み、大変にいい感じです。味はクラシックなカレーライスのカレーの味。洋食店のちょっと凝ったカレーという風情で実にこう、いいなあ。食が進むなあ。何よりスパゲッティ自体が風味よく、旨いんです。こりゃあいいものだわ。
本店は相変わらずの天井高く快適でかっこよいんです。ホールの女性もキビキビとした動きで目配りも言うことがなくてね、ますます快適。いいレストランだなあ、と思わせます。
あ、ぐんまちゃんだ。かわいい。
長く続くいい店。こういうお店が市内に何店もある高崎市民のみなさんは幸せだよね。