
JR総武本線の日向駅の程近く。なのに「本当にこの近くに電車なんか通ってるの?」というような細く真っ暗な峠道があります。そこにぽつりとあかりが灯っており、よくみるとプレハブ風の店が1軒、佇んでいました。
カレーですよ。
あ、違った。1軒ではなかった。2つ先にもう1軒、レストランがありました。ああ、あそこは入った記憶があるぞ。えーっと、、、たしかスリランカ料理の店だったはず。
和食店の居抜きの店内、小上がりでスリランカ料理を食べた記憶があります。そうそう、そうだった。
それで、あのときは今見ているこちらのお店はなかったはず。では、その入ったことのない方のお店へ行ってみましょう。わたしは別れ道があるとより細い方を選ぶような男です。そういうのが人生を楽しくしてくれていると思っています。勘違いかもしれないけど。

看板を見ると、
「アーリウス / AARIUS ハラルフード」
と出ていました。
さて「なんでこんなところに?」という場所に南アジアのレストランがぽつりとあるのが千葉なんであるよ。そういうお店をよく見かけます。色々な理由があるんですが、およそ商売に向かないであろうという立地で、しかしちゃんと続いているお店なんてのもけっこうあって。

考えるに、たとえば近くにモスクなどの寺院があってそのコミュニティがある、とか。例えばレストランではない他の業種、中古車販売や輸出などをやっている人がセカンドビジネス兼コミュニティのクラブハウスとして、など。それで、そういうところには濃いめの現地があるわけです。積極的に踏み込んでいきたいものです。

地図をもう一度注意深く見ると案の定、並びにモスクがあったよ。なるほどなるほど、そっかそっか。お店の看板にはハラールである旨書いてありました。どうやらパキスタンのムスリムレストランという風情です。例によって店前に車がごちゃごちゃっと置いてあるのはクルマ関係の仕事と兼業かもしれないなあ。もしくは場所柄ひとり1台ということで多くなった可能性もあるかな。
お店の中をのぞくと2人のムスリム男性が食事をしている様子。営業しているようです。いきましょう。

お店に入るが店員さんが見当たらないぞ。うん、こういうのもよくあるので特に驚かないです。別棟にマーケットがあるので多分そっちだな、店員さん。ではそちらをのぞいてみるか、と思ったらそこからから女性がやってきてくれました。電気をつけたりメニューをよこしてくれたりと色々と手当てをしてくれます。日本人の女性です。ムスリム服を着てらっしゃるね。きっと旦那様がムスリムの人なんだろうな。どこの国でも女性は働き者だよねえ。


さて、メニューから、
「カシミリプラオ」
を選んだよ。甘い味のプラオ、好物なんであります。
たしか栃木県小山市の国道4号線沿い、ロードサイドのパキスタンレストラン「ビスミッラ」で出会って以来のお気に入り。いや、その前にどこかで食べていたっけかな。とにかくそこのマトンプラオはニンジングラッセの甘さとドライレーズンで変化をつけてきててね、甘い炒飯という概念を知り驚いた記憶があります。
カレーですよ4479(小山市 ビスミッラーパンジャビダバ)栃木県小山市のロードサイドパキスタン。
ここ、
「アーリウス / AARIUS ハラルフード」
の「カシミリプラオ」が大変に良いものだったのです。まず長粒米の仕上がりが実にいい。いいなあ。いやすごいなこれ。


喉越し柔らかく、香りふわりと広がって。優しく大事に頭を撫でられるような喫食体験です。これはいいごはんだなあ。味の方は多分タマネギベースの調味で、穏やかだけどどこかからうっすらと辛さがやってきてね、そこもいいんです。フレッシュのリンゴのダイスカットとナッツが入っています。このほんのりと甘くて香ばしくて食感楽しくて、というバランスがまったく素晴らしい。日本人はあまじょっぱに弱いんであるよ。


トマトグレイヴィをつけてくださったんです。実は注文の時に「お汁、グレイヴィみたいのはついてますか?」と聞いたんですよ。それはつまりそういうの無しなら別でいわゆるカレー料理的なものも頼もうと思ったから。


果たしてトマトグレイヴィをつけてくださった。サラダもね。あらら〜!なのにお会計ではお値段変わらずで申し訳ない限りでしあt。もしかするとこういうセットなのかもしれないし、もしかするとリクエストしてそれに答えてくれたのかもしれない。どっちかはわかんないです。これから行く貴兄は同じにしてもらえると思った時点で負け、脱落、と考えておくといいぞ。


とにかくこのトマトグレイヴィが出色の出来だったんだよ。酸味と甘みと奥行きの一体感が素晴らしい。バターチキングレイヴィから重さを取り去った感じ、かな。上品な味の「カシミリプラオ」に実によく合うんです。この組み合わせはたまらないぞ。


そうそう、サラダ。例によって胡麻ドレッシングであります。日本にあるインド亜大陸周辺国レストランではゴマドレッシングはもうすでにスタンダード、カルチャーになってるんじゃないかという想像をしています。サラダはだいたい謎ドレッシングかゴマドレッシングで出てくるよね。あの甘い味が彼の地の人の舌を動かすのでありましょうか。色々聞いたり調べたりしてみたいです。

店内はゆったりとした空気感。奥の方に別室(多分ファミリールームかな)やプレイスペース(お祈りの場所)などあるようで使い出もいいんではなかろうかしら。あとで聞きかじったんですが、ムスリムスリランカンのコックさんが厨房にいるらしいのです。オーナーはパキスタンの男性。その奥様が今日対応してくださった彼女だと思います。快適だったよ。どうもありがとうございます。

しっかりと好みの味で楽しく食事ができました。いい店に出会えた。また違うメニューの料理を食べに行かなくちゃ。
