カレーですよ(千葉四街道 マロン)アフガニスタンのカシミリプラオ。

すごかった。いろいろと。久しぶりに外国の人のレストランに行ったという満足感があって面白かったのです。

 

 

カレーですよ。

 

 

いや、これカレーじゃないんだよなあ。うーん、なんかでも「カレーですよ。」に入れておきたい感じがあって。

雨の夜、実家からの帰り道に奥さんとごはんでも食べて帰ろうか、という話しになりました。それで、四街道へ。千城台、御成台、四街道とわりとご近所感覚があるんですよ。ご近所なんですが面白い店がけっこう多いんだよね。千葉は今、本当に面白いです。

例によってGoogleマップでなんとなくぐりぐりと近隣のレストランを見ていたらきたきた、おもしろそうなお店。名前こそ、

 

「マロン」

 

ととっつきやすいんですが、どうやらイラン=ペルシャレストランらしいんだよ。自分でピンを打っておいたんですが忘れてた。

さて、アフガニスタン。民族、宗教、紛争となかなかに難しい状態でターリバーンの厳格を越えてしまってるイメージも。現在渡航については日本国外務省がレベル4アラートを出しており渡航を避け、退避を推奨としています。なかなか難しい情勢の様子。が、食、料理というところでは別の話しです。

現地に行く行かないじゃなく日本にあって食べられるならどんなジャンルでも食べみたくなるあたしです。いつでもばんばんメシ食って、そのメシのうまかったことを相手に伝えると他国であろうが言語が違おうがみんなにっこりと喜んでくれます。食はなにもかもの根源。面倒な話しは相手の国のメシを食った後にしようぜ。そこからです。

アフガンレストラン、日本では少数派です。どんなものが食べられるのかちょっと見当がつかなかったんですが、ケバブ関係とかトマトシチュー的なもののイメージがほんのりあります。カスピ海沿岸国の食。地政学的にいうとシルクロード上にある国であること。商隊などの人々の行き来でいろいろな民族の文化が入り混じる地域であることや、お隣にパキスタン、イランとあって内陸国であること。なので魚よりは肉かな、南アジアや中東の料理の影響はどれくらいあるかな、など想像をめぐらせるだけで楽しくなります。

とにかく理解を深めるには食べるのが早かろう、とお店に出かけました。場所は四街道。市街地を抜けて急に暗くなる郊外の細道、そのロードサイドにありました。おや、タイヤショップかな?カーショップかもしれない。それらと場所、駐車場を共有している喫茶店的な外観です。喫茶居抜きではなかろうかね。入ってみるとちょっとびっくり顔をするホールのにいさん。日本語は通じない様子。オンリーイングリッシュ、と言われました。もしくはペルシャ語かな。メニューもなかったよ。オーケーオーケー、いいのいいの。

なんとなく理解できたのは、いま出せる料理は2種あること。片方はピラフであること。プラウとかプラオだなきっと。カシミリの単語が聞こえてきて「ああ!」となります。うれしいことに最近気に入って幾つかのレストランで積極的に探しては食べてる、甘くて旨いカシミリプラオがあるようです。これで勝利確定だな。もうひとつはちょっとよくわからなかったです。聞き取れなかったよ。そしたらスマートフォンの写真を見せてくれて、もう一方は赤っぽい汁物であることがわかりました。多分トマト煮込み。多分辛くないやつ。オーケー、両方もらいます。なにしろ二人で来ているからね。

ついニヤニヤとうれしくなってしまいます。久しぶりの日本語の通じないお店だから。最近ではどんなお店でも割と日本が通じてしまうからね。40年ほど前かな。日本にあるインド料理やタイ料理もまだまだ混迷期のころ。外国人コミュニティのためのレストランだったりするので言葉が通じないことがよくあった時代がありました。あれは海外旅行の面白さ、醍醐味がそのまんまそこに(日本に)あってうれしかったなあ。最近は外国からの人たちはみんななかなかに流暢で、しかもスマートフォンで積極的に翻訳コミュニケーションを取ってくれるからね。それもそれで話しの細部が明確になって楽しいんですが、身振り手振りで注文してあたるも八卦で料理を頼むあの小さな冒険の感覚は無くなってしまったなあ。

 

それはさておきゆっくりと料理を待ちながら調べると、このお店はどうやら本当に昔は喫茶店だったようで、のちトルコの人がやってきてペルシャレストランとし、去年の秋にオーナーチェンジがあったとかで現在のアフガニスタン料理を出す現在の形となったそう。いろいろ言っているうちに料理がやったきたよ。

 

まずは、カシミリプラオ。

これ、とても好みで旨かったなあ。ビリヤニではなくプラオです。彼の地の皆さんの流儀でデカ肉はごはんの中に隠れています。そのデカ肉、マトンなんですが、ものすごいものだったよ。まず大きい。これぞ骨付き肉というシュッとまっすぐな長い骨の先にドカンとでっかくついてるお肉。すごい、素晴らしい。「きょうからオレ原始人」感がすごいです。埋蔵されたそれを長粒米の中から発掘する楽しさといったらもうね、比べるものがないわけですよ。

 

そして驚きのやわらかさ。スプーンで突くとするりと骨から離れるんです。もういちどつつくと小さく小分けできちゃう。ははあ、こりゃあ、、、いやあ、すごいなあもお。ごはんにはお肉の脂がまわっておりこれまたたまらない風味です。味付け、塩は強くなくスパイスも控えめ。いや、スパイス自体あんまり入れてないかもね。テーブルの上の塩を少しかけるとますます好みになります。

 

次はアーブグーシュト=ディーズィー。

名前は後で調べて知ったんですが。グーシュトはゴーシュトかな。肉って意味ですが、地域的に肉イコールマトンだったりします。

手強かったなあ。いや、味ではなく。やって来たのはアルミ、、いやステン製かな?のポット。見たことがないフタ付きの食器です。それにシチューが入ってるみたい。その隣に大きめの空のボウル。これなんだろう。骨とか入れるのかな。大量の丸いパンと生のタマネギ四つ切りとレモンも一緒にきました。

パンはカスピ海周辺っぽい模様付きのあれです。プラスチックのハサミ風グリップのようなものとやはりアルミ製かなこれ、マッシャーらしきものも一緒にやって来たのが謎めいている。

さてどうしたものかとむずむずとしていると、持って来てくれたにいさんがやおら赤いハサミ風グリップを持ち、それでアルミポットを掴んだのです。ああ、そうか。あれ熱いんだね。そしてフタをとってボウルに赤いシチューをどくどくと注ぎ始めます。最後に一瞬間があって、具材も一緒にぶちまけられました。なるほど、こうやってを食えということか。じゃああれはなんだ。アルミのマッシャーみたいなやつ。用途が、、、ないぞ。まあいいやと食べ進めることに。

パンをちぎって食べます。少し水分足らない感じかなあ、など思ったのですがシチューにひたして食べるとちょうどいい。ボウルがデカく縁が高いので面倒になってパンを小さくちぎってバラバラと放り込んでスプーンで掬って食べました。お、これがちょうど食べやすいぞ。シチューをよく吸ってくれて実に美味しい。じゃがいも、トマト、豆類が数種入っています。それらもよく煮込まれていて美味しいなあ。トマトベースの煮込みでドロドロにはせず、塩も強すぎずスパイスはごく控えめという感じです。入っていないのかも。良い感じの素朴な煮込みで大変に気に入りました。やっぱりトマトとか穀物あると世界のどこでも煮込むよねえ。

うまいうまいと大量のパンとメシ、ホントにけっこうな量でしたが平らげてしまったよ。

食べながら見ているとカウンターにはわたしたちが食べていたパンと同じものが袋に入って山盛り置いてあります。それを買い求める客が結構やってくるんだよね。わたしたちと同じ料理を食べて帰るお客もいます。どうやらみんなアフガンの男たちらしいです。いや、美味いものを食わせてもらったなあ。さて会計です。メニューがないので値段もわからない(笑)。聞いていなかったからね。このドキドキも楽しいんであるよ。会計、3000円。つまりひと皿1500円です。納得のお値段、いやちょいと安いんじゃないかな。

そうやって帰り道。もう少し知りたいと調べてみたら。

なんとあたし食べ方、間違ってたぞ。どうやらあれは、アーブグーシュトってのは汁と具材を分けて食べるらしい。しかも具材の方は例のあの棒、マッシャー(後で調べるとグーシュトクーブという名前だったよ)でマッシュしてペースト風にしてパンで食べるんだとか。ありゃ〜そうだったのか。だからにいさんが汁をボウルに移した後に一瞬躊躇してから具材の方もボウルにぶちまけたのかあ。きっと言葉が通じない日本人に分けてマッシュしてパンにつけて、と説明するのが難しかったんだろうなあ。あ、パンをちぎってシチューの中に放り込むやり方は正解だったらしいです。現地でもそのスタイルみたい。

なるほどねえ。これでもう一度行く理由ができたなあ。他の料理も食べてみたいんですが、あの2種以外にメニューがあるんだかないんだかもわからない。

ああ、楽しいなあ。

 

追記

たまたまたどりついたんですが、なんのことはない。先日友人がカシミリプラオの食べ比べなんて楽しそうなことをやってSNS投稿していたけど、羨ましいなあ、とかコメントしたけど、そこが「マロン」でした。気が付かなかったわ。