初台、幡ヶ谷は悩ましいのです。大事に思っているお店が多い。どうしよっかなあ。どこにいこうかなあ。
どのお店に行くかが選びきれない。
カレーですよ。
それで、昔は、もうちょっと若い頃は、胃袋も体もまだ無理ができたので「スパイス」でエッグ入りポーク&チキンをたいらげて(これが結構な量なんだよ)。
そのまま甲州街道を渡って六号通り商店街を突っ切ってカリヒオでもうひと皿、なんてやってました。ウミネコだったり青い鳥だったりすることもありました。
いや、しかしもう無理です。
今日は潔く、
「カレーライス カリヒオ」
へ。
川村店主の顔が見たかったから。
川村さんとはなんだかウマが合うっていうか、いろいろと共通の「男の子趣味」ってのがぴったりくる感じがあってね。おしゃべりしたくなるんですよ。
たまにデイキャンプなんか誘ってくれて、このあいだもふもとっぱらでふたりしてのんびりしてきました。
実はこの日もトートバッグの中にたんどーるのお弁当が入っていたんですよね。
そうなんだけど、ドレッシングを買おうな(激うまいドレッシングで野菜食べすぎるやつ。大人気商品)なんて言い訳をしながらのこのことやってきたわけなんですが、それで、おしゃべりがやっぱり始まっちゃって(マスクしてちょっと離れてしゃべるから耳の調子が悪いわたしはちょいと大変だ。いいんだけど)それで、おくさまがちょっと飲み物出してくださったりでうれしくて。
そうこうしているうちにお客さんがドライカレーなんか注文して食べちゃってるのがカウンターの向こう端に見えたりしちゃって、ついつい
「ドライカレー、持ち帰りで」
なんて頼んじゃうわけです。これがおいしいんだよね。
なんというのかなあ。川村さんのカレーはおかしな出っ張りとへっこみがない。
特徴も訴求もすごくあるんだけど主張というのがうるさくない。ちゃんと食べてくれる人の顔を見て考えられているんです。結果、みんなが好き。
中庸でみんなが好きなんじゃない着地点で、それが素晴らしいと思っています。
なんだろうなあ、こういうカレーはあまり多くないと思うんですよ。誰もが好きで、すごいなあって思えるもので、ちゃんとしっかりした芯がある。長く営業しているからこその味だと思います。
だから、いろいろなひとに「どこのカレーが美味しいですか?」という輪郭のないふんにゃりした質問を受けるんですが、カリヒオならば絶対間違い無いと思っているので回答にその名前を挙げることが多いです。
いろんな味の説明とかがバカらしくなっちゃうくらい、食べれば納得、食べるとにっこり笑顔が出ちゃうカレーなんです。
そういうの、今こそこのカレー業界に必要なものだと思っています。