カレーですよ4355(大島 拉麺5510 サンラサー&拉麺5510コラボ3/7)大行列、大盛況。

今回2回目になる東新宿、サンラサーと我が大島の星、拉麺5510のコラボレーションイベント。カレー店とラーメン店のコラボ、前回同様興味深い。

カレーですよ。

まずしょっぱな、オープンの11時30分にはもうすでに50人の行列で衝撃を受ける。すごい人気、前評判だ。この時点で着席は6回転の彼方である。なんともはや、このプレッシャーに押されながらの営業、精神力が問われる。(列は裏の路地のほうに長く続いている)

コラボレーションイベントの1回目がとてもよかったから行けなかった人がまず集中したこと、お互いの店のお客さんが集まったこと、先日のフジテレビ「セブンルール」にサンラサーが紹介されたこと。多くの要因で大変なことになったようだ。

わたしは近所なので何度かタイミングをずらして偵察に出るも行列はちっとも収まらず。
本来1430終了のところを15時半まで行列が途切れず。16時近くにやっと入れることになった。

二人の店主はもうあらかた出し切ったよ、という顔でお疲れ気味なれど、まだまだ意気盛ん。
さっさとわたしの分のオーダーがやってきた。

「鶏塩坦々胡麻キーマラーメン」

スープはシンプル&濃いめの滋味深いもの。これは拉麺5510店主、大滝店主の作。そこに胡麻坦々キーマの濃く強く深い味が乗る。こちらはサンラサー有澤店主のものだ。

そえられた金柑アチャールがまたよいものであった。爽やかな柑橘感がちゃんと残り、しかもインドの漬物のキツいところは中和されており味に極端さ、行きすぎない。だからこそ今日のラーメンによくマッチする。

基本この3種の要素が土台となり、食べ進むうちにそれぞれの味がスープの中に流れ出し、変化が出てくる。これこそがこのコラボレーションの醍醐味で、おもしろさだ。

たとえばインド料理。いくつかのカレーやおかずを自分の好みで混ぜていくというアプローチで自分から能動的に混ぜていって初めて味の変化や融合ができるというものなのである。ラーメンというものはそれがある意味自動化されているということができるのではないか。大変なおもしろさと感じる。

シンプルだが深い鶏ダシのスープに、徐々にパワー溢れる胡麻坦々キーマが流れ出し、奥行きが深くなってゆく。ちょいと濃すぎる感じになるのではないかと心配するが、そこを爽やかな金柑アチャールが抑えに回り、バランスする。

キーマに振ってあるネパール山椒と花椒塩の組み合わせの鮮烈さ。添えられたミントの意外なおもしろさ。豆もやしの風味とポリポリした食感。どれも不思議なくらいに融合があるのだ。

お互い自店の看板を持つ店主が別々の料理を持ち込み、現場で組み合わせて完成させているわけだが、破綻がない。なぜこれだけバランスするか、と訝しむくらいバランスが完成されており、その不思議さ、おもしろさはちょっと堪えられない。

食べ終わると口中にアチャールの苦味が残ってそれが切れ味になり、収まりが良く感じる。
そして舌ではなく気持ちにスープの優しい余韻が残るのだ。なんだかすごい体験である。

なんともはや、ものすごいものがあの小さなどんぶりの中に収まったものだ。

食べたそばから3回目の開催を熱望してしまう。