もうすでに一部方面では噂になっているハラールスーパーマーケット。気になって早々に視察に行くことに決めました。
三郷あたりだったかな。隣の八潮にはパキスタンコミュニティが古くからあって、このスーパーの成り立ちもよくわかります。
カレーですよ。
イスラミック=ムスリムの人々が増えましたよね。東京だけ、関東だけではなく日本全国に増えています。
そうなれば当然レストランとマーケットが必要になるわけで、コミュニティができればそのそばにコミュニティのハブになるような場所、多くはレストランですが、そういう場所が必要になります。当然生活に絶対的に必要なお祈りをする場、モスクも必要になってきて、それもセットで近隣に必ず存在するという流れ。
さておき、もちろんもうすでに日本には各所にたくさんのハラールフードを取り扱うマーケットが点在していますが、まだまだ不足と言ってもいいかもしれません。
そんな中、ここまで大規模で、かつ地域に溶け込む品揃えのムスリムにも推奨できるスーパーマーケットを見たことがないすごい場所ができたんです。
ポイントはムスリムの人々と地域の日本人などの両方に利便性があるというスタンス。これが画期的だと感じるます。
その店の名は、
「ボンゴバザール」
出来たばかりのピカピカのスーパーマーケット。モダンで洒落た大型食料品店ですね。
まずおもしろいのが、変な言い方ですけどここは普通のスーパーマーケットであるということ。
それはつまり、お買い得なものがちゃんとあり、鮮魚生肉、野菜があります。レトルトカレーも(実は種類が極少ない。もちろんニーズがないからだね/笑)有れば海苔もパン粉も醤油も何もかもあるんです。当日は目玉商品として巻きの強い重たいキャベツが50円!!。おもわず駆け寄って買ってしまう値段でしょ。もちろん買いました。他にもいろいろ普通に日用品や野菜、肉を買い込みましたよ。
お魚のコーナーでは担当のおじさんがおかあさんたちをその説明で釘付けにしています。マグロのアラの骨の部分からスプーンでいわゆるネギトロをこそぎ取るやり方のお話し。腕のあるおじさんで、魚が飛ぶように売れていくのを眺めました。そういうのもあるわけで、普通です。いいねえ、普通。
そして。
冒頭で書いたハラールスーパーマーケットというキーワードで南アジア料理のマニアが想像する現地風では、この場所はまったくないんですが。
が、しかし。
そういうモダンでスマートなパッケージのなか、ほかのスーパーマーケットにはない面白い食材も多く揃っているんです。
バランス、という言葉を使いたくなるねえ、この感じ。
アタ(チャパティとかのタネをひねる粉)はキロ単位売り、バスマティ米もジャスミン米もカルロース米(これはアメリカ産ですね)も揃っています。
各種スパイスは当たり前で、少し前まではマニアも知らなかったようなニゲラやパンチフォロンまでカバーされているのには驚かされました。
なんでもあるのねえ。
冷凍ケースの中身はグリーンの帯にハラールの文字。
ハンバーグやチキンナゲット、ソーセージ、サモサなどの加工肉の食品から鶏モモのぶつ切り、マトンの挽肉(販売しているスーパー初めて見た!ケバブ作れるな)。
ラムステーキ、羊の蹄(おお、パヤ用か)まで売っているよ!
圧倒されるよこれ。
みたことのないカットの魚(アジアは基本ぶつ切りがスタンダード)や丸ごと一尾の大型の魚も冷蔵ケースに入っているし。
ヒルサ(イリッシュ)の名のラベルがついていました。バングラデシュの魚だね。
インドネシアの調味料のちょっとしたコーナーがあってケチャップマニスが売られていたりで驚いて。
デーツの試食があるスーパーなど日本でここくらいのものではなかろうか、と目をひんむきました。
惣菜コーナーも、よくある日本スタイルのお弁当もあれば隣に併設されるインドレストランのカレーとナーンのセットも併売されています。
最近はスーパーで、たとえばオーケーストアなんかでもバターチキン とナーンのセットとかお惣菜で売ってるけど、ここんちはすごい。ひと味違う。ナーンは隣からではなくて、惣菜コーナーのガラス張りの厨房内にあるタンドールで焼かれているんですわ。
タンドリーチキンも惣菜として売っているし。アラビアンローストチキンは、これはなにだろうねえ。
タンドールを設備してあるスーパーマーケット、聞いたことあります?!なんともはやおもしろいねえ。
当たり前ですが、ハラールとノンハラール(ハラーム)が分かれており、しかし同じスーパーで売られていてムスリムの人と日本の人が混在、買い物をしている。
これはなんというか、今の時代、これからの時代の日本をを象徴するような場所だと感じて、とても感慨深いです。
厳しくいえば同一のマーケット内でハラール、ハラームが一緒に、というのは受け入れがたい敬虔なムスリムの方もいるかもしれません。
でもその信仰心の幅というものは広くて、これで十分という人々もいるんです。
大事なのはこういう店がスタートしたということ。
ここをなんというかそういうもののニュートラルラインとかにしていろいろな幅とスタイルのムスリムの人も安心できるマーケットが広がっていくともう少し彼らが住みやすい場所になるよね。
わたしが知っているムスリムの人たち、情けが深くて優しいいい人だよ。