この間、無沙汰になってしまっていた小川町のトラットリア。カレースパゲッティを食べてきたんですよね。
うわ!そういうのやるのか、なんて驚いて食べに行ってきました。
カレーですよ。
で、そのことについては少し前のブログに書きました。藤枝シェフ、やっぱりセンスいいんだよなあ。感心してしまいました。
「黒毛和牛カレーパスタ」がもうサイコーの仕上がりでね。
それで、カレーパスタという名前で出ていましたが、そんな簡単なものではなかった。
香り、カレーと呼べるんだけどやっぱりどこか違うんですよね。そこがとても大事で。
イタリアンレストラン。トラットリアの、
「ゼクト / Zect Bylm」
でベタなカレーライスが出てきちゃ、そりゃあダメ。
うちの並びの天才ラーメン店、拉麺5510の大滝店主が作るスパイスを使ったラーメンと同じだ。大滝店主もスパイスラーメンと言えるものを作ったりするのだけれど、絶対にラーメンという一線を踏み越えないのです。カレーはカレー店が作ればいいわけで、ラーメンをカレーにしてはいけないわけです。
それと同じことを藤枝シェフはやっている。これはすごい。やっちまいがなダメ策をちゃんと避けてます。
それで、食べ終わって、うまさとそのセンスバランスに唸り、さて帰ろうと思ったら、藤枝シェフがお土産をくれました。
あっこれ!ちょっと前に藤枝さんが作ってて、わたしが食べ損なったアレだ。ヴィーガンカレーでしょ?
おお〜マジか。とっといてくれたんだ。うれしいなあ。
それで、数日後。さて、いただいたこのカレー、食べてみましょう。
温めてみると、これがなかなかのものなんです。香りがいいなあ。野菜だけでよくここまで粘りを出したな、という感の高い粘度です。ちょっとなめてみると、とても濃い旨味。動物性のもの入れないでこの濃厚な旨み、そして抜けのいい辛さ。うむむ、藤枝さんやるなあ。
また出会ってしまったなあ、野菜の強さが際立つ絶品カレー。このあいだ食べたのはHOSHIKOのレトルトの乾燥野菜のだったけど。
ゼクトのヴィーガンカレー、素晴らしいですね。
トマトの香りと酸味が豊か。キレがあってスキッとする味です。そしてかなりの辛さにキメであるのがこれまたやるなあ、という感。いいなあ。すごくおいしい。
肉、いらないよこれ。この旨味と味の幅。
野菜の旨味が強く、それと辛さのコンボで満足感が高いのですが、日本人の舌は動物性の旨味とカレーライスとを結びつけて考えがちになっている。それをひっくり返せるなあ、これは。
ホントにとても面白くて、これはごはんに合わせたから頭が「カレーである」と判断を下すんですが、もしもショートパスタなどにうまく合わせてやると頭は「アラビアータである」と返してくるのではないかしら。
というわけで、翌日、今度はパスタに。昨今の影響で変えたのが細めのロングパスタになっちゃいましたが、やっぱりおいしい。
そしてやっぱりカレー感が消えたんだよ。なんて面白いんだろう。
これはごはんで食べた時も同じ感想ですが、喉辛くなく舌辛い感じはいやらしさがなく清々しいんです。
辛さはインド的、日本的なところから持ってきていない印象で、ハリッサのような辛味調味の中の味わいのところを取り去った感じと物を使っている感。これが爽やかな食後の感覚を生むんだね。いいねえこれ。
や、まいりました。さすがの藤枝シェフだねえ。
またカレー、やってね。