【コラム】インドのお弁当箱、大活躍の話し。

インドのお弁当箱がいくつか自宅にあります。他の国のやつもあったかな。タイとかあとどこだっけ。

 

出だしからして普通の人にとってはおかしい話かもしれないんですがが、あるのですよ。持ってるの。もちろんインドの金属製のお盆やお皿もあります。焼き物のチャイのカップだってある。ますます普通の人にとってはおかしな話に聞こえます。まあ、いいんです。

とはいえそれほど使用頻度が多いわけではないんだけどね。月に4〜5回、買って帰ったアジアの料理を盛りつけたり、レトルトカレーの撮影で使ったりと、ちょこちょこの割合で、いや、まあ仕事もあるので普通の人からみれば頻度は高い方かもしれないけどさ、使っています。

インドのお弁当箱はね、あれはさ、あれだよ。お重みたいなもんだね。三段の重箱とかそういう部類だと思います。

なんでかっていうとね、同じ三段のインド弁当箱に料理を詰めて持って帰ってテーブルでそのままバラして並べると、もうそれだけで華やかな食卓が出来上がるのです。これ、素晴らしいんだよね。

体験としても楽しくて、気持ちがアガります。ね、日本のお重と似てるでしょ。

だから逆に考えると、インドのお弁当箱をインド料理店やいろいろなお店に持っていってちょっとうまく伝えるとお花見弁当インド版みたいのが出来上がってくることが多いです。

なぜかコックさんたちがこのお弁当箱を見ると奮起するんだよね。「これに弁当を詰めてよ」って伝えると、インド人のホール担当もコックたちも皆ニコニコと破顔するんです。それで、持って帰って蓋を開けると注文したものより多く入ってたり盛り付け凝っていたりおかずが一品多かったりすることもままあるわけです。面白いなあ。なんでかなあ。

きっとね、なぜ日本人が自分の国の懐かしい弁当箱なぞ持ってるんだ?と思うんだよね。僕らの国の料理が好きなの?そうなんでしょと伝わって、自ずと盛りがよくなったりするんだろうなあ。うれしいよなあ。心意気みたいなものも感じます。「だったらたくさん食わせてやるよ」ってね。

 

さてこれでなにがおこるか、なんですよ。

 

ここまでもそうですが、そこでまたコミュニケーションみたいなものが生まれるわけです。まず彼らに自国の弁当箱を持って買い物に来る変な客として顔を覚えてもらえるでしょ。それ、面白いじゃないですか。そうすると嬉しくて、そんでは店を応援するか、とまたこのお弁当箱を持ってお店を訪れるわけです。

ね。こんな楽しいサイクルが弁当箱を中心に生まれるんですよ。

で、ですよ。持ち帰った後もまだまだお楽しみはあるんです。さっきも書いた通りでこのお弁当箱はいわばインドのお重。つまりひろげればそのまま華やかな食卓が出来上がる便利なものなんですよね。とはいえそこで止めずに今度は自分の腕試し。ここでもうひと手間かけてみるのです。

同じくいろいろと持っているインド食器、バナナの葉を模したお皿とか、カトリと呼ばれる小さなステンレスのボウルを用意して、買ってきた料理をもう一度盛り付けてやるわけです。

ほらきたするとどうだろう。まるで彼の地インドで食べたようなこの光景。インドに行ったことがなくても、写真で見たことのあるあのインドの食事の光景が自分の部屋のテーブルにやってくるんです。ああ、こりゃあもう旅の空みたいなもんだなあ。

こういう楽しみがあることを、ちょっと知っておくときのうよりも少し幸せなんじゃないかと思ってね。こんなエントリーを書きました。

ガマンじゃなくてガマンを楽しいことに置き換えましょう。

 

 

*追記

そうそう、これどこで買えるか。「アジアハンター」さんが一番おすすめ。売り切れてても気長に待てばまた入ってきますよ。

http://www.asiahunter.com