ちょいとお誘いをもらって友人を乗せ、茨城坂東市までお出かけです。なんでも最近北関東のインドと周辺国コミュニティが随分面白いのだとか。タケダワーラーとありはらさんと共に坂東市へ。久しぶりに強烈におもしろい海外体験です。
カレーですよ。
思ったよりも遠くない、茨城県坂東市。千葉、野田市からすぐのイメージで、高速道路をフルに使うと1時間ちょいで着いてしまいます。
この日はタケダワーラーも下町の工房で仕事だったようで、ありはらさん共々さっさとピックアップできてかなりスムースに現地着。
ちょいと手前でセイコーマートによる時間まで作れてホクホクです。
「パミールマート坂東店」
は聞きしに勝るディープパキスタンの空気。いや、こりゃなかなかすごい、おもしろい。現地の空気たっぷりのおもしろい場所です。
正式名称
「Pameer Mart Restaurant & Halal Food」
と言います。
マーケットやファクトリーも併設されてワンパッケージというイメージのパークワールド。建屋が大きいなあ。なんか倉庫か工場をレストランに仕立てた感じでしょうかね。
まず店に入ろうとクルマを降りると合流したカシマワーラーが「こっち!」と叫んでる。おや、あちらのテーブルがあるホールではないのね。
案内されたのは天井の高い、広い絨毯敷きのホール。
奥には緑と白で描かれた月と星、パキスタン国旗がありました。美しいモザイクのランプが下がっていたりと強い異国情緒を感じさせられます。
そうか、あれか。わたしたちは女性連れの日本人グループ、ファミリールームに案内されたか。そういうわけか。
なにしろここはムスリムワールド。案の定、誰もいなかった絨毯敷きホールはその後パキスタンの家族連れで埋まってきました。
うんうん、納得。
さて、注文はホールのホワイトボードから。
マトンロシュ、ラホーリフィッシュフライ、カブルプラウ、パラクゴシュト、チキンカラヒの5種をオーダーします。
メニューチョイスはカシマワーラーに任せっきり、ホワイトボードのあらかた頼んだという感じです。
気を付けねばならないのが料理名があるんですが(英語表記で助かった。
ウルドゥー語表記だったら往生するだろうな)それらに自動的にサラダの小鉢、ダヒとナーンがつくこと。
4人で行ったが5種の料理を頼んだので5枚のナーンやチャパティがつく計算です。
こりゃあお腹いっぱいになりすぎる。うれしいけど。
ここら辺のルールは初めて行ったのでわたしもよく把握していないのよね。とにかくカシマワーラーに任せました。
では、料理、行きましょう。
ラホーリフィッシュフライ
真っ先に来たのがおさかなの揚げ物。ラホーリフィッシュフライはなんというか、わかりやすく言ってしまうとスパイスを強く使ったアジフライ的なもの。衣が厚めで食べ応えがあってとてもおいしい。大変においしい。
コリアンダーシードのホールがガリリときて強く香ります。少し痺れの要素もあるようで、おもしろいし。キャベツスライスと白ごはんがあってもおかしくないぞ、と感じます。
スパイス香るアジフライ定食だねこりゃ。
カブルプラウ
お次に来たのがカブルプラウ。元々はアフガン料理だったかな。カブール(アフガニスタン首都)スタイルのプラオの意味ですね。まあなんにしろあそこらへんは国境も接しているわけでこういうのが出て来て全然おかしくもなんともないわけです。
レーズン、グラッセのニンジンなんかが入るマトンプラウです。いい意味でくさくてうまいのよ。長粒米に香りが移り、マトンがマトンらしく主張してくるのがすごい。なかなかこれはおもしろいものですよ。
ちょいと手強いと感じる人もいるかもしれませんので、要注意。手応えというものがある。冷めたらキツくなるから注意ね。
マトンロシュ
すごいのがやってきたよこれ。マトンロシュ、骨つきの塊肉を煮込んだもの。まずサイズ感に圧倒されるのと見るからにコラーゲンが山盛りというのも圧を感じますねえ。
じゃがいもと丸揚げのホールニンニクが添えられているのがワイルド。これが実にうまかったのよ。
スパイスを強く使うというよりも素材を生かし切る煮込みという風情で実にうまい。マトンのクセもそれほどではなく食べやすい。いいねこれ、おいしいねこれ。じゃがいももっと入れてよ。
パラクゴシュト
いわゆるカレーの類です。ほうれん草とマトンの煮込み。これがまたうまいんだ。かなりうまいんだ。ほうれん草の煮込まれ具合がちょっと海藻、ワカメや岩海苔風の食感を作り出していておもしろいよ。
粘度が高くパン類によく合います。ついてきたナーン(現地風で丸型)とチャパティにぴったりくるのがチャームポイント。
これ、まちがいないです。
チキンカラヒ
チキンのトマト煮込み。これもカレーの類。これもよかったなあ。
トマトとチキン、生姜、ニンニクなどと少々のスパイスで作るシンプルな料理なんだけどこういうものこそ差が出るというもの。優秀なコックさんがいるのだろうねえ。大変にうまいんです。
他の料理よりもクセが少ないので連れに舌の繊細な人がいるのならこれをあてがってあげるといいかもしれないですね。
これだけの料理がみんな1000円でしかもナーンやチャパティがついてくるんだよ。おかしくないか?!近くなら間違いなく通うよね。
食事の後にマーケットを覗きます。ここもちょっと時間と場所を忘れるような楽しさと体験が待っています。
まわりはムスリムの男たちばかりだし、それに加えて最近の暑さでますますここが日本なのかそうじゃないかがわからなくなる気分です。うわあ、おもしれえなあ。
スパイスも安いねえ。うわ、カシア安い。マンゴーも安かったし。
ファクトリーも覗かせてもらいました。マトンを捌くブースやナーン工房などどうにも興味深いです。
いろいろと圧倒されるおもしろい場所だったなあ。
ラホールのダウンタウンに迷い込んだようなものだねこりゃあ。
空路の旅を絶たれたいま、こういう場所での異文化体験は価値があるのではないかしら。
気後れすることなくいってみるといいですよ。
ムスリムの人は本当に優しい人、人好きする人が多いから。