ひさしぶりにあの手順を踏んで見たくてやってきたお茶の水。
手順というのはジャガイモを食べずにカレーを持って、カレーが来たらジャガイモを割って入れるあれのこと。
カレーですよ。
駿河台下はいつの間にやら「カレー=神田神保町」となった一帯のなかでも特にカレー店の密集度が高い場所になっていました。
べっぴん舎、マジカレー、オオドリー、HINATAYA、スパイスキッチン。専門店以外でもキッチンカロリー、神田たまご軒、はなまるうどん、小諸そばととにかく大変な一角です。その中にお茶の水のカレー専門店の古参店、
「エチオピア」
があります。
わたしにとってはちょっと儀式めいた行為、ジャガイモをめぐるあれををするためにここ、駿河台下のエチオピアにやってきました。
実はちょっと迷ったんだよ。というのも中途半端な夕方の時間で、あと20分待てば他のカレー店もディナー営業が始まるという感じの時間帯。
まったく大いに迷ったんですが、やっぱりエチオピアのカレーが食べたいな。なにしろ通し営業だから今すぐ入れるし。よし、混んでないし入ろうか。
券売機前で暫し佇み。が、しかしやっぱりいつも同じの、
「ビーフ野菜カレー」
のボタンを押してしまうんだよね。
ここに来るとなんとなくビーフを頼みます。
それは多分、こういうスパイス際立つ味だったり粘度が低いサラサラの方向性だったりでビーフを使う、というお店が少なかった時代の、その名残りなんでしょうね。
それとは別にいつも思うのがもう少し汁がほしい、というところ。うーん、でもそれをやってはエチオピアではなくなってしまうか。
あくまで汁気はごはんの底にしみる程度でそこからクローブの香りがたくさんするあの感じ。あれでいいのだよ。あれがいいのだね。
それこそが、エチオピア。
いつもどおり、じゃがいもがはじめに出てきます。じゃがいもを食べずにカレーを待ちます。カレーが来たのでジャガイモをちいさく割ってカレーソースに浸します。
なんだろうなあ、この満足感。