カレーですよ4486(レトルト 都城華礼)1万5千円。(ふるさと納税)

ある日、アキノ・リーさんから連絡をもらったんですよ。レトルトカレー 試食しませんか、のお声がけ。なになに珍しいじゃない。気になるじゃない。

 

 

カレーですよ。

 

 

友人やカレー業界の有名人からのお声がけは一も二もなくお受けしています。仲良しだからね。でも一応プロの名前で仕事をしているので本当は舌と胃袋は有料よ(笑)お友達は別、であります。

それで、やってきたレトルト がすごかったんだよ。初めはなんのことやら分からなかったんだよ。

驚いたのは届いたときの様子。いま書いた通り、はじめはなんだかわからなかったんです。宅急便が来る予定のない日、突然届いたその包みは透明なビニールをかぶっていました。そこに住所のラベルが貼ってあったんです。それはつまり中のパッケージが外からまる見えということ。なんと桐箱ですよ。桐箱が届いたんだよどうしたなんだこれ。(正確には木箱)

どこから何が届いた?と訝しみながら箱を見ると都城の文字が見えました。おや。

宮崎都城市は少なからずご縁があります。都城市は日本一のふるさと納税の街。案件でその広報をお手伝いに行ったことがあるんですよね。食べあるキングの枠で2回尋ねて行きました。飲食店や一次産業の現場を回ったり、イベントのトークショーで喋ったり、市役所を敬意訪問したり。

めでたく今期もまた市長職を継続なさっている池田市長にもご挨拶をさしあげました。カレー倶楽部ルウ、ヤマエ醤油、ばあちゃん本舗、市職員のみなさん。ほかにもいくつかの企業のみなさんといまでもずっと仲良くさせていただいています。ところがこの荷物、いずれからでもないんだよね。

箱を開けるとなんだこれ!!桐箱に入ってたのは、これはレトルトカレーか?!パンフレットには、、、あらなんだ、リーさんがいるじゃん(笑)そうかそうか、これのことかリーさん!事前に何も情報が入っていなくてまさか桐箱でカレーが届くとも思わずで面白い混乱でした。

さてこのカレー。なんでも日本一らしいんですよ。なにしろその名も、

 

「日本一高級な宮崎牛レトルトカレー 都城華礼」

 

という名前。思わず破顔!(笑)普通名乗るか、自分で(笑)と思ったわけです。が、説明を読んだりリーさんに聞いたりするとみるみるその笑いが驚きに変わります。そのお値段、1万5千円。(ふるさと納税)おおおお!本当か?カレーどころではないよこの値段。

ちょいと星がついたレストランでディナーが楽しめる金額ではないですか。なんということ!恐れ多くてしばらく手をつけられないままでした。とはいえ食べてなんぼの試食です。なにしろカレーなのだからね。食べよう食べよう。

高級レトルトカレーとくればお肉です。最終的にどこに一番コストをかけられるかと考えればやはり、お肉。そうだよねえ。

しかもこれは肉の街とも呼ばれる都城の生まれなわけで。当然こうなるですよ、納得がいきます。なんでもこのカレー、都城市のふるさと納税返礼品として開発されたものらしく、それを聞いてまた色々と納得がいきました。

慎重に温めます。真剣です。なにしろ高級品です。いや、ちがうの。慎重に温めるのはレトルトのヒートパウチの外からでもそのお肉の量が尋常ではないことがわかるから。これはきちんと説明書を読んでその通りの手順でやるべきもの。温めたら少し袋を揺らして中をかき混ぜろという指示もあります。きちんとやらないと具材が大きいレトルトは均等に温まらないこともあります。なので、慎重に。

さて、いつもはいろいろと副菜を用意したりなんだりするのですが、今日はシンプルストレートに素のままの1万5千円カレー(ふるさと納税)を拝ませてもらおうと考えました。

いつもだとアレンジみたいなことはあまりしませんが、そのレトルトカレーが生きるように副菜を乗せたりパウダースパイスや何やらで少しだけ色気を出してやります。でもこれはもう、そういうのいらない。お肉のオーラで十分以上のものがあるからね。

 

いつもならごはんを盛った皿にそのまま袋からするりと肉を落下させるんですが、これはそういうわけにはいかないやつです。そんなことをすればたぶんカレーソースがじゃばーん!と全部吹き飛んでしまうでしょう。それくらい大きなお肉が入っているわけです。

箸でよっこらしょと袋から持ち上げてまずは温めた皿の上にそっと着地させました。ものすごい存在感がある宮崎牛のモモ肉。その重量驚きの180g。おいおい、その量って普通のレトルトカレー の標準的な内容量じゃないの(笑)お肉だけでそれかよ。そこにカレーソースか。なるほどこんなのが袋から出てくると震えるねえ。

次にカレーソースをお肉の周りに注いでやります。うむ、いいにおいだぞ。

そして、金箔であります。うむむ、金箔。それ、どうなのよ(笑)

カレーの人として言わせて貰えばもういっかい言うが「どうなのよそれ?」であります(笑)

とはいえパッケージからマーケティングにかけて考えれば「日本一高級な」というキャッチをかぶせてあるわけで、なおかつお値段を考えると、ターゲットとしてはカレーマニアが買うなどというものではなく、たとえば高級なものが食べてみたいという好奇心ある人、宮崎みやこんじょに想いのある人、どなたかにプレゼントで選ばれる人などが対象となるわけです。となればこの金箔にも意味が出てくるという寸法。なるほど納得というものです。

さて、食べてみましょう。

ひと口、くちに運ぶとなるほどこれ、すごい。

 

カレーソースは高級お肉カレーにありがちな欧風仕立てにはしていないのがミソです。リーさんがそう言ってました。わたしもそう思います。賛同です。なるほどなるほど。ここがリーさんが関わった価値だと思われるところ。ともすれば旨味方面だけに引っ張られる高級お肉カレーをもう少し軽やかに、と調整を頑張る姿勢が見えて興味深い。

それでね、これ、ごはんと同じ皿の上に合わせるよりも、ごはんは別にしてこのカレーはポット、皿などに入れてそちらから直接シチューとして食べる方がいいかもしれない。そう思いました。

というのも欧風に仕立てた高級お肉カレーであれば肉が主役でその肉を食べるための「ソース」としてフレンチなどの考え方に則りカレーソースを薄めに皿に敷いてその上に肉を置き、肉をソースにつけて食べるという方程式がでてくるんですよ。これはもう少しワイルドで、シチューなりスープなり、液体の中に丸ごと肉を落としてやる手法でコースのひと皿というよりもやはりシチュー的なメインディッシュのイメージがあって、そこに良さがあると感じます。よりカレーに寄せてある、カレーらしく仕上げてあるということです。

そしてお肉やっぱりすごい。

 

ちゃんと良いお肉の持つニュアンス、ただの肉ではなくて味の複雑さや深さをちゃんと舌に感じる、そういうものを持ったお肉です。強い主張で、でもしつこくなく。

迫りくる肉のうまさと深さに溺れる、けど軽やかなので溺れ死にはしない、そんな感じです。美味しさの余韻は強いですけれど、舌に残る味の方の印象は足早に消えてゆくのが素性の良さを物語ります。軽やかなのです。

途中から金箔の圧は消えますね。まったく消えます。

それはつまり百式が金色だから、目立つ姿で派手だから強いのではなくて、モビルスーツとして手堅く作られており、それにクワトロバジーナというパイロットが乗るから強いのと似ています。

金とか赤はどうでもよくなるわけです。圧倒的な真の肉の力に支配されるという体験が旨なのですよ。間違いなく3倍以上うまい。いや、なんの話だったっけか。

とにかく確かに圧倒される体験がありました。ふるさと納税だけで扱うというやり方もいいと思います。郷土愛というものがあるものね。

日本一高級な宮崎牛レトルトカレーなので日本一有名なカレーのひと、アキノ・リーさんを起用したのも腑に落ちます。

けどさ、みやこんじょよ、あんたあたしのことを忘れてるぞ(笑)