【ブックレビュー】「curry note SPDX」毎年刊行が続くcurry noteが1冊にまとまった。

ついに入手。

 

これ、出ているの知らなかったんだよね。たまたま経堂のスリマンガラムに行ったときにカウンター席にあって、即取り寄せることにしました。

なんとこれ、年一回やってくる毎年のお楽しみ、カレーノートが2010年から2019年までのものをまとめてあるという素晴らしいもの。これはもう絶対欲しい。買わざるを得ないのです。

 

欲しいなあ、買わなくちゃなあ、タコシェいくか、なんて言ってたんですが、EC買いました。時節柄というのもあってね、本当はお店に行きたかったんだけど、本当はお店でいろいろみて余計なものまでいっぱい買って帰るのが楽しいんだけどねえ、タコシェ。せめて、とタコシェのECから買いましたよ。中野ブロードウェイのタコシェ、実はカレー同人誌、カレーzinもいくつかあってね。ああ、行きたいなあ。

さて、

 

「カレーノートSPDX」

 

ECサイトでのお買い物って、欲しいなと思い、思うのだけど、思ってから割といつもダラダラになってしまい在庫が切れて買い逃すことも多いんだよね。が、これに関しては迷いもなければなにもなく、ネットでズバッと買いました。時節柄ECでとかのセリフ、悔しいねえ。

 

カレーノートはずっと好きなまんまでいたんだよね。年一回、100円とかで売ってるかわいいやつをタコシェで見つけて買ったりしていました。

出会いはもちろん御苑の「草枕」。移転前のあの小さくて御苑の緑が少しだけ見える、あそこのカウンター。著者の宮崎さんは草枕でアルバイトをしていたそうだ。です。だからカウンターに置いてあったのだねえ。マスター理解あるひとだよね。とてもいいひとなのです。

そしてこの本、とにかくなにがよいかというと、とてもパーソナルなカレーの食べ歩き日記を手にとれる形、電源を落とすと消えてなくなるWebではない形で世に出したということ。これがどうにもすばらしいわけです。

食というのはわたしがいうのはどうにも憚られるのですが、とてもパーソナルなもので、もともと今のように人と共有するというものではなかったと記憶しています。もちろんインターネット以前だって、いや、以前の方がクチコミが強いしえらい評論家の先生の意見だって今よりも何倍も強かった。そういう時代があったんです。インターネット前夜のあの頃は評論を交わすにも知っている顔を見てやりとりする狭いけれどしっかりとした尊敬や事実の確認などがありました。インターネットの夜明けの時代に現ラーメンデータバンクの会長である大崎さんなど混迷期に道を作った人々がいて、それをみた人たちが新しいカルチャーとして育てててきました。もちろんそれらも悪いものではないですが、ちょいと足りないところがあるのは昔以上に難しいし、変わらない。

足りない部分の話は長くなるので端折理ますけど、まあ、皆さんか思っていることそのままです。ナンセンスな基準の押し付けってやつですね。それは置いておいて。

そういう中で著者の宮崎さんがzinというスタイルで食べ歩きをまとめてくれたというのはなんとも嬉しかったのです。そのzinが昇華して、この「カレーノートSPDX」になりました。

今回、2010年から19年までの内容をまとめ、追加ページや加筆などして仕上げたのがたのが、カレーノートSPDXです。

まったくね、あのカレーノートが全巻まとめで本として刊行されたこと、感慨深いし大いに興奮しました。しかも装丁が実に洒落ていてね。うれしくなります。写真を見た初めの印象は「あ、リトルゴールデンブックスだ!」と感じました。現物が届いてみると、この背表紙はあれだ、そっちじゃなくてアメリカ製のコンポジションブック、黒の背表紙に白黒のマーブル模様の表紙のあれ。あの表紙のマーブルに似ていると感じます。そこに金色の表紙、裏表紙。なんともセンスがいいなあ。宝物にしたくなるよ。

そしてその中身。

文体は自然で簡潔なんですがその簡潔な中に感動や関心、疑問、感情。そういうものがストレートに活字として紙の上に並んでいるのが小気味いい。そして見開きの右側は変わらずにノートになっていて自分の感想やメモを書いてくださいという気持ちが伝わってくるんです。ここも変わってなくて良かったなあ。

若い女性がカレーを食べ歩き、思いを込めて紙にする。尊い感じがあったんだよね。コピー機で作った薄く小さな本なのに、尊く感じたのです。それが、まとまりました。

これからも続いて欲しいと切に願っているんです。

それと、宮崎さんにお会いしてお話を聞いてみたいです。