GUが仕掛けてきたミハラヤスヒロのコレクション。その後のアンダーカバーコレクションもそうなんですけど、いろいろわかるし、どうもありがとうの部分もあるので言いにくいのですが、やはり終わりがよろしくない感があるよね。それは、値段が下がって処分価格で収束していくところ。
ブランドの価値がやはり少し落ちると感じてしまいます。とは言えサスティナビリティという観点から言えば売りきりが望ましいわけで。なんかもやもやとした感が残るんです。
そんなもやもやのなか、でもやっぱり安くなっていたからという理由で買うのを躊躇っていたり先延ばしにしていたアイテムを買ってしまう、というのも事実です。そうやって手に入れた2足。
ミハラヤスヒロコレクションのオリジナルソールスニーカー
驚くべきことにソールまでオリジナルで作ってあるスリッポンスニーカー。ミハラヤスヒロの面目躍如というかなんというか。でも至極当然なんだよね。もともと靴から始まったキャリアのデザイナー、コレクションなのだから。いくつかある色の中でも特別であろう、ソールサイドまで黒にしてあるこだわりのブラックをチョイス。思わずサイドに白線を引きたくなるようなあのスケーターシューズ風なのがまたちょっといい。
反骨精神というか茶目っ気と言いましょうか。そういうのがちらちらでるのがミハラのお洋服の楽しさです。いろいろとディティールが楽しい靴でした。シューレースとホールはフェイクでサイドにゴムを入れたスリッポンになっていいるところ。これはコレクションのテーマからだね。ガムソールになっておりソールパターンやロゴなどもしっかり入れてあるところ。サイド、ヒールのゴムラベル。履き口のライニングにエナメルを使うという洒落者感。いやこれ本当に楽しい靴だ。見てるだけで楽しいよ。
アンダーカバーコレクション
こちらは同じようなデザインのシューズがGUの定番に揃っていたと記憶しています。それをベースに色だけ変えたかな、と思ったのですが、さにあらず。ソールがまたもオリジナルだった。驚きました。ソールのサイドにメッセージが入り、ヒールにはプリントではなく刺繍でコレクションロゴが入っていました。
サンドベージュの半艶消しフェイクレザーというチョイスもおもしろいしね。コレクションのミリタリーテイストのリンクカラーとなっているわけです。ああ、いいなこれ。はきやすく、よくできているんです。
どちらも最終980円まで価格が下がり、驚きました。流石にその価格が最終で、もうサイズも色も欠けているんですけどね。わたしはミハラは1980円ほど、アンダーカバーも同じくらいの価格になったタイミングで手に入れました。どちらもデザイナーの意図がちゃんと出ていてなるほどと思わせる良い靴です。とくにミハラヤスヒロの面白さやこだわりはちょっと頭一つ出ている感があって感激させられました。手抜きなし、だね。安く買ったけどそういうディティールやデザイナーの意図がみえると堂々と着られるな、と感じます。それはつまり理論武装で「安い服」と言ってくる輩をぶっ飛ばせるというわけです。
ノームコア、ジェンダーレス的な服がしばらく流行として続いてきました。並行したファッションとは少し違う流れでアウトドアウェアを街着にする層も現れ、ノームコア的なシンプルな服に飽きて遊び始めたデザインの服とアウトドア、ミリタリーが出会っての今、という感があります。
ミハラは今回ユースカルチャーというところにテーマを置いていました。アンダーカバーはスタイリングで大人、おじさんをフィーチャーしたかっこいい大人コーデのページを作っていました。大人も臆せず着なさいよ、というメッセージだったと受け止めています。いいよね、それ。
GU、良いブランドになってきました。パターンがダメでなかなかきびしい服だったのは今は昔。立派なブランドに成長して、新しい提案をして、新しい切り口を見せてきます。靴なんて逆に評判いいみたいだし。
悪くないよね。