頂き物のキットが棚にありました。しばらくそのままにしていたんですよね、いや申し訳ない。重い腰を持ち上げて、調理。
カレーですよ。
なにしろわたしはカレーを作らない。ご存知ですよね?(笑)それがわたしのひねくれどころです。いや、カレーは、好きなものは、プロに作ってもらったものが一番と思っている故、なのです。ちょいとそこは線引きしてるんですよ。
それとね、当たり前なのですが、お仕事でカレーを取り扱うことが多く、そうなるとギャラが発生する案件が優先になるわけです。そりゃあ当然ですよね。いくら待ってもレビューが出ないぞ、と思っているメーカー担当さんはわたしにギャランティの提示をしたかどうかもう一度確認して欲しいものです(笑)あ、知った顔の方からのものはギャラなんて野暮なことは言いません。そういう人たちは必ず何かの時にお返しをしてくださるので。今まで皆さんいつもそうでした。
さて、
「ジョギズカレー」
です。
ブランドはまだ新しい2020年のスタート。シェフのBharat singh Jogiさんが手がけるインドカレーのキットです。
ジョギさんは出身地であるムンバイでの修行ののち、招聘を受けて東京に。「南青山の高級インド料理店」でシェフをやっていた、とあります。それはつまりあそこか、もしくはあそこかなあ、あそこでコックさんやったんですね、多分。
いただいたのは、
「JCペッパーポーク・カレー」
というもの。
ニゲラを使うのがこの手のキットでは珍しいね。またポークというのも興味をそそります。サンプルという形で1合分のバスマティライスもついてくるんですよ。これはなかなかうれしいな。あくまでインド料理の再現にこだわるという姿勢かしら。
さて、調理。簡単でありました。
キット以外で揃えるのはタマネギ、トマト、お肉(ポーク)、油に塩くらいのものです。
タマネギみじんと炒めがちょいと手間な程度で、油を加熱してホールスパイスを放り込み、のちタマネギみじんを加えて炒め、そこにパウダースパイス、トマトを混ぜて炒め。
それから肉を入れて火が少し通ったら水を加えて、というもの。楽しい範囲で手を動かす簡単な手間でありました。
そうそう、ごはんも炊きました。バスマティライス。湯取り方ではなくて普通の炊飯。でもぱらりと炊き上がってうれしかった。
出来上がったカレー、トマトとチリが強く立っていてけっこうな辛さになりました。さっと素早い辛さが口中を駆け抜ける感。花のような甘い香りが強く香るのは、これはアニス。個性が出るねえ。
レシピからの調整として材料の都合からトマト多め、タマネギちょい少なというバランスになったんですが、レシピ通りでもう少しマイルドに振ったほうが良かったかもしれないなあ。
玉ねぎを規定より増量するのと炒めの深度を深めればよかったと考察。それでまろみが出ればチリのとげとげしさがおさまったのではないかしら。
で、翌日。
味が落ち着いたところで自家製カード(ヨーグルト)を適量投入。それと共に信州りんご味噌(ものすごくおいしい甘じょっぱいやつ)を少々溶いてみます。辛さとチリパウダーのエッヂを少し削いでみようと思ったんです。これが途端によくなるんだ。なるほど、もしかするとこっちの方がキットの意図した味に近いのかな。ポークも一晩寝かせたら馴染みが良くなりかなり美味いんです。
チリのエッヂがトマトの酸味と同じくらいの度合いになって一体感が出てきました。あとほんの少し酸味を足しても良さそう。これはうまいなあ。そしてこういう調整で自分の味に引き寄せるのは、とても楽しいですね。キットという形ですが、自分のキッチンで作るんだからね。
ホームページで読んでみると、ジョギズカレーではフレッシュにこだわって、レトルトなどではないキットで味を届けたいと考えているみたいです。
本当に久しぶりの手を動かしてのカレー。ちょっと楽しかったな。