看板を二度見してお店に戻ったんです。なにこれ驚いた!それというのも、ね。
カレーですよ。
いやいやあんたのお店はカレーじゃないだろ、というお店にカレーの名前を見たからなんですけどね。
クルマを車検に出した帰り道でした。西葛西駅にいたんです。西葛西はちょいといいんだよね。いいというのはインドレストランいっぱいあるとかとかインド人が多いからとかそういうことではなくて、高架下の商店街がいいんだよな。
程よい具合にひなびているというか、ちょいと昔風の匂いがするのがね、好きなんです。昔過ぎないのも良いんです。ずっとある個人店の喫茶や焼肉屋とチェーン店が仲良く軒下で同居している風情がいい。好きだなあ。
この日はちょっとカレーじゃないものなど食べてみるかと思っていたんです。実はここのところ、たこ焼き欲がおおいに強まっておりまして、どこかのタイミングでそいつ退治ねばと思っていたのです。粉とソース。渡りに船の、
「ぼてぢゅう」
発見!!であったんですが、なんとランチのメニューにカレーがあるじゃないの。なんでだこれ。
さまざまな飲食店のジャンル、業態に溶け込む「カレーライス」というメニュー。しかしお好み焼き店にカレーライスがあるというのは珍しいんじゃないかしら。驚いたよ。カレー味もんじゃとかならまだ理解しやすいんだけどさ。カレーそのものがあります。これは素通りできないでしょ。
ランチメニューから、
「牛にこみトマトカレー」
を注文。サブタイトルには大阪カレーとありました。いろいろと期待が高まります。
さて、やってきたカレー。なんだか二重のレイヤーに見えるんですが。なんだろな。見た目で言えば茶色いカレーライスの上に赤いカレーがもう一回かかった感じ。果たして食べてみれば赤い部分はトマトソースでした。なるほどこうくるのか。
このカレーはいろいろとなかなか興味深いものです。
ベースはどろりこってりの洋食屋さん風で、大阪風のあまからのあれとはまた少しだけニュアンスが違って思えます。そこに爽やかトマトソース。組み合わせとして悪くなかったね。これはむしろアリですね。
おやっと思った具材がはいってます。これはこんにゃく。こんにゃく、面白いじゃない。食感、味とも良いし、このカレーのキャラクターによくあっています。これ、あれだ。どて煮的なあれ。あ、いや違う違う。それは名古屋だった。ぼっかけか、これは。関西だからね。神戸ではないから牛煮込みの名前なのでしょうね。甘めに仕上げた煮込みです。
牛にこみと甘めのカレーでやんわり味だけどボリューム感は十分。トマトソースの旨味も加わって、そこにシラチャーソースで辛さの調整ときます。うわーそう来るか。まだ面白があったかあ。
店のねえさんがカレーと一緒に出してくれたこれ。ぼてぢゅうオリジナルラベルなんですが、このボトル、この緑のキャップ、そして原産国の「アメリカ」で確定でしょう。タイ生まれのアメリカ育ち。タバスコと違う向きを向いたピリ辛ソース。ラベルをよく見てみると「スリラチャ純度100%」という表記が小さくありました。
これを甘めのカレーに合わせる。なるほどピッタリ、とまでは言えないけどなかなかのマッチングでおもしろいんですよ。こういうやり方もあるのか。おもしろいなあ。
カレー、なんとなくお皿が小さくてちょいと少ないかな、と思いましたがそうでもなかった。十分な量でした。
牛すじ、こんにゃくなど入るあまからカレーとトマトソースにシラチャーの味。この世界観は独特だねえ。
それをぼてぢゅうで。この組み合わせ、忘れがたし。
ああ、おもしろかった。次は必ずお好み焼き食べようっと。