カレーですよ4760(千葉佐倉 サダフ)いつきても異国。

いい加減いい歳なんであります。なのでブッフェ、バイキングの類は行かないことにしています。普通にカラダむりだし。あ、でも例外はあるんだけどね。

 

 

カレーですよ。

 

 

その例外は、困ったことに近所の錦糸町にあるのです。「ベヌス・サウスインディアンダイニング」。あそこは本当に特別なんだよ。とんでもないレベル高いおいしい南インドの料理がこれでもかというくらい食べられるからね。困った困った。

そして、もう一つがこの日行った場所。お店、というより場所と呼びたいと思っています。それが千葉の佐倉にある、

 

「サダフ」

 

なんです。

 

なぜ場所なのか。もちろんレストランなんですが、その立地が極めて珍しいのです。駅もなにもない千葉佐倉の郊外。クルマ以外のアクセスは少し難しいでしょう。お店は中古自動車のストックヤード団地の中にあります。普通の人が入っていくのは憚られるような雰囲気がある工業団地の風情。

かなり大きな施設で、もちろん日本人も働いているんですが、カスピ海沿岸の国々、たとえばアフガニスタンなどの人々なんかが多く働いているようです。当然ながらムスリムフード、ハラールの食事が求められるわけで、そういう背景でできたお店がここ。

広い店内は大理石風のテーブルや革のソファ、草木模様の窓飾りなどイスラミックスタイルが見て取れます。センターに大きなステージがあってここが地域のコミュニティのハブになる場所なのがわかるね。食料品のマーケット、いわゆる乾物屋ですが、そういうコーナーもあります。今でこそ、そういうお店は珍しくなくなりましたがそれでもこの地域でこの規模感を考えればムスリムの人々にとってかなりありがたい場所なのではないかしら。

さて、ランチはブッフェ。これがなかなかの充実ぶりでね。

ごはん類は2種。繊細な香りと見た目のサフランライスがたっぷりたべられます。とてもよいにおいがするなあ。それとサブズィポロ。これ、これが食べたいのよ。細いハーブはなんだろうな、控えめの香りといい塩の加減といい大変に美味しいです。頻度高くブッフェでポロが食べられる、という価値があるからわたしはここに通っているといっていいでしょう。すきだなあ、ポロとか。やっぱりごはん食の国の人間なんだなあ、あたしは。

そしてスープ。このスープがいつも秀逸でね、ほんとうに何度もおかわりをします。いっちゃえばカレーよりも好きかも。

どうやらマトンで出汁をとるようで、クリアスープですが深い味わいがあるのです。これはなかなか大したものだねえ。カレーではなく、このスープのカップにごはんをひたして食べたい、いや、食べてます。

カレーはインディアンスタイルのものが1種いつでも用意されます。とはいえチキンのトマト煮込みであり、それほど強くスパイスを使わないのでインドの、とは限定しづらいかな。というか言い切らない方がいいだろうね。何しろこういう料理は国境を超えてグラデーションになっているものだから。

これもかなり美味しくて、油でキツかったり重たかったりしない軽やかなもの。おかわりが進んでまた困るんです。

マトンの蒸し煮かなこれは。これはなかなか素晴らしいものです。骨つきで骨から剥がして食べるのが楽しいやつ。夢中になるねえ。クセ、そんなにないよなあ。調理と経験なんだろうなあ、この仕上がりは。

サラダが以前と違って取り放題になったのはありがたいです。前は小さなひと皿が先に出てきて追加のコーナーはなかったはず。その分の値上げはあったけど、お店はこの日も大変な盛況です。

食事もそうですが食料品や日用品の販売、広くて天井の高いホールタイプのレストラン、大きなステージと音響、映像機材、もちろんハラールの食と環境。そんなふうな多くの要素がここをお店ではなく場所と呼びたくなる理由です。外にはちょっとした庭があり、大きな池や噴水など、彼らの世界観が垣間見えるのもおもしろい。キツめの美女という風情のオーナー夫人がレジとホールを仕切るのも楽しみの一つです。

 

そして外に出ればカーヤードが続く国籍不明の雰囲気。

そういういろいろな要素を含めて楽しい場所だと思っているんです。

たまに無性に来たくなるんだよなあ。