なんだか久しぶりにリーダーからメッセージが来たんですよ。「イベントやるのでおいでよ」というお誘い。「東京カリ〜番長」の活動を直に見るのも久しぶりだよなあ。なのでちょいと顔を出してみるとにしました。そのタイトル、
「俺たちのルウカレー」
というもの。
うむ、なるほどねー、ルウカレーときたか。うん、よし、行くことにしよう、行きますよ。
それというのもね。
カレーですよ。
もう随分前から言われていることではあるのですが、結局ニッポンのカレーのど真ん中はルウカレーなんです。そりゃもう仕方がない、それが事実だから。
少し前に小さなニュースにもなったんですが、マイボイスコムというインターネットリサーチの会社があります。伊藤忠系シンクタンクを祖とする25年ほどの実績があるリサーチ会社。そこのカレーに関する意識のアンケート結果が興味深かったのです。いや、ただもうわかっていた事実がもう一度確認できたというべきかもしれません。
インターネット調査で期間を2022年08月01日~08月05日として、回答者数は10,189名となっています。
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■カレーを食べる頻度は「月に2~3回程度」「月に1回程度」がボリュームゾーン。月1回以上食べる人は8割。カレーを食べる人では「自宅で作ったカレー」が8割弱、「レトルトカレー」が6割弱、「外食」が3割弱。
■カレーを食べる場面は「カレーを食べたい」が7割弱、「調理や後片付けを簡単に済ませたい」「辛いものが食べたい」「家族の要望」「食欲を増進させたい」などが各10%台。直近1年間でのカレーを食べるタイミングは「平日:夕食」が7割弱、「休日:夕食」が4割強、「平日:昼食」「休日:昼食」が各3割前後。
■カレーを自分で作る人は全体の6割強、男性約45%、女性30代以上で各80%台。月1回以上作る人は男性約25%、女性5割強。使うルウのタイプは「固形タイプ」が9割弱、「粉末タイプ」「フレークタイプ」が各1割強。
■市販のカレールウ購入時の重視点は「味」が利用者の7割強、「辛さ」が約45%、「価格」が4割弱、「こく」「香り」「メーカー」などが各2割前後
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とまあ、ご覧の通り。
カレーというのはわたしがいつも言うように、いまはカレーブームとなっていてメディアなんか見ていると外食も盛んなふうに見えるのですが、基本は内食と考える人がほとんどなわけです。この数字と日本の都市部と郊外の比率が似ているなと思うんだよね。2対8。都市部2割の郊外その他が8割。どこまでをして都市部と呼ぶかという問題もあるんですけどね。それと、外食のカレーと内食のカレーは意識が別という考え方もあるかとも認識しています。色々と興味深いところがある結果でした。
そういう中で、わたし的には札幌発なんじゃないかなあと感じている「ルウカレー」という言葉。今まではちょっと違和感がありました。
これは札幌や道内のカレー店では普通のカレーをルウカレーと呼ぶところから来ているんじゃないかと思ってるんですよ。スープカレーがスタンダードと考えているところからきていると思われます。道内ではいろいろな店でその名前のメニューを見かけました。
で、現在カレーというものの範囲が本当に広範囲に及んでいて、区分けをするために必要になってきたからルウカレーという言葉が地域的なもの、もしくはごく一部の狭い場所(例えば料理研究をする人やカレー専門家など)での使われ方をしていたところから脱したのだと考えています。
そのルウカレー、イコール家庭で作るジャパニーズスタンダードのインスタントカレーの素を使ったカレーライス。これを新しい切り口で見せていこうという意図であるとわたしは読んだのです。そこんとこどうなのよ、リーダー。
それで、なんなのかというと、
「ひとり分の極旨ルウカレー」
の出版記念イベントなわけで、その本を盛り上げちゃおう、それで上手いこといったらシーンを作っちゃおうという腹づもりらしい。なるほど面白そうじゃないの。あたしゃ賛成だよそれ。
カレーが多岐多様に渡るものになって久しい昨今、スパイスカレーや民族料理としての外国料理でカレーに見えるものが台頭しているわけですが、ちょっとみんなカレーライスのことをちゃんと大事にしようよ、カレーライスっていいもんだぜという思いがあってね。スタンダードなカレーライスの中で磨き上げられたすごいもの、いいものにそろそろ光が当たるべき時期だと思ってるんですよ。
だから、賛成。
それで、番長イベントはといえば、いつも通りのダラダラトークでほんわかするわけですが、このゆるさとカレーのたしかな旨さでグルーブを作り出すのが東京カリ〜番長なわけです。
会場にはステージがあってゲストのタケナカリーがトークで喋ったり(なかなかおもしろい言葉まわしとロジックで正解不正解ではなく、興味深くてよかったのよ)エリックサウス総帥イナダシュンスケさんが急遽欠席とか(笑/いや、リーダーはカッコワライ、どころじゃなかったろうが(笑))
その助っ人でスペーススパイス竹田さんが引っ張り出されてステージでカレー作っててなんかそれは一番うまそうな感じに完成しちゃったりとか、せっかくアキノ・リーさんとかパラダイス山元さんとかのビッグゲスト呼んだのにイマイチ使い切れてなかったりとか(ルウのブラインドテイスティングに参加。あれ、スゲー難しいんだよ。で、そんなんだけにあの人たち呼んだのかと(笑))
ルウカレーのアイドル爆誕したりとか、なんかもうカオス。
あたし的にはおしょうとかワラとかイシイちゃんとかのオールドメンバーが元気にやってるのが一番嬉しくて、リーダーがそっとTシャツくれて気を遣ってくれたりしたのがありがたかったり、パラダイス山元さんの顔久しぶりに見られて飛びすぎシールもらっちゃったりとか、そういうのがただただ楽しかったのです。
ステージ脇ではカレー調理のカウンターがあって、イシイちゃんやおしょうが手え動かしてて、そこにいつもなんか知らんけどカリ〜番長ガールズっていうかグルーピーっつうか美女がいてなんかムカつくというのもあった。これもいつも通りでなんかムカつく(笑)
あとステージ上の番長チームはやっぱりなんかオールドスクール系スニーカーが目立つんだよね。なんか、総括するとオールドスクール系スニーカーと言うカラーが東京カリ〜番長って感じ。なにを言ってるかわからねえだろうが、でもそうなの。ずっと見てきてる人はなんかわかると思う。
そうそう、あべゆきなさんは圧巻だったな。水野氏の感動炒カリーを読んでカレー作ったんですう〜なんてことをしゃべりつつ舞台慣れしている感がすごい。喋れる、質問できる、説明できるという三拍子でこりゃあ各方面からたよられるだろうなあ、と。
で、肝心の本「ひとり分の極旨ルウカレー」のキーポイントってのは1人分の、というワードが肝なのです。ルウカレー作ると大体3〜4人前作っちゃうよね。あれはあれで意義があるけど核家族化して久しい昨今、それ以上にシングルライフを楽しむ人が増えたいま、一人分はキーになる。で、今回スポンサードしているエスビーさんのパウダールウを使えば量の調整も自在なわけで。しかも「ひとり分の極旨ルウカレー」はね、あたしもお世話になった笠倉出版社のSAKURA・MOOKシリーズなんであります。あたしの自著「カレーの本」と同じシリーズ、後輩にあたるなわけですよ。だから応援するんだよ。
ライブクッキングなんかもありました。
みてるうちに料理ができるというのはライブクッキングの楽しさでもあるし、ルウカレーならではとも言えるわけですが、さすがにこういうハコイベントだとちょいとダレるのよね。そんな感じも変わらない番長クオリティで(いい意味で)そこに和むわけですよ。リーダー、そのダレをうまく会話でもたせます。腕があるよなあ。
イシイちゃん、新しいカレーが完成するたびにどんどん段ボール短冊を書いていきます。うむむ、例のアレが健在かあ!嬉しいなあ。実はわたしもイシイちゃんに描いてもらったことがあるのですよ。多摩川河原イベントでタンドリーチキンを焼いた時のこと。家宝として大切に保管してあるよ。
ファーストカレーはチキンカレーだったんですが、これがね、香りのあがりかたと抜けがいいことに驚かされます。チキンと玉ねぎのスタンダードなカレーだったんですが、もちろん工夫もあるでしょうけどベースのルウカレーがちゃんとしてなければこうは質が良くならない。改めてメーカー製のルウは偉大な発明なのだと気付かされます。
スパイスカレー全盛のいま、実はルウカレーの本が思ったより売れない(笑)リーダーに告白されてしまったんだよ。逆張りでやってみたらなんか売れないって(笑)うむむ、、なんか由々しき事態だと思うのです。
実はこれはとても共感できる話しで。
わたしの守備範囲である外食のカレーではイマイチ洋食のカレーライスが盛りががらないのだよね。主流であることは揺るぎないのですが、あまりにもあたりまえ、普遍的すぎる存在で、そこんところが難しい。
ここでひとつ、わたしもなのですがいわゆる日本のスタンダードカレーライスを見直すいい時期なんじゃないかと考えているんです。実は11月にちょっといいチャンスを横須賀でもらっているんだよね。お楽しみに。
今回スポンサーとしてついたS&Bのご担当の話も面白かったです。(挨拶しそびれた!)
メーカとしての見解やパウダールウの話しとその特徴。知名度もぐいぐい上がって来ている「本挽き」が売れている話。今夜のカレーはこの「本挽き」使用でありました。8月に発売となった「おいしいベジタブルカレー」はベジ素材由来であることとか。もちろんエスビーの東京カリ〜番長監修レトルトカレーの話しも飛び出しました。
リーダー曰く「炒カレーを普及したい=ルウ推し」という落とし所らしい。それ賛成です。わたしとしてはルウカレー=スタンダードカレーライスが外食でも盛り上がってくれる流れが来ると外食カレーと内食カレーの乖離が薄まって面白い相乗効果が出るのではないかと考えているのです。
まとめとして、リーダーが「シン ルウカレーをコンテンツとして掲げてやってゆく」のだとか。いいと思う。
ジャパニーズカレーライス、復権の狼煙です。大賛成だよ。