わたしがいつもお世話になっている秋葉原/岩本町の秘密基地、デジタルキッチンからお誘いをもらったんです。ワーケーション体験。おや、ワーケーションときたか。
正直、毎日がワーケーションみたいなわたしのフリーランサーとしての日々。そういう立場的にはどんなものかなあ、と思ったのですが(そう言いながら「行きます!」と即答したのも事実)世の人々がワーケーションというものをどのように考え、取り入れ、過ごしているのかはとても興味があったんです。いってみると想像していたものとはちょっと違ったもので得るものが多かったんですよ、このトライアル。
ONSEN WORK
https://workation.biglobe.ne.jp/onsen/
初めに予定表をもらって出発前に「しまった!」と思ったのも実は、事実。それはつまり、早起きプログラムがあったから。一大事です(笑)苦手なのよ、早起き。
なんて言いながら参加したら全然早起きできたし(環境の違いと安らかな睡眠から!)朝日まで見てしまったし(上の写真)。
内容も気楽でかつ効果もあって大いに感心してしまったのでした。
まずは前日、機材車を買って出たわたし、ということで撮影。収録機材一式をデジタルキッチンでクルマにに積み込み、翌日早朝出発、目指すは真鶴半島。快適、順調に現地着。
目的地は、
「TKP HOTEL&RESORT レクトーレ熱海小嵐」
熱海の山側にある個人使用も企業での研修等の用途にも便利なホテル。快適なのです。
結構な広さの2ベッドの部屋をひとりで使えることになりました。うーん、こりゃあ快適。
大浴場ありで、もちろん温泉。これはたまらないなあ。
到着後、まずはプログラムの概要説明。親切、わかりやすい。
そののちのランチ内容は別で書いたので割愛。地産地消をテーマにして八芳園のシェフが腕を振るった大変良いものでした。大満足です。
八芳園の独自開発・製造と聞きましたよ。試食という形での体験プログラムとしてのランチ体験となっています。
食事の後は次の体験プログラム。
一般財団法人日本健康開発財団監修によるヘルスチェック。指にセンサーをはさんで脈波を計測、自律神経バランスの測定や唾液採取によるストレス状況チェック、心理検査のマークシートチェックなどを行います。
なかなか興味深くてね、前屈や歩幅計測などもあって、ちょっと面白かったんです。これは同じことが到着日と最終日に行われました。メンタルとヘルスの効果測定ですね。結果ものちにメールで送ってくださるということで、気になるところもある最近であったため、ありがたい。具体的に自分の体と心の「今」を掴んでおくことに損はないですね。
そのあとはチェックインをしてチームでコンテンツ作りという宿題をこなします。いや、まあ、この日のわたしはトゥクトゥクの運転手をやるだけなんですけどね。いやこれが面白かった!撮れ高も十分。よいものを得た感があります。
夕食はこれも割愛。別で書いたからね。
地のものを使ったよい食事でとてもおいしい。満足感高いです。
食事後は各自部屋に戻って自分の仕事の時間となりました。なんだかんだでやることは多く、忙しいんです。そんな中にも温泉に入れるというお楽しみがあってこれがなかなかうれしいんだ。入浴時間は決まっており(内風呂はある)それをめがけてなんとか仕事を終わらせて温泉に飛び込みます。ああ、快感、如何ともしがたし。おかげで仕事が捗りました。
そんな1日目。
2日目は早朝のウォーキングのプログラムから。先生がセンスよくてね。無理とかなしで興味を持って取り組める上手なプログラムを展開してくれて気分がよかったんです。熱海サンビーチの砂浜を歩きながらビーチクリーニング。ただ目的なくダラダラ歩くとなかなか終わらないとか時間が長いと感じるじゃないですか。それを実にセンス良く解決していて先生の腕前を感じました。いろいろと気づきをもらえます。
自衛艦が熱海港を出ていくところも見られたりしてちょっとうれしい。
朝食、正しく旅館の食事で、さすがの海目の前でお魚、干物が美味しい。うれしいなあ。パワーが湧いてきます。
食事ののち準備、ベリーさんが引率で来宮神社へ向かいました。気がいい、というのはあるもんだなあ、と強く思ったいい神社です。
歴史ある神社なんですが、これがもう実にスマート。モダンな要素を嫌味なく融合、隙なく掛け合わせてあって大変に感心させられました。
お祈りごととと祭りごとという括り以外のカスタマーを呼び込める可能性が非常に高く、そのことによって結果、お祈りごと、祭りごとに人を回帰させるという道筋が括ってあると感じたんです。こりゃあマーケティングの強さが見えてくるね。
池上で住職をやっている友人がいます。彼からも話を聞いていたのですが、本来寺や神社は「駆け込み寺」なんて言葉があるように、うれしい時、悲しいとき、困ったとき、どんな時でも出かけていって誰かと話したりする、いわばコミュニティ・ハブのような場所であったのです。現代ではそういう本来の役割が果たせていない状況にあり、それをなんとかしようと料理教室やライブなど様々なアクティビティをぶつけたりしているそうです。
来宮神社はそういう部分で頭一つ先をいく現代の人の心に即した神社だな、と素直に思うのです。
観光、アクティビティ、アウトドア、、グリーン、ヒーリング、癒し、パワースポット、リラックス、カフェ、清流などキーワードになる要素が大変に多いのです。それはイコール「人の集まる場」という古来神社、寺などが持つ特性を現代的にアップデートが可能であるという事例であり、好例であると感じました。ここ、勉強になるな。
ランチでカレーを食べて(チームの皆さん、付き合ってくれてありがとう/笑)
で、カレーの後はホテルに戻ってラジオ収録をします。
チームからゲストを招いての収録。のびのびした良い話を聞けました。自分でも1本、一人語りを収録。
そののち深夜帯にあと1本収録して4週分。びっくりするほど進みが早い。東京だと2本収録して結構すり減ってヘトヘト、という感じなんですが。人と喋るってのはパワーを使いますからね。ここ熱海では不思議なくらいやる気と気力が湧き上がります。
温泉など挟んでリラックスももらって。夕食のあとはチームの若手、原さんと熱海の町に出てネタひろい。
ニューアタミという雑貨店を偶然発見。地元愛に溢れるセンスいい取り組みとデザインで気持ちが持っていかれました。
老舗店や地元に根付く店のパッケージデザインや看板デザインを上手にお土産アイテムに落とし込んで今っぽいアップデートを施しているのがね、センス良くって。こりゃちょっとまいったよなあ。
地方地域を見ていると若い感性で地元を盛り上げようという取り組みの人がポツリといることがあります。レストランやお店をやったり、ライブやイベントを企画したりするような人。このお店はそういうものの、熱海での好例であると感じます。新しいやり方、今までなかったセンスなどで小さなカルチャーを生み出す可能性を感じました。
そういうものを例えば市や自治体が上手に拾い上げられるかどうかで注目度が上がったりこういうお店の後追い、フォロワーが増えたりの可能性があります。それでまた一人、また一人としまっているシャッタのお店を活用しておしゃれ街みたいに育って、なんてちょっと楽しい想像をしてしまいます。大事にしてあげるべきです。
地元の神社のお祭りにも行き当たりました。
知らない街の、地元の人が大事にしているお祭りを、旅人、傍観者として少し離れてぼんやり眺めるのはなんだか心地の良いものでした。こういうの日一人で出かけている時もよく行き当たって、その時は予定を中断してその時間を楽しんだりします。すごく気持ちに残ったりします。
3日目は午前中の時間を使ってベリーさんと駅前に出て散策とランチ。
ここでも色々と拾えるものがありました。チームメイトのベリーさんと一緒の時間、サシの時間はなかなかチャンスがなかったので、貴重。こういうところで何か得た感が残りました。
その後ランチ、カレーです(笑)
のち移動して起雲閣へ。ここではサミット的な地域のキーマンとの交流会がありました。わたしも2日間である程度溜まったメモを整理して少し意見をぶつけたりしました。こういうのはいいな。価値があるな。起雲閣自体の見学も素晴らしい体験になりました。
行く前と後で何が変わったか。
まずはヘルスチェックですが、まだこれを書いた時点では結果は戻っていないんですけど、プログラムを受けることによって自分の体と心の状態を客観視できたり意識したりという効果は大きいですね。それらを気にしてあげる、自分をケアするというヒントももらえたので、これは大きな成果です。
チームとしての伸びも感じました。一体感というのが出たのです。
わりとデジタルキッチンで頻繁に顔を合わせて仕事もするしおしゃべりもしているつもりなのですが、チームで宿泊という状況、体験で強く一体感が出たという感があります。なんというのでしょう。
少しふわりとした言い方になりますが、阿吽の呼吸だったり先回りや労りや、同じ空間、同じ取り組みでの成功体験などが岩本町のスタジオでの日々よりもより輪郭がくっきりとした印象で体の中に残った感がありました。
東京に戻ってまたいつものようにみんなと仕事をしていますが、明らかに繋がりという部分で変化があったと感じます。
最近思うことがあって、リモート会議などが一般化して時間の短縮、節約、効率化が良いこととされ、まあ確かにそうですが、そういうものに多くの人が慣れてきて、あれは良いね、ということになっています。が、リモート会議に決定的に抜け落ちているのものがあります。会議室や喫茶店、レストランなどでの打ち合わせに必ずついて回る「雑談と挨拶の短く小さな時間」です。あれは実は本当に大事なもので。
ふた言み言でも交わす、なにげないおしゃべりや挨拶の中にその人のパーソナリティや雰囲気が強く出るのです。雑談や仕事とは関係ない短い会話が、親近感や意外な共通点として記憶に強く残り、自分はそんなパーソナルな部分、個性を持つ人と仕事をしているのだ、と意識されて、仕事を共にする人に対しての信頼や尊敬などが生まれます。
リモート会議などは残念ながら会議が終わるとそのまま画面がふっと消えてしまいます。雑談の余地や無駄な時間(実は無駄でもなんでもなく大事な時間)がまったくないのです。これは見落とされがち。
今回のリモートワークではその真逆で、仕事相手のパーソナリティが強く出る「合宿」タイプのワーケーションだったため、強い絆や一緒に作り上げる仕事、というようなモチベーションが生まれたと感じます。
「合宿」なんていうと遥か彼方の古き良き昭和的なものと思われがちですが、そういうものの中にも時代関係なく大切なものは確実にあって、それを忘れたり軽んじてチョイスを怠ったりすると思わぬトラブルやマイナスになってしまうこと、あるではないかな、など思うところがありました。
ちょいと報告書的にもなりましたが、自分の忘備録的にブログとして残そうと思います。