その日は洋食を食べたかったのですよ。ハンバーグ、エビフライ、ジンジャーソテー。そういうものを欲していた日でした。
カレーですよ。
ちょいと縁がある街、千葉の千城台あたりにいたのですが、評判の良い洋食の個人店があることを聞きつけました。
ではそこに行ってみようかね。
「ミスタームーン」
という屋号です。
なんだろう。ミスタームーンライト、ではないのね。なんでだかちょいと気になる。
ロードサイドの店で、隣にトラクターなど農機具の店があるのが千葉の郊外らしさ。いい感じです。
店の中は人の気配を感じる、というのでしょうか。長くやっている店独特の時間によって積み上げられてきた空気感があって、それが居心地いいお店です。
ろくすっぽメニューも見ないまま、表の看板にあった日替わりを頼むことにします。そのセットにハンバーグの文字があったから。だってハンバーグ、食べたかったから。いちおうカレーがないかは確認したよ。
ハンバーグと白身魚のフライのランチです。
コーンスープなんか出てくると嬉しさでニヤついてしまうよね。
付け合わせのさつまいものポテトサラダにホールのコリアンダーがぱらり。このセンスに参りました。
とてもいいねえ。しょっぱい感じで食べたかったので塩胡椒したんですが、それをしても破綻がない。おいしい。いいねー。
ハンバーグ、これすごくおいしいやつです。つなぎのパン粉の香りとお肉の旨みの丁々発止が素晴らしい。サイズ小さめですが、フライも乗っていることを考えるとちょうどいい。こういうのは後ろ髪を引れるくらいがいいのよね。付け合わせに大根の煮物が添えられるのが面白かった。薄味に仕立ててあり、ハンバーグに合わなくもないですね。面白い感じ。個人店の楽しさがこういう細部にあるのです。
フライは白身魚。ボリューム、食べ応えあるフライでオーロラソースというのが泣かせるなあ。正しい洋食なのですよ。ばりっとした仕上がりのフライで頼もしい感じ。これまたおいしかった。
お皿にごはん、は洋食店らしさだと感じています。ごはんを食べていくと皿の上にスヌーピーが出てきて、なんというか、個人店のこういう感じはちょっと和んでしまうよね。こういうのはつい頬が緩む。悪くない。あったかい気分です。
それで、テーブルのメニューが食事中ずっと気になっていたやつ。カレーパン。迷いなく頼みました。注文ごとに揚げてくれるみたい。おみやげに持って帰ります。
帰って食べたがこれ、なかなかに良いものでした。そんなに難しくしていないのがチャームポイントで、フィリングのカレーが粘度高く古くさいやつではなく、丁寧に作ってあります。ちょいとキーマ風かな。良いものでした。
実は帰り際に、気が付かなかった店内の壁メニュー、後で写真で気づきました。おっとっと、ドライカレーがあったのか。
もしやあのドライカレーがこれ、カレーパンの中身かしら、と想像しました。
次回、必ずそれを注文しよう。確かめないとね。