カレーですよ4984(千葉北 陸上自衛隊下志津駐屯地隊員食堂)感激!下志津ピーナッツカレー。

ことの始まりは海自の「たかなみ」乗艦、喫食から始まったのです。自衛隊駐屯地の、

 

 

カレーですよ。

 

 

2020年2月に開催された「カレーの街よこすか20周年シンポジウム」にファシリテーターとして参加、登壇しました。同じく登壇、講演をしてくださる当時の横須賀地方総監(昔でいう横須賀鎮守府の大将だ!)47代、杉本孝幸総監とおしゃべりする機会を得たんです。感激しました。その時に失礼承知で杉本総監に「護衛艦内でカレー喫食体験をしたい」と無茶振りの直訴、ところが快諾を得ちゃったんです。「いずも」でカレー、夢のようでした。

カレーですよ4895 / カレーですよスペシャル(横須賀 護衛艦たかなみ 艦船カレー体…

ところが狙い澄ましたように直後の新型コロナウィルスの蔓延、延期、そして消滅。そんな中「横須賀市観光協会理事」であり「よこすかカレーフェスティバル」の要でもある鈴木孝博さんが杉本元総監と乾現総監にお話をつないでくださって、晴れて2022年冬、横須賀港に停泊するDD-110、護衛艦「たかなみ」に乗艦となったのです。タラップを上る時の喜びは筆舌に尽くし難いものがあったなあ。カレー、個性があって美味しかったなあ。

「たかなみ」でのカレー喫食をして思ったんですよね。

「自衛隊の各駐屯地や施設でカレーを食べてコンテンツを作れないものだろうか」

とか。友人の戸津さんと昔そういう話しをしていたんですが、それをふたたびと思ったところもあります。実は意外とこの括り「自衛隊駐屯地の隊員食堂でカレーを食べる」というコンテンツ、決定版がないんだよね。ないと思う。雑誌、月間「丸」のこれとかいいんだけど、もうちょっと踏み込んだアプローチが欲しい。食という立場にいるわたしが地産地消とか生産者とかそういうところまで手を伸ばして自衛隊の食との物語を地続きにできたら色々といいのではないかなあ、と思ってるんです。

https://www.sankei.com/tag/topic/tag/topic/life_113/

それ以来色々と調べたり見たりしているんですが、いまも書いた通りで各駐屯地の隊員食堂や海自の艦艇の食事は地産地消を旨とするものも多く、ただ自衛隊、ただカレーではないコンテンツ化の価値ってもんがそこにあります。地産地消によって地域とのつながりを見せていったり地元に貢献したりはいいんじゃないかなあ。食材生産者さんの所にも行って、隊の料理長にもお話を聞いて。これなかなかに優秀で血の通ったコンテンツになるんじゃないかしら。イベントもメディア、広報その他もそうなんですが、食を間に挟んでやると一気に伝えたい側と伝えるべき側の距離が縮むんですよ。興味の持ち方が倍増します。どうでしょう、防衛省と自衛隊の広報官の皆さん。

 

それで、検索をしたんですが、レトルトやレシピはたくさん出てくるものの、隊員食堂での喫食体験というのは現状だとなかなかにハードルが高いようなんです。チャンスがないわけではないけどね。

まず考えられるのが、自衛隊の味を再現するレシピで作られた飲食店のカレー。基地の街と呼ばれる場所、例えば横須賀、呉、舞鶴、佐世保。結構な数、そういうカレーを出す店が存在します。海自が多いですね。空自の空揚げもこれから盛り上がってくると思います。

それと、基地祭。これを考えると陸海空以外にも米軍基地のカレーという線も考えられます(わたしは実際横田で食べています。あんまりおいしくなかった、、笑)。ただしこれは屋台などの臨時出店形式がほとんどで、隊員食堂というわけにはいかないと思われます。

あとはレトルトとレシピを見て自作、という線だけどやはり隊員食堂で食べるという体験は特別なもので、それに追いつけるものではないのが事実。やっぱり皆さん憧れるのは隊員食堂だもんね。ますます思いが募るのですよ。

それで発見したのが「陸上自衛隊下志津駐屯地」下志津の高射学校なのです。いや、驚いた、うっかりしてた、灯台下暗しだったよ。義理の実家のすぐそばの駐屯地で、わりと目の前を通りかかってました。よくクルマで買い物に出て通りかかったり下志津駐屯地真横のダイソーなど行っているんだよ。思わず頭を抱えました。そうか、下志津。下志津の地名で認識していなかったんだな。千葉北のイメージがあったんです、界隈。

「陸上自衛隊高射学校」

https://www.mod.go.jp/gsdf/aasch/aaspr-hp/

全国にある高射特科隊の故郷にして総本山。いわゆる地対空戦を旨とする、侵攻航空機を陸上から要撃する部隊が高射隊です。

その訓練学校な訳ですね。そこが「広報ツアー」を定期で行っていることをホームページを見て知ったんです。「下志津カツランチ」「下志津タンタン麺」、そして「下志津ピーナッツカレー」という下志津駐屯地が誇る名物メニュー3品が月替わりで食べられるというのだからね、こりゃあたまらない!(一般メニューの時もあるみたい)

新型コロナもひと段落して広報ツアーが再スタート。その募集ページをね、ブラウザのタブに固定して数ヶ月、毎日確認してました(ホントに/笑)。毎月第2火曜日を基準として募集が行われるためそのページの更新日、更新時間などを探ってたわけです。それで、紆余曲折ののち申し込み完了。当日を迎えました。

 

ツアーは大変に良いものだったんです。

広報の隊員の方々は大変に親切で心あるお気遣いをいただきました。

厚生センターという建物に集合、ここは同駐屯地の総務部的な役割を担っているようでした。保険の窓口やコンビニエンスストア、クリーニング窓口など隊員の方々の日常、福利厚生関係を担う場所ですね。

PX(的なお店、旧日本軍では酒保という名前でした。現在自衛隊では普通に「売店」といっているようです)もありました。バッグやポーチ、帽子やウェアなどの販売が行われています。オレゴニアンキャンパーやアンダーアーマーなど見知ったスポーツ、アウトドアブランドの製品も売られていたのが面白かった。

上野御徒町、中田商店の古着なしバージョンというイメージでしょうか。このお店好き、欲しいもの多くて困る。もう後30分くらいあったら大量に買い物してたな。目移りして迷ってるうちに時間切れとなり命拾いです。

コンビニはデイリーストアだったかな、自衛隊土産のクッキーなどが売られています。わたしは自衛隊ひとくち羊羹を購入。塩羊羹で、小分けのチューブ風のパックになってて便利。栄養摂取というところからも優秀なんじゃないかな。これ、おいしいです。いっぱい入ってたけどたちまち食べちゃった。

さて、待機していた多目的室で広報室の小川さんが動画などを交えながら陸上自衛隊と高射学校の活動やなんたるかをわかりやすく説明してくれます。これがなかなか楽しくてね、あいだあいだに簡単なクイズを差し込んだりして。正解が出るとプレゼントなどあって(バッヂやクリアファイル!)飽きさせないんですよ。こりゃあ流石の手腕だなあ。わたし?クイズの回答チャンスもあったんですが、なんとなく遠慮したんです。なんかほら、いつも取材とかで入るとじゃんけん大会とかプレゼント企画遠慮するじゃない。あのクセが、、今日は一般なのにね。

休憩兼厚生センターでの買い物の時間をいただいたのち体験喫食の時間。さあ、カレーの時間です。

メニューは期待の、

 

「下志津ピーナッツカレー」

 

とてもいいなあ、と思ったんですよ。

千葉とくればピーナッツ。地元産のピーナッツを使うカレーということで大変期待をしていました。地産地消と地域とのつながり、そして貢献。こういうのは大事だよねえ。献立は「下志津ピーナッツカレー」と「さっぱりサラダ」「マンゴーヨーグルト和え」となっていました。

隊員食堂(曹士食堂。士官食堂は当然別にある)で、ここに所属する隊員さんと一緒に食事をとることとなりました。なんと楽しい。広報の上遠野さんがついてくれてなにかとお声がけいただき、気遣いをいただいて助けられました。ありがとうございます。

まずは曹士食堂、配食を受け取るわけですが、当然ながらセルフ。こういうのでもうすでに嬉しくなるわけです。隊員さんと一緒のスタイルだからね。食器をとってカトラリーもトレーに置いて。

まずはごはん。白飯もあるのですが、マンナンごはん(こんにゃくが主成分の代替えローカロリー米、普通の米に混ぜて炊く)があって驚かされました。厳しい訓練と作業でカロリーはちゃんと取らねばいけない陸上自衛隊ですが、それでもやはりカロリーコントロールは大事、ということかしらね。もちろんわたしは迷わずマンナンごはん。デブだからな。

のちデシャップでごはんの皿をわたしてカレーをかけてもらいます。「さっぱりサラダ」「マンゴーヨーグルト和え」もここで受け取りました。コーヒー牛乳もついてるよ。

 

さあ、カレー。いただきます。

「下志津ピーナッツカレー」はその名の通り、ピーナッツの香りが強くするんです!ああ、これ面白い。面白いなあ。そうか、こうなるか。いい、とてもいいなあ。

玉ねぎの乱切りと挽肉が入るキーマ仕立てのカレーです。あまりどろりとさせていないのもいい感じ。味としてはいわゆるカレーライスを逸脱せずに(大事です)しかし個性を加えてらっしゃるのが大変良いと感じます。さらりとしていて食べすぎて困るんだよ。おいしくてどんどん食べてしまう。食べやすくするすると入ってしまうんです。これは気をつけねば。マンナンごはん、正解です。

この「下志津ピーナッツカレー」はなかなかに凝ったもので、この味に着地した流れが面白かったんですよ。このカレー、もう一つの名物メニュー「下志津タンタン麺」とリンクしているんです。

勝浦式坦々麺は房総という土地柄(醤油王国なのです)醤油ベースとなっています。漁師めしが祖とされていて、挽肉と玉ねぎがたっぷり入り、むせかえるような辛さと刺激。これにピーナッツを砕いたものやペーストにしたものを入れて仕上げたのが陸上自衛隊高射学校オリジナル「下志津タンタン麺」。

「下志津タンタン麺」は別メニューで用意されるんですが、今回はカレーです。「下志津タンタン麺」の挽肉と玉ねぎ部分を具材とし、その辛さやコクを土台にガラスープと醤油ラーメンスープをブレンドして仕上げたのが「下志津ピーナッツカレー」なんであります。

好みで調味料が足せるようになっていました。ガラムマサラや蜂蜜、カレーホット、梅干しなども用意されていて、工夫というものがあります。選択肢が多くていいと思う。

梅干しは特に味の幅が広がっていいなと感じます。カレーに少し強めの酸味というのは近年やっと一般でも理解されるようになってきました。良いことです。

食器類を戻す場所も面白かった。流水で濯いで食器を洗浄槽の中に落とします。

 

大変に美味しかったなあ。もちろん「また食べたい」ボタンを心を込めて押しました。

実は広報の上遠野さんが隊員食堂を仕切る給養員の料理長をご紹介くださったんです。これには感激。そのこだわりや工夫などお聞きできて腹も胸もいっぱいになったのです。

そして食事の後は駐屯地内を巡る広報ツアーのハイライトです。

小型バスで装備や車両を見て回りました。

パジェロ(1/2tトラック)、1トンハン(1 1/2tトラック)、3トンハン(3 1/2tトラック)が綺麗に並んでいるのはかなりうれしい!災害派遣仕様でバナーがついていました。災害時に駆けつけてくれる頼もしい車両です。

高機動車は近SAM(93式近距離地対空誘導弾)を背負っていました。

87式自走高射機関砲や73式装甲車のいわゆる履帯車両もあってね。戦車じゃなくて自走高射砲、か。

地対空誘導弾 改良ホークもそのおっかない姿を間近で見られました。

ミサイルというものは現物を見るとなかなかにに禍々しいものです。特にホークみたいにケースに入ってない剥き出しの弾体がランチャーにセットされてるやつ。ウクライナとロシアの戦争のニュースで映像を見ているからリアリティを強く感じるんです。

しかしこれが防衛の要となるわけです。とんできたものは落とさないと僕らが怪我したり死んだりするわけで。陸自の皆さんに落としてもらわねばね。

こういう準備があること、ありがたいことです。

中SAM(03式中距離地対空誘導弾)を4基背負った重装車は地対空誘導弾のリフトアップ、垂直発射状態への可変を見せてくれて圧巻だったなあ。

これあれだよ。パトレイバーのデッキアップのホンモノだよ。まああたし、この程度のミーハーなんであります。

隊員さんが非常に丁寧に説明してくれて、質問なんかにも気軽に受け答えしてくださってすごい楽しい。

車窓からだけとなっっちゃいましたが遠目に野外炊具1号(22改)もチラリ見えて感激。これ、これだよ。これで作ったカレーが食べたい。何かチャンスないかなあ、災害と戦争以外で。

整備棟とか窓から見るとワクワクします。

乗り物とか機械、やっぱりすきだな。

そうそう、ミニコンサートも感激しました。

なかなか音楽を聴くのがつらいわたしの今の耳の状態なんですが、これはね、流石に脳内で補完されるんだよね。「宇宙戦艦ヤマト」。ヒロイズムの一言で済ませばそれだけかもしれませんが、陸自の皆さんが演奏してのこの曲というのは胸にくる、意味がある。そう感じます。

陸軍の軍楽隊ってのは伝統的にちゃんとその存在意義があるわけで(古式ゆかしい行軍時の鼓舞とリズムを作ることを旨とする伝統。R.A,ハインライン「宇宙の戦士」で覚えました)、いろいろな要素が噛み合って、グッとくるんです。(ヤマトは、、「地球防衛艦隊」所属艦だよね宇宙軍か。でも艦隊なんだよね。宇宙の海は俺の海、か?いやでも「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」で空間騎兵隊が、、でもあれは海兵隊?じゃあマリーンか?なんか楽しくなってきた)

久しぶりにまとまらないブログになってきました(笑)

 

とにかくお世話になった広報のみなさん、駐屯地の皆さん。どうもありがとうございました。またぜひお邪魔します。

 

 

追記

「紆余曲折ののち申し込み完了。」と冒頭書きました。なんなのか。電話申し込みだけなんですよね、応募の方法。わたしは聴力異常、感音性難聴を患っていて特に電話での会話がとても耳との相性が悪いのです。相手の言っていることが半分もわからなくて電話がかかってくるといつもとても傷ついたりします。

とはいえなにしろ名物ランチが「下志津カツランチ」「下志津タンタン麺」「下志津ピーナッツカレー」と3種あるわけで、カレーは3ヶ月に一度のローテーション。チャンスは逃せません。無理して電話をかけたのですがやはり相手の声が聞き取りきれない。それで、申し込みは諦めてお詫びをして電話を切りました。

そのあと時間をとらせてしまった旨お詫びのメールを差し上げたのですが、広報担当の小川さんが気を回してくださって上長にメールでの受付が可能か相談してくださったのです。感激しました。(実はそのあと確認の電話がかかってきたんですが。いや、だから耳がってメールに書いたじゃん、、/笑)

そんなこんなでツアーに参加。メールでこんなことをしてるんですよ、とかブログのURLとかやりとりしてわたしの活動を知ってくださったので、厨房のボスを紹介してくださったり広報の上遠野さんが付いてくれて気を遣ってくださってとても心強かったのです。心ある血の通った対応をいただいてその優しさに感激しました。本当にありがとうございました。