いつ来てもタビリオンはいいところだよなあ。鉄工所の敷地の中にあるこの秘密カフェは中に入るといつも驚かされるのです。
富士の麓、河口湖至近、鉄工所敷地内、ゴチックな内装、となんとも絶妙なバランスとセンスで出来上がっていてね。
カレーなしよ。
そう、カレーはないんです。前はあったの。ウィルスの蔓延や営業時間の調整などの中でメニューから落ちてしまった。それは残念。でもその残念は小さなことで、この店に来たくなる理由はちっともなくなっていないのです。
いい意味で外の世界とのつながりが薄い異空間。そこに異能のマスターが待っていてくれるのです。
「タビリオン」
は「なぜここ河口湖にこんな店が」と驚く店。
マスターはなんというか、そのカラダを透かして風が吹いているような人物で、いい意味でつかみどころがないんです。そこが魅力でもあるわjけで。その話力で何かこう核心に踏み込もうとすると知らないうちに別のところへ着地させられている、とでも言おうかねえ。不思議な人物で、大変魅力的なのですよ。
コーヒーが好みでね、深煎りのオリジナルブレンドがとても好きなのです、それに合わせるのがプリン。プリンが絶品。本当に大好きで。この組み合わせからなかなか逃れられないのです。たまには別のストレートの豆など試したいと思うこともあるんですが、やっぱりお決まり、お気に入りに落ち着くことがほとんど。それでいいの。気に入ってるから。
大きな本棚は必見。本棚含めインテリアの重厚感も素晴らしいのです。それもさることながら、そういうセンスのインテリアの中にひと癖ある本がセレクトされているのがね、なんかたまらない。このチョイスはマスターの心の中なのか、それともそれすらちょいと味付けをしてあるのか。そんなことを想像してニヤけながら本を物色するわけです。
いろいろとひねりが効いていて、そのひねり、そのことについて質問した時にマスターの口から返ってくる答えこそ気がつくかつかないかくらいにひねって返ってくる、そんな気がしてます。
その返しにいつでも「またいいものもらっちゃったな」と腹の中で呟くんだよね。
そうやって今日も河口湖を後にするんです。