カレーですよ5098(越谷 Kitchen かれーや)店は派手なれど、クラシック。

道中、越谷におりました。例によってクルマ移動なのです。クルマって電車の駅のように点で刻んで場所を意識することが少なく、ポイントポイントで「いま〇〇にいる」という感覚はそれほどないと感じます。

 

 

カレーですよ。

 

 

地図を見てカレー店を検索すると、集中している場所があります。それはだいたい駅がある場所。あたり飴だよね。そして集中が少ない場所にあるお店が面白い店だったりすることも多いんです。経験からなんとなく醸成された勘が働くんですよ。

色々な経験で積み重ねられたものを総動員するとだいたいどんな店かの輪郭が見えてきます。それでも食べてみなければわからないのがカレーなわけで。何十年食べ歩いてもそういう楽しさは褪せることがないのです。

この日見つけたお店は越谷の駅から至近ですがどうやら飲食店街ではない場所にぽつりとある様子。大きなコインパーキングが目の前にあり、以前ここはなんだったんだろうな、など考えます。結構な広さで、雑然と小さな店が軒を連ねる場所だったかもしれないねえ、など想像してちょっと面白い気持ちになります。

さて、

 

「Kitchen かれーや」

 

というこのお店。

昔々に流行ったひらがな表記の店名だね。こういうのを舐めて素通りすると損をすることがあるんだよ。昔々に流行った、ということはその頃から現在まで営業しているということになり、風雪に耐えお客さんがずっとついていたということに他ならないわけですよ。そりゃあ存続の理由があるはずです。

店内はカウンターがメインで入り口横に1席だけ4人掛けのテーブルがありました。若い今風のカップルがわたしの前に入ってカレーを注文していました。渋いカレー店でランチ、いい趣味をしているな。

さあ注文だよ。ちょいと迷って、

 

「ハンバーグカレー」

 

ハンバーグカレーも比較的確率は低いのですが当たり外れもあるやつです。さあどうか。

出てきたカレー、シンプルな見た目です。うん、いいね。潔い。ステンではなく白い陶器のオーバル皿というのがとてもいいなあ。とても好きだなあ。

カレーはあまり甘さ方面に振らない香ばしい欧風。いや、洋食風か。ちゃんと個性があってカレーライスらしさがある美味しいものです。うんうん、いいぞ。

面白かったのがハンバーグとの一体感が強かったこと。ハンバーグ、超細挽きでナツメグの香り豊かな洋食店の味。おいしい。細挽きなだけに、口に放り込んで舌でかき混ぜるとすいすいとほぐれてペースト状になるのです。カレーソースの中にするすると馴染んでいって一体になって。その際にナツメグが良い仕事をして全体をまとめます。ああ、これいい。

ハンバーグ単体でとても個性的で美味しいのですがカレーとのコンビネーションにも一体感を感じて楽しくなりました。

ちょっとこういう感じは初めて体験するかも。おいしいなあ。

コーンスープと小さなサラダがつくところから、ここがカレー専門店であるけれど洋食のやり方考え方がベースになっているのが垣間見えます。だからあんなにハンバーグが美味しいんだねえ。楽しく美味しいのであっという間にたいらげてしまったよ。

寡黙で淡々と仕事をするご夫婦がやっていて、そういう静かな空気も好みです。

暫定でありましょうろうが(コインパーキングは建物建設開始までの繋ぎで設置されることが多いですよね)駐車場が本当に目の前でね。席からトイレに行くよりクルマに戻る方が近いんじゃないかという場所に止められた。楽々だった。

また来たいなあ。