首を傾げながら食べた記憶があるんだよね。九州ランカと言われる地域独特のスタイルのカレー、こんなにうまかったっけか。なんだかピンとこないなあ。
カレーですよ。
正直にいいます。もう5年くらい前かな。その前の九州方面行きでも食べたけど。どうもいまひとつ福岡や熊本のあのカレーの味、物足りなかったんですよ。
しかしこれはどうだろう。やけにうまいよ、なんでなんだ。
神田神保町の交差点から水道橋方面に少し歩いとたところにある、
「Rスリランカ」
には驚いたんです。
何しろカレーマニアの間でもまだまだ浸透していないと言っていい「九州ランカ」と言うキーワード。これをひっさげて東京に進出と言うのはなかなかに勇気が要るのではないでしょうか。しかも激戦の神田神保町。強い意志がなければこんな出店はなかなかできないと感じます。
お店がね、なかなか個性的な作りで。正面全体がガラスとなっていて、天井が高いのです。スタイリッシュなシャンデリアが下がっていておよそカレー専門店と言うイメージとはかけ離れています。スタイリッシュ、オシャレなんです。おしぼりがペーパーですが厚みがあって大変良い。気遣いが感じられます。おしぼり、大事だと考えているんですよ。お店の従業員の若いにいさんたちも感じがいい。ああ、いいなあ、快適だなあ、このお店。
そんなRスリランカが繰り出してくるカレーは粘度の低いさらさらののスープスタイル。間違ってはいけないんですが、スープカレーではないよ。
さらさらで粘度が低いカレータイプの味付けのものを全部まとめて「スープカレー」という人がいますが、ちょっと言葉が足りてない。それだとタイカレーもインドカレーも、下手をすればカレーラーメンだってスープカレーということになってしまう。カレーというジャンルにおいてはスープカレーは北海道・札幌に発生した固有のもののことを指します。
九州ランカは名前の通りスリランカ料理をベースとしてあり、大阪の出汁カレーとも文脈が違います。スリランカには「結果としたのだし文化」というのがあるんですが(どんどん長くなるので割愛)それに準じているのではないかと考えています。
こういうサラサラのカレーは気ををつけないといけないんだよな。わたしに限っての話しなんですが。どうもどんどんカレーソースをすくっては飲み干してしまい、ごはんのやりどころがなくなってしまうんです。これは自分的には気をかけて注意せねばいけないの。カレーソースが美味かったり、これはなんだろう、とか疑問がある時など、顕著。スープタイプの時は、顕著なんであるよ。
「雑穀フライドガーリックシュリンプカレー」
は、エビがちゃんとしています。もう少し塩味が強くてもいいかな、ともおもいますが融合ということで言えばちょうどと言ったところ。これは美学と好みの範囲の話しだな。
カレーソースはホールスパイスで途中から変化がある楽しい味。九州ランカカレーの単調さを払拭しようと言う意図が見えます。そうじゃないかな。
おいしいんですよ。が、なにか初めて来た時のファーストインプレッションと感覚が違うなあ、きょうは。多分メニューの違いからかな。前回は「ドライカレー&カレー」を頼んだんですが、あれはすごく夢中になったよなあ。思うにドライカレーと九州ランカタイプの融合が飛び抜けて相性が良かったのではないかしら。そう言いながら、この日のカレーも大変にうまかったんだけどね。
やはり旧来の九州ランカからのブラッシュアップがあるよなあ、と感心。もしやここ5年で本拠地である福岡や熊本の九州ランカ自体の底上げがなされた可能性もあるなあ。それともここ「Rスリランカ」が特異点なのか?
他のメニューも試しつつ、伸びゆく様を見ていたいです。応援したい。