アジアハンター小林さんのInstagramで「亀戸」のキーワード目撃。そうか、ネパールレストランか、亀戸のどこだろう。
カレーですよ。
ちょっと調べてみるとGoogleマップにピンが立ててあります。さすがあたし!と思ったんですが、あれ?違った。これはもう閉店したお店か、そうか、あそこか。そうかあ、あの店の後に入ったということかあ。
わたしがピンを打った店は「僕の鶏飯」という若い日本人店主が海南鶏飯/ハイナンチーファンを出すお店でした。面白い、いいお店だったよ。地方に移転という話を聞いた記憶があります。で、
「タカリバンチャガル」
です。ストレートな名前だよね。
お店の前に自転車を止めたんですが、店頭に置いてあるベンチ。まず目に入ったそのベンチ下に置かれた漬物の瓶。おお、おお、こりゃあこりゃあ。期待できそうだなあ、楽しみです。
お店に入ると日本語堪能のにこやかな奥様が席に案内してくれました。ランチのセットメニューはスタンダードなニッポンのインド料理セットが4種並んでいました。ナーンがつくタイプのものね。
そしてその裏。そこにはひとつだけ、しかし大きく
「タカリーセット」
というのが輝いています。
うむ、ランチならこれ一択でありましょう。いきましょう。
小林さんのInstagramを見てきました、と伝えると奥様が喜んでくれたよ。
出てきた料理はきちんとしたダールバート。これ、いいものだぞ。
ひとつづつ丁寧に料理の内容を説明してくれるのも嬉しい。ちょっと残念、耳の調子が悪く聞き取れなかったところもありましたけど、それでいいの。これはわたしの方の都合でわたしの自然な日々なので、いいの。
さあ、ネパール料理の時間だよ。
メインに選んだマトンカレー、これがものすごくうまい、好み。いいんです。マトンのクセ抑えめなんですが風味が良く上品なバランス。ああ〜まったくいい。トマト多めで深旨いんです。量も多く、骨付きのマトンの食べ応えも嬉しい。いいねえ、これ。
ダールは黒い豆を使ったもので、たまにネパールレストランで当たるよね、黒いの。上出来のうまいやつです。ちゃんとカレーではなくダールスープになっています。誤解を恐れずいうと、ブラジル料理のフェイジョアーダに印象が似ているかも。つまり余計な味付けやスパイスは控えた塩煮込みであるということ。
あれよりもずっと繊細で気持ち日本人寄りのフィットを感じるけどね。つまりとってもおいしいということです。あ、これ甘くするとお汁粉になるんじゃない?そうかも。なんて話しをテーブルに用紙を見にきてくれる奥様とおしゃべりをして楽しいです。これは美味しいなあ。おかわりはがまん。ちょっとここのところ食べ過ぎなので。
野菜のタルカリかなこれは。じゃがいものとろみで少し粘る感じの炒め物。味蕾をぐいと押してくる旨みがうれしいやつで、穏やかな野菜の炒め煮です。ナス、旨いなあ。
それとは別に青菜のタルカリもあります。これはシンプル薄めの味付けでシャキシャキも残してあって他の料理と合わせてやると具合がいいものです。
ギーが添えてあるね。ごはんにぶちまけると幸せになれるぞ。注意しなくちゃいけないのはほっとくとすぐ固まるからね。さっとかけちゃうほうがいいよ。
赤いチャトニも辛くて爽やかで色々と混ぜてやりたくなります。
面白かったのは、これ、なんだろう。プルーン的ななにかだな。甘くてふくよかな味に煮てあって、大きな丸い種が入っています。甘い方面のチャトニがわりにもなりそうな、デザートでも良さそうなもの。これもいいねえ。
緑色のすごいのがごはんのてっぺんにどーんとのっかっています。セルロティじゃないみたい。もっと軽かった。麩菓子っぽい食感があったよ。華やかでお祭りっぽい雰囲気が出ています。
えらく充実感のあるおいしいワンプレートで、これで1200円というのはちょっと安すぎると感じます。
なんだかね、これを高いという客もいるらしい。値段の高い安いは相対的にみないといけないと思っています。そりゃあ確かに財布に2000円しか入ってないお客にとっては「高い」かもしれないけどさ、それは自分にとってであり、自分に対して上げる声であってお店に言っていいものではないとおもうよ。自分がそのお店の客足り得るかを考えてそのお店に入るか入らないかを決めるべき。
ここの料理は大変に価値があるんです。