結構大変な目に遭いました。いや、結構どころじゃないな。いろいろとSNSでもどうにか他の方法を選べなかったのか、とかいわれましたが個人的な不幸のあった夜の出来事なのでこれが精一杯。
記録のためにfacebookからテキストをそのまま持ってきました。
ハスラーは快適だったな。新車から約20万キロ走りました。お別れをして、少し古い車でバンライフを開始、と思ったんですが、、、
ハスラーとお別れ。
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突然のお別れ。ある日メーターの歯車ランプがオレンジ色に点灯し、CVTがダメージを受けたことを知らせてきた。ディーラーに持ち込むとCVT開けてみないとわからん、開ければ20万円コース。ダメだったらアッセンブリ交換で50万。他に相談するとリビルドで交換、30万コース。20万キロ走った彼をそろそろ休ませるか、という結論に。
4WDのターボモデル。14年式で車検が3年、2年、2年、この春で2年くるから約9年。ここまでまったく走行関係、電装関係、その他ノントラブル。油脂類はやってたけどゴムブッシュ類はそのまんま。広くてでも小さくて手足のように使える、走行性能高く120キロ巡航も特に不安のない性能。言うことのないクルマであった。
本物の実用車と言えるもので、しかもスズキ、軽く作るから峠でもそれなりに楽しいのだ。ひと頃ジムニーにしたいと思ったこともあったのだが(いまでもとても欲しいが)わたしのライフスタイルを考えるとハスラーのこのグレード(全部入り)がベストオブベスト。それと、どんな遠くても青い小さなクルマでやってくる人としてパブリックイメージ、印象を作れたのもよかったと思っている。
そうそう、お別れの時にナビゲーションシステムの初期化を忘れないように。
それでじゃあその修理最安ラインの20万円分でアシを買うかと探したのがデザインが気に入っておりずっと心憎からず思っていた古いホンダの軽バン、バモス。ホビオじゃなくてバモスの顔が好きで、利用スタイルからターボがよかろうと。探すと条件ピタリの物を発見してしまった。わたしのうちの伝統「クルマは青」の条件もクリアしている。
それで、納車があって引き取りがあってバモスがやってきて、ハスラーは去った。
その翌日。(以降、SNS投稿のテキストママ。じゃっかんの加筆あり)
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寒さ地獄の底を這い回る一夜。
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ちょっとすごい夜になった。
金曜の夜、クルマが納車された。中古のバンだが、よかった。ありがたい。明日の家族の大切な行事、クルマがないとちょいと困るのだ。つつがなくこなし、ほっとして千葉の義理の実家を出た。妻は実家に泊まり。わたし一人で東京の家に帰る。
帰る前にちょいとカレーだな、と考えた。年末からの家族の不幸やらなんやらでちっともカレーを食べられていなかった。それで千葉駅そばのスリランカレストランへ。気分よく食事ができた。ランプライス、なんてのを食べられて楽しい限り。これが21時半くらい。問題はそこからだ。ここから転がるようにおかしな具合になってゆき、それが加速中である(書いているこの場所は千葉駅そばの快活クラブ千葉なんとか店の待合室の固い椅子の上である。まだ渦中にいるわけである)。
自分が停めた駐車場を見失ったんである。わりといつもスマートに自車と駐車場の看板(住所入り)をいっしょに写真に撮ったりなどしておくのだが、失念。魔が差すというのはあるものだ。
千葉駅からふた区画ほど離れた飲屋街。スリランカレストラン「シーギリ」がある千葉中央3丁目あたり。ここら辺なかなかに悪い場所なのである。何が悪いって駐車場。駐車場ありすぎ。交差点ひとつに対して4〜5箇所駐車場がみえるのだ。これじゃあどこがどれやらわからない。初見の土地でランドマークにするべき建物なども見つからない。しかも夜なので、駐車場見失い遭難をする可能性が高いのだ。
バカじゃないの、のお声、気持ちはわかる。しかしこの区画、尋常ではない。交差点で右も左も前も後ろも見渡せば必ず「P」とか「満」とか「空」とかのライトでいっぱいなのだ。現場でこれを見れば貴兄も「バカじゃないの」とは言えないはずだ。しかも納車2日目、まだ自分のクルマとしての認識が浅く、探しているうちにハスラーの姿を思い出して探している自分がいたりする。口に出して「バモス、バモスだ」と念じながら歩き回る。
およそ1.5時間闇雲に探し回ったのだが、それが混乱に輪をかけた。困り果てて交番を探し、お巡りさんに助けを求めるも「ここらへんは本当にコインパーキングだらけで正直わたしたちの力でも探しきれない。しらみつぶしにするしかないが、今晩は0度を下回る。終電も終わっているのでビジネスホテルを確保して明日探したほうがいい」とのこと。おまわりさんをしてそれなのか、最後通告か、と頭を抱えた。
そのときひらめき降臨。思いついて「ここらへんにシェアサイクルありませんか」と聞けばなんと交番の隣に。よし、と自転車を確保。寒さで動かない指を無理やり動かしてGoogleマップに調査済みマーキングをしながら一軒一軒つぶしていった。歩くよりも100倍マシである。
13箇所目でなんとか発見。我が家にやってきてまだ2日目の愛車にシェアサイクルを積み込んで返却のステーションへ。おまわりさんにも礼を言った。あのメガネの優しく親切なお巡りさんがシフト交代していたのが残念だった。直接礼を言いたかった。
さて、では東京に戻るか、とクルマを走らせる。しかし暖かく快適だったクルマはそれから15分ほどしかもたなかったのである。なんということか。
初めは大丈夫だったのだがなんだかメーターパネルの照明が暗いことに気がついた。イヤな予感を感じている暇もなくそのうちバッテリーやらABSやらのランプが点灯し、電動パワステが効かずハンドルが急に重くなる。これは!と思っているうちにエンジンの回転が上がらなくなって路肩でエンジン停止。クルマは息絶えた。
さて、どうしたものか。
幸い50メートルほど先にコインパーキング。クルマを押すのはお手のもの、とは言わないが心得がある。マニュアルだったら生きて帰れるのだが、オートマで現代のクルマでは(それでも20年モノではあるが/笑)それも叶わない。なんとか駐車場そばまで持って行くも、ほんの僅かな傾斜がクルマを入れることを阻んでくる。
命がけで押して駐車場入れようと力んだがこんなわずかな傾斜なのにぜんぜん歯が立たない。ニュートラルに入れてサイドブレーキ解放して、窓開けて肩入れて。押して、勢いつけてこの小さな段差と坂にアタックする。昔取った杵柄だ。からだでおぼえた押しがけの要領である。オートバイ乗る御仁は頷いてくれるかたも多かろう。押しがけ、意外と簡単だ。若い頃に眠っているガールフレンドを助手席に乗せたまま押しがけなどしたこともあった(バラードスポーツCR-X)。が、これは4AT。エンジンはかからない。ただもうこの駐車場に入れねばと言う話し。いっそスタータークランクがついている自動車の時代に戻してくれ、など思う。
5回くらい車道の真ん中まで後退させて勢いつけて押し込もうとするもダメ。ギックリ腰病み上がりの男の渾身の5発が灰燼に帰した。また少し先まで押してもう少し条件がマシな駐車場に入れようとするもさっきの5回で大体体力出し尽くしており失敗。不憫に思ったのか、道ゆく若いお兄さんが手伝ってくれてなんとか不時着。膝にデコがつくくらい頭を下げた。実際には腹がつかえて無理なのである。
それで、ハンドル操作をしながら押さねばならなかったため運転席の窓を開けていたのだが、こんどは窓が閉まらず。バッテリーである。ハンドルクルクルが羨ましい。いまじゃああれは軽量化のためにつけられる特装品となり一部スポーツカーのホモロゲ取得車両や競技用ベース車のものとなった。クルマの中で朝まで、と考えたがこれでは外と同じであろう。すぐに凍え死ぬ。
バッテリーが完全にダメなのだと思う。オルタネーターも疑っている。そんなことを考えてもいまは何の役にも立たない。1週間くらい後だったらきっとシュラフとか車中泊キット積んでたはずなんだが。とはいえそういう問題ではない。納車2日目のクルマなのだから。買って2日の命である。なんとかしてくれよ中古車屋!
それで、はたと気がついた。自分の命も惜しくなってきたのである。寒いんである。風吹き込む運転席の窓に毛布を挟んでとりあえずの風除けを作ったものの、千葉では夕方雪が降った。ぼちぼち0度を下回るだろう。これはまずい。漫画喫茶など調べて徒歩移動を開始する準備。荷物を減らし、腰の負担を軽減。しかし貴重品はきっちり抱えて防寒具は十二単もかくやという仕様。
MA-1の上にライナー付きのM-65フィールドジャケットという重装備を施す。ああ、M-51ならよかったなあ。あのもさもさがイヤでM-65を選んだが、こういう時はフードにコヨーテのもさもさの方がいいに決まってる。寒さで色々と余計なことを考えがちになっている。
さて。
そこではたと気がついた。気がついてしまった。気が付かなければよかったかもしれない。いや、違う。気が付いてよかった。今いる駐車場の金額、勘違いしているのではないか。20分300円だと?いつくるともしれない中古車業者のローダーを待って1万円とか真っ平御免である。カネがあるないではなく、なんかクヤシイ、ハラダタシイ。
看板を誤認識していた、その間違えから正解(12時間1800円)の方へとまたも体を賭して人力移動。間違いなくぎっくり腰、再発するはずである。そうこうしているうちにありがたいことに運転席の窓がゆーーーっくりと動いてなんとかクルマを密閉出来た。これで心置きなくクルマを離れられる。盗難の心配がなくなった。
15分かけて(腰痛持ちの5分は通常人の3倍の時間と距離になる)なんとか快活クラブ千葉中央店のフロントに辿り着くも、新規加入の手続きに戸惑っているうちに、満席。小さくて腰が痛くなるスツールチェアで順番待ちをしているのがいま、3時41分のわたしである。まったく部屋が空かない。さっきまでは動きがあったのだが、どうやら皆さんぼちぼちお休み、活動休止のご様子。
快活クラブの固い椅子で、それでも外もよりマシと部屋待ち顔を装って、クルマのことを考えながら暖をとっていたがそれもぼちぼち破綻しそうである。待合室はあくまで待つだけ、ホテルではないからトイレがない。限界は近い。
あんまり暇なんでこんな長文を書いたのだ。
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快活クラブのその後。
快活クラブの固い椅子に耐えかねて、いや、尿意に押されて必死に検索して「なんとなくイケるんじゃ?」という漫画喫茶系の店を探し出した。「宝島24」、あれだ、キャッチコピーに「ホテルがライバル」って大書きしているあそこ。幸いなことにあいていた。モーニングコースというあたしのような可哀想な人を救済する朝4時からのコース。3時間で1100円と格安。
まずはあのスリランカレストランのランプライスが胃袋から消えた様子なので松屋で牛めし。こんなにうまかったか、と思うほどうまい、、いやそうでもない普通か。とにかくカラダにしみるようだ。あったかくてしょっぱいものを食べると言うのはこんなにも人の心に勇気を与えるものか。北陸の方々にどうか温かい食事が届きますよう。
わたしもこれを勇気として腹に収め、地図ではあと5分と表示される道のりをのろのろと15分かけて進む。最悪だったのが松屋にトイレがなかったこと。小規模店だからかトイレの設備がない。もしかするとアーケード街のトイレを使えと言うことか。そんなもの今の時間空いているわけがない。ゆっくりと2〜3杯温かいお茶を飲んでやすむつもりだったのだが。
「宝島24」、当たるも当たらぬも八卦ではあったが無事部屋を確保。これで暖が取れる。
あ、なんか、違った。漫喫系じゃなかった。エロビデオ系だ。なんでもいいんである。雨風寒さをしのげれば。
まだわたしの足元に動くエンジンがあった頃に買ったカルピスを命の水として少しづつ口にして気を紛らわせながら1時間ほどうとうととした。エロビデオもライブチャットも知らんがな、である。とにかくカラダを休めてやる。腰がガクガク、膝もだな。
iPhoneのバッテリーも心許なくなり、モバイルバッテリーも30%を切った。壁に2AのUSB-Aがあったので手持ちのケーブルでモバイルバッテリー含めて充電。チーロのアレを持っていればもっと速く充電できたのだがあいにく。
兎にも角にも少し眠って多少マシになった時点で退出、日曜朝の千葉駅をあとに、早朝の人影まばらなバスに揺られて、実に12時間ぶりに義理の実家に戻ったのであった。
しかし駐車場のあの看板はひどい。誤認識するよなあ。まんなかのおねえちゃんにさえイラッとしてしまう(モデルさんに罪はない)
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追記で「快活クラブのその後。」のSNSコメント欄に。
快活クラブのその後のその後。
千葉の義理の実家で朝風呂に浸かり、睡眠時間約1時間の重い体を少しなんとかしてやる。筋肉が緩んでいくのが気持ちいい。お義母さんがシャケを焼き、味噌汁を作ってくれて朝ごはん。こんなにうまい朝ごはんは滅多にない。
途中、バスの中から中古車店を見るともなく見るとクルマのウィンドウや屋根の上にうっすら雪が積もっており、それが凍っている。どうやら昨日の夜は本当に命の危機だったっぽい。じわりと嫌な汗が出る。ギリギリのところで色々見えない力に助けられていたようだ。多分亡くなった義兄だろう。
実家で妻が中古車やと保険屋に電話でやり取りをしてくれて、千葉駅のそばに置いてあるクルマの引き取りの段取りが決まった。昼過ぎまでとりとめないままに、亡くなった義兄のことをお喋りして時間が過ぎる。引き取り業車のローダーの到着時間が決まり、千葉駅までバスで出た。
ローダー担当者は真面目そうな人で、丁寧にトラブルの聞き取りをしてくれる。エンジンが止まるまでの経緯を伝え、わたしの類推、多分バッテリーであろうこと、中古とはいえ納車2日目でこれはおかしいのでもしかするとオルタネーターも疑っていることなどを伝える。それで、彼がローダーからバッテリースターターを持ってきてジャンプコードを繋げると案の定始動。駐車場から出してクルマはローダーへと積み込まれた。
またもさよならである。中古車屋にはオルタネーターの件や運転席ドアが開け閉めするたびにバキバキ音がする件や左スライドドアが開いたり開かなかったりする件を伝えた。もともと20万円の車である、さてどうなることやら。(イマココ)