なんというのかしら、さらりとしたよいカレーなのであるよ。わたしにとって、なので大方の人々には関係のない話かとも思うのですが。
カレーですよ。
カレーばっかり食べ歩いていると、本当にたまになんですが、味の表現を迷うカレーがあるのです。これだけ食べて書いてるんだけどね、そういうことがある。もしかすると限りなくニュートラルな味で、その延長にそっと在るものなのかもしれない、と思っています。
たとえば新宿のキンモチカレーなどがそれにあたると思っています。新宿のモンスナックにもそういうのがほんのり。
木場の、
「カラーズ」
もそうなんです。
ちょっとなんというか、誤解恐れずで言葉にするとプロのカレー食いのためのカレーというか、二重レイヤーになっているというか。普通の舌の人が食べるとちゃんと美味しいし、また来ようとなるんですが、舌が肥えた人にとっては発見や冒険を感じるというのかな、拾い上げられるものがたくさんあるな、と感じるような、そういうカレー。
わかりづらくて申し訳ないんですが、数多あるカレーの中でそういうことを感じるひと皿はそう多くはないと思います。こういう話は膨らみすぎる傾向もあるので気をつけねばいけないとも思うけれど、そう思ってしまったので素直に書いたよ。思うに「融合/一体感と突出」のバランスだと思っとります。ますますわかりづらい、、
木場界隈、実力あるカレー店が知らぬ間に多くなった町です。インドレストランなら葛西から移転してきた「和印道」はちょっと震えが走るという実力だし、カオマンガイ専門店(他の料理もあり)「プイ」も長く営業している理由がよくわかるよいお店です。下町に展開するカレーライスチェーン「ジャンカレー」もあるし、孤独のグルメでも取り上げられた「カマルプール」も非常にいいお店です。激戦であるねえ。
そんな中で日本人のマスターが柔和な笑顔をくれるカウンターだけの小さなお店が「カラーズ」です。夜はスパイス料理もあるバーとしての営業をしてらっしゃいます。よいお店でね。カウンターのみのバー的空間は穏やかな空気が流れます。マスターの雰囲気も心惹かれるものがあるねえ。感じいいなあ。
「アジアン風エビとホタテのカレー」
大変旨いのです。ずーっと前におじゃました時もこれ食べたよなあ。前はホタテ入ってなかったはず。カレーソースは粘度低いサラサラのもの。先ほど書いた二重レイヤー、カレー舌を持つ人間にはおもしろさを感じさせる楽しいお味です。エビもホタテも食べ応えあるサイズで幸せだぞ。
特筆は皿の端に添えられたキーマ。いやあこれ、秀逸。奥行きある甘旨いもので夢中にさせられます。さらさら黒カレーと混ぜても抜群にいい。これだけでひと皿、じゃないところがイイ、ニクイ。ちょっと添えられてて、というのがバランスを上手に作り出してくれているなあ、と感じました。
パッカパオ、ハイナンチーファンなどもメニューに上ります。また早々食べにきたいな。基本のチキンカレーをまず食べないと。