カレーですよ5271(六本木 ニルヴァーナ ニューヨーク)再集結。

渋谷「Lil Woody’s / リルウーディーズ」のプレス発表会で驚きの再会からはや数ヶ月。重たい尻をベリーさんが叩いてくれてウォーレンさんと再び会うことになりました。

 

 

カレーですよ。

 

 

ウォーレンさんがオーナーを務める店がある東京ミッドタウンに向かいます。

 

東京ミッドタウン開業と同時にオープン。以来その存在感というものはもうすでに確固たるものとなった感があります。2007年3月の東京ミッドタウン開業とともにニューヨーク・ソーホーからの転生を果たします。以来16年、未だ変わらずにあの場所にあります。

本当の話し、ああいう施設のテナントでの長期営業はなかなかにハードルが高いもの。新規性を求めて不動産が新陳代謝をさせたがるわけです。それを跳ね除ける強さを持っている、ということ。支持をするカスタマーが多いということの証明になりましょう。

 

「ニルヴァーナ ニューヨーク」

 

はわたしが本当に大事に思っているレストランです。今風にモダンインディアンとただ言葉だけで括ってはいけないニュアンスがあると思っています。

久しぶりの「ニルヴァーナ ニューヨーク」ですが、その料理、またもや叩きのめされる感。ただもう食べればどんな人にでもわかってしまう、ベストクリティを持っています。そうか、こんなに良かったっけか。そうだよね、よかったんだった。それがどんどん磨き込まれているというのを思い知ります。

バターチキン、サーグなど同じ名前のインド料理もあまた東京にあるわけですが、まったく別次元の味、仕上がりになっています。それが面白くて仕方がないんだよね。たとえばバターチキン。知っていると言えば普通の人よりもバターチキンという料理の味の幅を知っている方だと自認するわたしですが、わたしが知る幾つかの味の数段上の「質」を感じるんですよ。

素材の違い、技術のレベル、そしてなによりシェフの舌や感性の反映がきちんとなされているからなのでしょう。名前が同じなのになぜこうも違うものになるのか。スプーンを持ったままかたまり、考え込んでしまいます。こういう体験はした方がいいと思う。幅や奥行きを広く知ることは本当に楽しいことだからね。

現ヘッドシェフの引地翔悟さんは若く才能あふれる人物。きちんと自分の思いを料理に昇華させています。そういうクリエイティビティを持った人材が席に来てくれて気持ちよく色々な話しをしてくれるんです。もちろんオーナーのウォーレンさんの席だからというのもあるでしょうが、それを超える自由と闊達、情熱ががある引地シェフは魅力的な男でした。

引地シェフの、なるほどきちんと考えているしスマートなところ。わたしが集客層や店内の雰囲気空気の話を聞くと、少しお話ししてくださって、その後どこかに消えたのち、ホールサービスの女性を紹介してくれました。彼女がまたとても魅力的な女性でね、きちんと自分の体験と知識を積み重ねて得たものを、彼女自身の言葉で説明してわたしの質問に答えてくれました。なんとまあ、人材に恵まれたレストランだろうねえ。

多分レストランの醍醐味ってこういうことだと思う。ただおいしいものをいい雰囲気で食べさせるというだけではなく、血が通った人間が心血を注いでいるのが垣間見られる一瞬があって、それこそが外食の価値だと思っています。そういうものがあるからこその、東京ミッドタウンでの不動の16年ということなのでしょう。

そして、この日ウォーレンさんの元に集まった池田美樹ちゃんとベリーさん、わたし。ちょっとなにか面白いことの始まりを感じています。

このレストランの前身、オリジナル「ニルヴァーナ」は創業の1970年以来の良き伝統、アーティスト支援やアートアクションを旨とするスピリッツを持ち、顧客にビートルズやストーンズのメンバー、KISS、ノラジョーンズ、レオナルドディカプリオやアンソニーホプキンズなどの役者まで世界中の誰もが知るようなアーティストを抱えるとびきりのレストランでした。

ここ六本木の「ニルヴァーナ ニューヨーク」はもちろん、その魂を継承しています。

このチームで何が生み出せるでしょうか。ウォーレンさんとはずっと長い間「何か一緒にやりましょう」と言い合ってきたんです。

そろそろ形にするべき時期が近いのかもしれないと感じています。