カレーですよ5282(大島 ジャシャン)地元の新店はすでに名店の予感。

またも美味体験。ますます信頼が上がるわたしの町の良店です。ここは新しめのお店。

 

 

カレーですよ。

 

 

小野員裕さんが亡くなって、なにかこう、気が抜けてしまったんです。それで小野さんらしい感じのカレーライスらしいカレーライスなど食べたいな、なんてことばかり思って新宿をさまよったんですが、あいにくの連休中、どこも混雑していました。まあ、実は小野さんらしい、なんて言ったけどインド料理だってなんだって興味の赴くままに食べてらっしゃったんだけどね。

ひとつめの目的、御苑の「草枕」のカーテンコール(フリーマーケット)にも間に合わず馬屋原店主にご挨拶ができずじまいでまたちょっとがっかりして。あてにしていたカレー店も長蛇の列だったから、仕方なく地元にとんぼ返りです。

寿司でも買いに出るかあ、とうちの近所の中の橋商店街の入り口にあるお気に入り、「寿司元」に向かいます。そういえば、と思いつき、「寿司元」の手前の路地にある、

 

「ジャシャン」

 

をのぞくとランチをまだやっていじゃないですか。結構いい時間(14時後半)なんだけどな。

 

しかも看板に本日のスペシャル「フィッシュビリヤニ」とあるではないですか。これもご縁か幸いか、とお店に入りました。それで、間髪入れずに

 

「フィッシュビリヤニ」

 

注文です。

さて出てきたやつがこれ。あ、これヤバいぞ。えらい旨いのが出てきたぞ。すごいおいしい。

まず香りがいいの。日本人なら大体やられちゃう魚介の香りがふわりふわりと濃厚にやってきてね。そしてサカナ自体です。ヤバいぞこれ。ちょっと例えればメカジキの西京漬をスパイスで仕立てたような印象でした。マリネの味、センスがいいんだなきっと。なんだこれはうまいうまい。しかも魚たくさん入ってるよ。いやこれ最強であるよ。西京にして最強、サイコーなのです。

ビリヤニ自体も大変においしいです。辛さの効き具合がおもしろくてね、そんなに辛いものを食べてる感覚がないのに知らぬ間に口の中が辛くなっているという感じ。そういう中に玉ねぎの細切れが入っているんですがこれがまた驚くべき甘味と旨みで辛さとのバランスをとってくるんですよ。上品めでおいしい、辛い、やめられない。すげえなあ。

カトリでついてくるグレイヴィがまたヤバいのよ。ここではナスカレーと呼ばれているそれ。タマリンド酸っぱくタマネギ甘いこの感じ。ああ〜こりゃ日本人のあまから脳を直撃する困ったやつだわ。強くおかわりが欲しくなるやつ。まいったなあ。

ああ〜なんだこれラッシー。現地ジャイプールで土を捻ったうつわで飲んだ露店のあれと同じ味がするぞ。なんということか。これ飲みにくるだけでも価値があるよ。いや、いっしょにカレー食べるべきだけど。カルピスの原液と程近い味で、甘酸っぱさの太い棒っきれで小突かれているようなおもしろさ、おいしさ。いやたまらないなこりゃ。

そしてラッシーの器、チャイカップを模してあるのも洒落ているしモダンです。こういう懐古趣味は文明ある場所に必ずついて回るよね。

ノスタルジーはカルチャーの熟成そのものだと感じます。

とにかくこんなお店が近所に来てくれてありがとうの一言ですよ。2回連続でビリヤニにしてしまったので今度は別のメニューも食べないと。この日の黒板にはフィッシュフライにダルゴーシュトなんて書いてあるしね。連食したいくらいであるよ(ムリ。ビリヤニの後の連食ムリ)