Polaroid I-2 のハンズオンミーティングに行ってきました。すごくおもしろかったな。
もともとポラロイドカメラは好みに合っているカメラでした。後生大事に実稼動するSX-70 Sonarを持ち続けているのもその証拠かもね。下の写真、右のSX-70 Sonarはわたしの私物です。ちゃんとうごくよ。
この写真、ちょっと感銘深いのです。SX-70 Sonarはポラロイドカメラの自動ピント合わせのはじめの一歩、おじいさんなわけで。LiDARセンサーを搭載した(だから夜間撮影に強いのです)Polaroid I-2とならぶのはなかなかに感慨深いわけです。
色々と先週の僕のラジオ番組でもPolaroid I-2 のハンズオンミーティングのこと、お喋りしましたよ。
エマルジョンだけど即物的。即物的だけど、現代に於いて15分近く待つというのは「即」と言えるのだろうか、など考え頭が刺激されたりするのがね、刺激的です。とにかく光と影と化学変化というのはやっぱり楽しいのだと再認識。写真という言葉の、文字の意味をいま一度考えて面白かったり納得したりするわけです。文筆業だから一旦文字、文章にして納得したりするのよね。
それがあるからおさそいいただいたミーティングの概要を見て、開始時間が19時半原宿というのと「ポラウォーク」という言葉の噛み合わない感が自分の中で強くありました。困惑したわけです。つまり、ポラロイドカメラは夜と室内は御法度、自分でたくさん失敗してそう叩き込まれているからね。
で、この最新の
「Polaroid I-2」
が強い、とは言い切り難いところもあるけれど、でも夜でも室内でもけっこういけるんですよ。かなり驚いた。とはいえちょびっとだけカメラの知識があれば、ではあるけれどね。絞り、シャッタースピード、マニュアル操作ができるのです。
ファインダーからの眺めがなかなかに綺麗で、ファインダー内にデジタル表示の絞り情報などが出るのにこれまた驚かされました。素通しファインダーのランドカメラ300シリーズとかSX-70の男だからね。びっくりします。おまけにBluetooth接続でスマートフォンのアプリと連動、そちらがわで設定ができたりしてちょっと老眼に優しかったり便利だったりするんです。撮影済みのポロイド写真をスキャンできてSNS共有なんかできるのもね、いい感じ。
今回はやらなかったけど多重露光もできるんだぜ。モータードライブでのフィルム自動排出があるポラロイドカメラで多重露光ってなんか素晴らしい。やってみたい。
で、そんなこと色々言いながら小難しい感じでカメラをいじくったりするのがヘタクソなわたしであるからして。闇の中に光灯る神宮前、隠田界隈(この名ももうあまり知る人もいないようだけど)。店の眩しい店頭の灯りを頼りに階段に「Polaroid I-2」を置いて設定いじらずのセルフタイマー使用(セルフタイマー機能つくのはうれしいぞ)で自撮りをやってみます。
15分ほど経ってポケットから写真を出すと。うむ、これがいわゆるエモいというものか。ははぁ、こりゃあ悪くない。
それで、楽しく撮影を終えて会場に戻ってから、すごいデモを見せてもらったんですよ。カメラ、機械じゃないデモ。これはいわゆるアートの技法ということになるのではないかしら。その名を、
「Emulsion Lift / エマルジョンリフト」
と呼ぶんです。
ポラロイドの撮影済みフィルムから感光=化学変化をした部分を取り出してそれを別のものに定着する技法なんです。これにはシビれた!
撮影済みのポラロイドフィルムの白い部分をカット、表面保護の透明シートを取り除き、それをなんと水の中に入れてしまうのです。
え、なにそれ、と思っているうちに、水となじませると感光部分が水中に薄膜としてポラロイドフィルムの台紙からふわりと浮かび上がってきます。それをうまく捉えて同じく水に沈めた、今回はキャンバス地にその薄幕を乗っけてやるんです。
指で少しづつ伸ばしたり整えたりしてやります。すると先ほどポラロイドフィルムの上に浮かび上がった画像がキャンバス上に定着しているではないですか。それを水から引き上げて水分を飛ばして乾かしてやります。聞けばほかの素材の上にも貼り付けられるようで、これはすごく面白い。
水の中を泳がせるからだろうなあ、感覚として再現像というような気分もはらむんですよ。ポラロイドでの撮影自体が写真撮影という事象の中にアート作品の抽出的なところをはじまから持っていると考えています。それをまた煮詰めたような作業と結果であり、完成したその小さなキャンバスはアートピースであると認識できるのです。
なんともはや、すごいものを見てしまったな。こんな表現法があったか。いやまいった。これで作品積んでいったら立派なアーティストになれると思うよ。
さて。
ポラロイドカメラは近距離、ポートレートが得意ジャンルという印象がありますが、それはつまりレンズ性能やマニュアル操作ができるできないという機能、性能の話しとはまた別のこと。
撮影してから色が浮かび上がるまでの5分から15分というその時間、この「時間」というものが発生するところに意味があると思っているんです。
被写体の人物と言葉を交わしながら写真に色が浮かんでくるまでの時間を一緒にすごす。このコミュニケーションの時間を生み出すところにポラロイドカメラをポラロイドたらしめる大切なものがあるのじゃないかと前から思っていました。
ポートレートが得意ジャンルである、被写体との距離がいいとこ3メートルほどしか離れられない、そういうところになにか魔法のようなものが効いてくるんじゃないかとうたがっているんですよ。今回マニュアル撮影ができるようになって、表現の幅が広がった「Polaroid I-2」ですが、そういう本質であり魂であるところ、インスタントカメラの面白さというところは全く揺らぎがないのがとてもうれしかった。
とはいえこの夜の美しいモデルの女性と距離が縮まったかどうかは、定かではないのですが。
【GREEN FUNDING / グリーンファンディング】
Polaroid(ポラロイド)からプレミアム新世代インスタントカメラ「Polaroid I-2」日本上陸へ
– アナログとデジタルの融合による新たな写真体験
GREEN FUNDINGでもう達成済みで、あと30日。まだ間に合います。なにがうれしいってこのクラファンのプランでSX-70フィルムと600フィルムのプランがあること。
SX-70 フィルム トリプルパック / Color Film forSX-70 8枚入りx3パック (24枚)
600 フィルム 5パック / Color Film for 600 8枚入りx5パック (40枚)
ですよあなた!オールドファンも、これからはじめるあなたも。