国道6号線。わたしから見る国道6号線はうちの近所の都内下町から松戸、柏を経て牛久沼、霞ヶ浦に至る道。そういうイメージです。霞ヶ関に至る、で途切れているのはそれくらいがわたしの活動範囲だから。しかし道は続くのです。
カレーなしよ。
原子力の村、東海村を過ぎて少しすると道は海沿いとなります。国道6号、東京住まいには海沿いのイメージは薄いでしょう。東京の人が青山通りと山間を走る道が同じ246号線で驚くのと一緒だな。
塩屋崎あたりを過ぎて少し行くと胸が苦しくなってきます。大災害の跡が未だ道を走っているだけでも感じられるから。今日はそのずいぶん手前、茨城の海沿い地区の半ばというあたりでクルマを止めました。夕飯の時間であるよ。
アテにしていた店に振られました。カレーのお店。お肉屋さんがやってるカレー店。お肉屋さんと併設されていて、お肉屋とカレー屋の営業時間が違うんだよね。カレー屋のほうが早く閉まります。時間を勘違いしていました。ぬかったなあ。残念ながらカレーにはありつけなかったけどその特徴的な看板を眺めて、お肉屋さんの方でレトルトカレーも手に入れたので、よしとします。再訪しよう。
さて、レストランはどこかしら。
高萩駅から6号線を少し戻ると町のはずれにレストランがありました。
「カフェレスト ノースランド」
時代を感じさせる雰囲気のある建物。むかしのドライブイン風とも言えそうな雰囲気です。立地がそう思わせるのかな。
入ってみると遅い時間にも関わらず、盛況。座席の7割が埋まっています。こりゃあいい予感がするね。地元の名店に当たったようです。メニューを見ると創立50周年の文字。たいしたものであるねえ。
ハンバーグ専門店という体のメニュー構成。大歓迎です。カレーがないお店に当たると残念という気持ちと、逆に「カレーのくびきから逃れてなんでも好きなもの食べちゃうよ!」とテンション上がったりもするんですよね。
いろいろ迷ってここのシグネチャーメニューを名乗る
「チーズガーリックハンバーグ」
を注文。これががうますぎた!
店内、明る過ぎない照明と長く続く店独特の腰が落ち着く雰囲気。とても快適です。わたしのすぐ前に入った3人組がいて、ほかにもテーブルがまだ空のお客もあって少し待つかな、と思ったんですが気にならないね、快適だし、こういう場所での気持ちの置き所を知ってるから。
手元で小さく仕事をしながら(原稿下書きなど)ゆっくり待ちました。
果たして出てきたハンバーグ、期待を越えてきたぞ。
まずハンバーグの下味の良さと旨み。お肉の旨み、甘味、少しの酸味、香ばしさ。そういうものが渾然一体。うまいなあ。そしてデミグラスソース。オリジナリティ感じる甘くて深くてクセになる、たまらないやつ。ワインなどを入れているのかしら。ちょいと複雑で甘さだけでつまらない味になっていないのが素晴らしい。これ、とても好きだ。いいなあ。
ガーリックはフレッシュのものを焦げぬように丁寧にローストしたものを乗せてあります。なので香り痺れが強くてね。いい、うれしい、幸せ。ニンニクかくあるべし、だよ。右手が勝手にごはんをどんどん口に放り込んできます。たまらんたまらん!
ごはんに少し塩など振ってみるんです。これがどうにも好きなのです。洋食のごはん、なぜ塩や胡椒をかけると嬉しさ倍増か。
なんかそういうのがあるなあと思ってます。
いろいろと夢中になって食べました。なるほど、地元の良いお店かあ。なるほど納得がいくなあ。帰りのクルマでニンニクのうっぷが出るんですが、そういうのも含めて地元の人たちに語られ、愛されてるんだろうなあ。
舌の根っこに深く記憶が残るいいものでした。50年の歴史、伊達ではないね。カレーがなかったですが、微塵の後悔もないよ。こういうのはうれしい。こういう時はカレー忘れて楽しまないと。