柴崎さんに会うのも久しぶりになりました。耳をおかしくしてから大事に思っているご店主たちになかなか会えない心持ちのままなのです。
カレーですよ。
わたしの耳にとって飲食店はなかなかに厳しい環境なのです。苦手なのは、たとえばね。
ライブ会場、コンサートホール、地下鉄車内、多人数のパーティと飲食店のカウンターとBGMあたりかな。今年の夏、懸念はあったんですが飛行機には乗れました。幸いだったな。耳抜きが自信なかったんだけどね。国際線の高度と時間はまだ試していません。
それぞれ、音圧の大きさと音源の多さ、いろいろな音が混じる騒音の大きさ、人数が多いためどこから声をかけられているかの方角がわからない、ダクトの音で店主の声が聞こえない、発音者の声の高低など理由があります。一見普通の人もそうだよね、となるかもしれないけど、それが普通の人の5倍くらいの難度で襲いかかるわけです。加えて24時間、365日体制の耳鳴り。なかなかに厳しいのです。もう4〜5年の患いとなっています。回復の兆しはない、かな。回復ではなくトレーニングとテクノロジーでの補完を目指しています。
加齢ではなく、後天性、尚且つ他からの加害が理由なのでなかなか飲み込むことができずにいるのが正直なところ。が、人間の順応力は高いのです。なんとか正気を保って日々を過ごしているよ。そういうのもあって、ひとりの行動が多くなるんです。いや、もともとそうだったか。
それでも会いたい人がいます。そりゃそうだ。そうやってやってきた千葉・稲毛のお店。
「カレーレストラン シバ」
本当にいいお店です。
いちいち説明などしないけど、ちょいと惚ける感じで聞こえたり聞こえなかったりでとんちんかんな噛み合わない会話になることもままあるわやしです。心ある連中はそれに付き合ってくれるのでね。ありがたくもすまなく思っているんですが。この日もそういうのに甘えながら稲毛で柴崎さんと長話し。心ある人との会話は精神を安定させてくれるねえ。もちろん、カレーにもその効果があると信じているよ。
シバの
「ひじきドライカレー」
は唯一無二。こんなの他で見たことがない。でしょ?すごくおもしろい。
「ひじきドライカレー」は低糖質メニューとなっています。ごはんは少なく、ひじき多めのバランスで作ってあり、雛豆やグリンピースなども入っています。これがしみじみ美味しいんだな。お腹にも軽やかでちゃんと食べ応えも感じられて満足感が高いです。これすごいバランスだよなあ。
一緒についてくるこれも個性強い「ベジタブルカレー」。酸味が強く爽やか、軽やか。この組み合わせ、いいね。空腹の男性なら少し少ないかもしれないですが、セット(モロヘイヤカレーやダールスープもつく)も用意されるのでね。大丈夫。
この二つの組み合わせのメニューこそ「カレーレストラン シバ」らしさなんじゃないかな、と思っています。
ちゃんと選べばお腹にキツくないチョイスが可能なのは本当にありがたい。本当の意味で老若男女、どのレンジでもいけるというお店、実はそう多くないと思うよ。ここはいつわりなく老若男女、どんなおなかでもオーケーです。個性的であり、その個性のままの2代、40年。その場所で足踏みなどせずに、大事なものは揺るぎなく守りつつ、新しいものへの情熱も忘れない柴崎シェフ。素晴らしいことです。
ちゃんと定期できてその素晴らしさを忘れぬようにせねばいかんなあ。