応援しているチームが勝つってのは本当にいいものだなあ。そう思ったのです。特にニッポンに、東京にやってきてくれたフォーミュラEを開催初回と今回の2回目、共に現場で見ることができた人間にとっては開催国出自のチームが優勝してくれるなんてのは、もうなんというか、堪えられない嬉しさが込み上げます。
今回はチェッカーフラッグが振られた後にピットウォーク、、じゃないな、コースウォークかこれは。サーキットを歩けたのは本当に楽しかった。日産の優勝とも相まって気持ちがふわふわしたことを覚えています。日産のオリバー・ローランドがやってくれた。ありがとう。本当に。
最近ではネットやテレビなど複数のメディアで観戦できることも多いモータースポーツですが、やはり現場に行くのは全然違う体験です。それがたとえ、音のこと、エンジンのことでモータースポーツマニアにいろいろ言われることも多い電動モーター駆動のレースだったとしても、です。いや本当にね、無音なんてのはまだまだありえないしエンジンの音がない分、違う音が聞こえて面白い。
タイヤのスキール音や、狭いコースならでは、マシン同士のプッシュ、ぶつかり合う音などフォーミュラEならではの体験ができると感じます。コース、近いしね。公道だしね(半分くらい)。V6とかV10とかとまた違うおもしろさや迫力があります。そしてそういうエンジンを積んだマシンであったなら実現しなかったレースです。ここは強く言っておきたいな。
公道レース。このロマン溢れるキーワード。そういうものを小池東京都知事が受け入れ、旗を振って開催まで漕ぎ着けてしまったことも驚かされます。もちろんその前10年ほどの先人たちの努力あってのことでもあります。電気だから実現したというのは大きい。
なので当然「Gentleman, start your engine」(エンジンないけど)のタイミングには都知事がコースにいます。他にも要人が何人も。もちろん国際レースですから国歌斉唱も。君が代が流れるとなんというか、グッときます。いいよねえ、かっこいい。
われわれモータースポーツが好きなものはこういう事例をきちんとバックボーン含めて覚えておき、それを知見として蓄積、次の何か新しいレースの誘致や新ジャンルの乗り物など応援すべき案件があったときにそれを活かし、オーディエンスとしてどんな貢献をしてどんなふうに声を上げて、それを成さんとしている人たちを手助けするか。そういうことも考えていくと楽しい未来になると思っているのです。
応援、貢献という話しですが、もう本当に忖度なくいうのですが、ニッサンが大変です。こんなときに何を思って何ができるか、など考えるわけです。会社の舵取りやビジネスとしてのあり方などはなかなかわたしたちが声を上げても変えられる幅は多くない。かと言ってただ傍観すればいいかというとそれも違うと思っています。
わたしは外から見ると自衛隊賛成派と見えるかもしれません。イデオロギーや思想に関係なく現場で汗を流す退院の方を応援しています。一番尊いのは現場にいる隊員の人たち。その人たちが献身的で一途なことを知っているから。災害派遣の時の彼らを見てそう思います。警察だろうが医者だろうが、教師であろうがマスが大きくなれば異端は必ず出てきます。そればかりを取り上げて偏向報道とか持っていきたいところへ編集を加えるのではなく、フラットに見ていたい。その上で政治や何やらは別の場所で正義や思いを持って考えればいい。そう思います。会社も組織も一番前で汗を流す人の集合体でできているのですから。
今回のニッサンの母国でのフォーミュラカーレースの優勝は現場の人に勇気を与えてくれているのではないかと想像しています。そういうものが尊いし、新しいトップの方の心も動かすかもしれない。そうなればいいなと思っています。
ヘリテージコレクションのことをとても心配に思っているんですよ。ああいうものが四散したら2度と元通りにはならないですから。1メーカーの博物館ではなく、世界の自動車史の大事なものがたくさん含まれていますから。そしてそれがまとめて一つのところにあるから大きな価値があると思います。
悪い時もいい時もあるのが人であり、企業も同じと考えます。糧にして、乗り越えて、また楽しさや価値をたくさん生み出してもらいたいと思っています。