カレーですよ5449(新宿 伊勢丹本店)伊勢丹カレーフェス2025。渡辺玲さんに会いに行く。

 

危なかった。気が付いてよかった。今日1日だけのチャンスだったから。伊勢丹新宿店の催事に行ってきました。渡辺玲先生に会いに行ってきた。

 

 

カレーですよ。

 

 

渡辺玲さんは日本の代表的なインド料理研究家。古くからの活動、精力的な発信、しかし病気でその活動がスローダウンしていました。が、止まってしまったわけではないのです。ご本人にお会いして水面下で動いていた再始動とこれから。そんなお話をチラリと聞けました。ちょっと泣けるくらいうれしくて胸のあたりにグッと温かいものが広がる感触を覚えました。

 

会場で少しばかり動揺したんです。とんでもない人々が普通に百貨店の地下食品売り場に三々五々、やってくるから。

まずスペーススパイスの竹田社長が手招きしてくれてます。そこに渡辺玲先生がいらっしゃった。あれ、隣にいるのは、、ああっと!新宿中村屋本店総料理長、二宮さんのお顔が。なんということだ。そうそうお会いできる方ではないんです。もうこれだけで背筋が伸びてしまう。そこへマシャールのフセインシェフが。渡辺玲さんが師事していた伝説のシェフです。皆さんの肩書と経歴、情報量におなかいっぱい。まだカレー食べていないのにな。

 

そのあとブースをぐるぐるまわるとビリヤニ大澤の大澤シェフや荻窪すぱいすの佐藤シェフの顔も。36房のお二人にも会えて感激ひとしお。久しぶりで嬉しかったなあ。お二人のことが大好きなのですよ。渡辺さんのところに戻ると初台たんどーるの塚本シェフと奥様も。みやちゃんには本当にいつも気にかけてもらっていて、うれしくて泣けてくるよ。気づけばスパイスカフェの伊藤シェフもいらっしゃる。いやもう大変だよ。いろいろとどうにも血圧が上がってしまうよ。

 

とにかく忘れちゃいけないもう一つの目的、新宿中村屋と渡辺玲先生のコラボレーションメニューが販売になっているんです。この日1日限りの料理です。それを求めてやってきました。買えたよ、よかったよ。こういう時よく売り切れに当たってしまう確率が高いわたしなんであるよ。味、内容、すごかったよ。

せっかくだからと部屋に持ち帰り温めて自分なりの盛り付け。こういうのはさ、こだわって楽しくやろうね。

 

南インド風バターチキン/サザンスパイス

これ、面白いなあ!バターなどの動物性の材料が強く厚みを作り出す味。なのに酸味方面から、酸味のその中に散りばめられた複雑な味が浮かび上がります。チキンの下味がしっかりとついており実に美味。こういうところは中村屋の御家芸、クオリティ。

ああ、これはすごいな。わたしの表現力では追いつかないな。後味の苦味まですべてて愛おしくなるような味わい。間違いなくバターチキンなんですが、頭と舌のどこかで「なんか違うぞ、なぜだ」となるのがとても面白い。そのなぜだ、を頭に抱えつつ考え考え食べ進むと気がつけばうつわは空っぽ。もう少し食べたいなあ。

 

季節の野菜カリー/新宿中村屋

カレーソース、舌に感じる酸味が刺激となり唾液をたくさん呼び寄せる味。個性的でかつ、新宿中村屋の世界観を崩さない緻密な調整があります。おくら、にんじん、いんげん、カリフラワーなど季節の野菜が小さなパックにぎゅう詰めになっていたよ。煮込まれてもなお野菜の一つ一つの個性がはっきりわかり、それぞれの役割を果たしています。こりゃおいしい。

爽やかさ、香ばしさ、青々しい香りなどが一体となって鼻を通ってゆく心地良い体験。食べ終わりに涼しい風のようなイメージのほんのりした残り香が口の奥に残るのが素晴らしい。これも名作だな。

食べて楽しい、驚きがある料理でした。なんというのか、鮮やかな色が舌を通して脳に伝わるような料理であったなあ。

そして実は今日の催事、なにでもない、誰でもない、自分のためだけのために出かけたのです。体調のことや仕事のことで塞ぎ込むことが多い数ヶ月を過ごしていました。なかなか胸が開かない感じ。渡辺玲さんに助けてもらいに行ったんです。なにをしてもらったわけではないんだけどね、とにかく顔が見られればそれがわたしの特効薬になるはずだと勝手に思い込んでいたから。

36チャンバーズ・オブ・スパイスのお二人に頂いた大切なTシャツがあります。カレーキング・アキラワタナベTシャツであるぞ。とにかく力が必要な時、覇気を呼びおこしたい時、この大事なTシャツを身につけるんです。なぜかチカラが湧いてくるんです。だからご本人がいる今日、この日はなにがあっても伊勢丹新宿店に行かねばならなかったのです。

光が差した気がする。明日からもう少し、倒れるなら前のめりに倒れることに決めました。

 

【追記】

そして、絶対に、完全に、間違ってほしくないことがあります。この話しは「渡辺さん病気なのに頑張っていて勇気もらった」とかの安っぽい話しではまったくないこと。渡辺玲さんはずっと変わっていないんだ。どんな時でも反骨精神を持ってロックンロールのスタイルを体現し続けているのです。それこそが学ぶべき姿勢ともらうべき勇気。それが真実の中のど真ん中の真実。ひととしての立ち位置の話し、そういうことです。

 

 

ISETANカレーフェス2025

https://www.mistore.jp/store/shinjuku/feature/foods/pickup/2408/2408_06.html