
今年も「神田カレーグランプリ2025決定戦」、開催されました。大盛況。
そして今年も中俣委員長に呼んでもらってカレートークの登壇をしましたよ。

↑写真:ken3tv/細井研作

かなりの濃いめの話だったと思いますが、お客さんがついてくるついてくる。驚いた。トーク、結構な長さだったし手加減したとはいえ(知らんけど/笑)けっこう突っ込んだ内容だったはずで、でもまったく動じずに皆さんついてきててね。いやあ、カレーリテラシーが高いよねえ、神田カレーグランプリ。あのステージ前、半分くらいマイスターの皆さんだったんじゃないかと。


各賞の発表、表彰式からエンディングまで、ほとんのどお客さんが動かない帰らないのにも驚いた。皆さん情熱を持って見にきて、動向を気にして、楽しんでくれてるんだなあ、と知りました。まったく素晴らしいよね。委員長とチームの皆さん、ボランティアの皆さんと会場のお客さんとの一体感を強く感じました。これは本当にね、神田の地にカレーのカルチャーが深く強く根付いている証拠だと思います。


数字でいきましょうか。
・3万6千人超の来場者
これだけの訴求力があるんです。もちろん待ってるだけじゃあ客なんぞ来やしません。こちらから動いて仕掛けます。
・スタンプラリー参加店151店舗
「きちんと経済効果がある」と何店舗かの参加店店主に聞いています。だから参加店が増える。
・20店舗の「神田カレーグランプリ2025決定戦」出店
これは参加店151店舗の中から一般投票で選ばれた店舗が出場しています。
・協賛企業多数
エスビー食品、東京メトロ、新進、明治、東洋水産、三井物産など。大変なラインナップです。
それもこれも、企業にきちんとメリットがあるからこそ。それだけの集客力と規模になったということです。
「街の賑わいを作りたい」という地域おこしの当たり前の想い、矜持を持ち続けての結果です。期が変わると担当者が変わって資料もなにも残っておらずゼロからスタートなんていう馬鹿馬鹿しいものでは叶えられない、本当にその地域で生きていこうという真剣な思いが結実していると言えるでしょう。


地方の自治体が見学や相談に訪れるの、よくわかります。とはいえこれは、ちょっと他から真似しにきても一朝一夕でできるもんじゃあない。中俣委員長がどんだけ旗を振り回し続けているかということだし、やめないし、やめてもらっちゃ困る人が毎年どんどん増えているわけです。すごいことです。


カレーということではなく、地域おこしを食を軸にして実行を考える自治体や団体、NPOやらなんやらのひとは必ず見にきたほうがいい。それもさらりと見るんじゃなくて時間をかけて会場に留まって観察を丸2日続けるべきだし、それに加えて運営の人にきちんとなにかしらペイして差し上げたうえでお話を聞くべきだと思います。


今年の結果は以下のとおり。
・神田カレーグランプリ2025決定戦 結果・
優勝 オオドリー<鴻> 神田駿河台店

準優勝 カレーショップ C&C 秋葉原店

三位 とろ肉カレー ロリコズキッチン

マイスター賞 (同点2店舗) オオドリー<鴻> 神田駿河台店 スパイス欧風カレー PAIKAJI
スペシャルアワード カレーショップ C&C 秋葉原店

*今回の個人的総評
大変面白かったです。神田カレーグランプリはいつでも予想を裏切る入賞店が出るなあ、と思うしそれを見て分析するとカレー界のトレンドがわかったり、逆にトレンドではない、地域に根付いた売れ筋、方向性が見えたりと本当に面白いのです。


わたし的にはかなりおもしろい結果になったと考えています。優勝のオードリーはスープっぽくないのとコク深いビーフシチュー的アプローチで多くの支持を得たのがよくわかります。


そしてトピックはあのC&Cが準優勝を獲ったということ。ここはフォーカスしたいところです。とても興味深くおもしろい。お肉のいいやつを入れてきていました。そこにお馴染みのカレーソース。もともとファンが多い、しかし当たり前に街にあるチェーン。それが支持を得て入賞というのは何か流れが変わってきたと感じさせます。スペシャルアワードでわたしも審査員を務めたのですが、そのアワードの錚々たるメンバーがC&Cを選び、一般投票でも票を得ているということです。これはすごいことだと思うよ。

マイスター賞をスパイス欧風カレー PAIKAJIが獲ったのは大変価値があります。南の島から移転してきて初挑戦。きちんと戦略があることとお店の皆さんの真面目さが結果を出しました。三位のとろ肉カレー ロリコズキッチンも納得。甘く、旨み太く、少し苦い良いカレー。足腰強いどしっとした美味しさがありました。


その他選外の店も光るもの多く、大変に悩みましたよ。選ぶのはすごく大変だった。しかし、納得の結果であったと思います。
追記:以下メモ書きです。審査の時に印象の走り書きをしたもの、修正せず掲載。お店で食べるとまた違う印象になるということも付記しておきます。流石に投票でえらばれた優れたものばかりでした。
オードリー
スープではなくびっくり。コク深いビーフシチュー的アプローチ
心
出汁の旨みうれしいトマトベーススープカレー。具材豊富で見た目も楽しい
グレビー
イベントでダルバートを出してくれるのは特筆。辛めにに決めてあって目立つ、カッコいい。キャベツのタルカリの香り付けや辛い付け合わせすごい
東京ミックスカレー
タマネギベースの甘味が土台。ハンバーグつなぎ少なく肉肉しい。これはみんなが好きだろうという味
スナックゆうこ
これは辛くないカシミールか。かなりホールスパイスが強くおもしろい。ドライで甘さ土台にしないのがかっこいい
PAIKAJI
オリオンビール煮込みの肉といいカレーソースの洗練といい、完成度の高さがすごい
エブラック
ウスターシャソース的スパイシー。飽きずに食べるというか飲めてしまう印象。
723
ガーリックパンチとジンジャータイフーン。ストレートに舌に響く
ガンディマハル
キーマ、えらく旨い。スープ状で甘うまじょっぱ。これはなかなか抵抗しづらい。ナーンに合わせてあるのは惜しい。ご飯の方が合うだろう
ラホール
安定のブラック、スタミナ焼きが合わないわけがない。こういうのは強い
1899
出汁が大変素晴らしい。店のバックボーン感じる素晴らしいものだった高次元でのダシの強さとバランス。強い味なのに下品にならない奇跡
きらく
笑いが出るくらい昔風で黄色くて作り方がそのままわかりそうな素晴らしいカレーライスクラシック。若者には珍しくおじいちゃんには懐かしい。推したい。
皇帝ペンギン
味は甘くせずドライ、大人っぽい
弐番館
審査員票がかなり集まったので間違いのない味
いっぺこっぺ
穏やかな味でちゃんとカツを持ち上げるための控える感じのカレーのチューニングに好感
ロリコ
甘く、旨み太く、少し苦い。足元強い味で大変良いもの
シディーク
レモンライスは特筆の美味しさ。単独でもおいしい。ニハリは個人的に好きだが一般のお客はどう反応するか
