
みなさんは「光速船」というやつをご存知でしょうか。正式名称「コンピュータービジョン 光速船」。バンダイが販売していたディスプレイ(ブラウン管)一体型ゲーム機のこと。1983年の発売で大変高価なものでした(当時価格54800円)。わたし、このゲーム機の記憶があるんだよな。たしか学生時代だった。同年にファミリーコンピューター、ファミコンも発売となっていた、そんな頃です。
ゲームあんまりやらないよ、と嘯くわたしなんですが、思い起こしてみるとそれなりに楽しんでたな。

時代的には1980年発売の「インテレビジョン」。アメリカのマテルのゲーム機でこれをバンダイが輸入したものでした。翌年1981年に「CASSETE VISON」がエポック社から登場。ソフトウェア交換式ゲーム機で当時の日本で一番売れていたハードです。バンダイはどうも輸入ゲーム機を販売するのが好きみたいで1983年には香港のメーカーが開発した「アルカディア」を販売。「インテレビジョン」から「アルカディア」へ。
そんな中、異色のディスプレイ(ブラウン管)一体型ゲーム機をまたもバンダイが輸入、仕様のわずかな変更ののち発売したのです。そのディスプレイが特殊だったんだよ。

ベクタースキャン方式のブラウン管モニター。ベクタースキャンは描画法式のことをいうんですが、座標で画像を描画するやりかた。ざっくりいうと鉛筆一筆書き的な。写真などの細かい描写は苦手なんだけどシンプルで美しく動きます。その対になるラスタースキャン方式はピクセル/画素を使って描画する、いわゆるテレビや現在のPCモニターなどのやり方。これもざっくりいうと油絵的というか、面で塗っていく感じ。よーくみると点の集まり、みたいな(だいたいあってる?大丈夫か?)。元はアメリカ「General Consumer Electronics」社が「Vectrex」の名前で発売したハードウェアでした。ここらへんの歴史の話しはわたしがこれ以上書いても仕方なかろうね。ゲーム機の専門家は数多いるからね。

今回この「コンピュータービジョン 光速船」=「Vectrex」、そのミニチュア版を作っちゃおうぜ、というクラウドファンディングが海外で始まってまして、キックスターターなんですが。日本からも買えるんですが、まあそれよっか安心安全のきびだんご、ということで今回満を持しての日本国内クラウドファンディング展開、きびだんご株式会社が公式パートナーとして日本でのプロジェクトを進めるという流れになったんです。
その名も、
「Vectrex Mini(ベクトレックス・ミニ)」
まず素晴らしいのが「Vectrex」実機をキャプチャ、筐体サイズを1/2に縮小してのガワなこと。

「Vectrex」いいんだけどサイズが大きいから部屋に置くとなかなか大変なのよね。ハーフサイズ、ナイスです。なのでディスプレイは9インチCRTから5インチのAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)に。コントローラは有線接続からBluetooth接続になって利便性が上がってます。ホントはあのカールコード好きなんだけどさ。実機にはついていなかったHDMI端子とWi-Fiも装備。外部ディスプレイ出力やネット接続も。

なにがうれしいって当時の筐体を再現できる「Vectrex」や「光速船」仕様を各国バージョン選んで再現できるステッカーが付属。ツボ押してくるねえ。わかってらっしゃる。フランスの開発チーム「FLYNN’S GENERATION」最高です。3年の開発期間を経て完成した復刻版、もうただ泣かせにきてます。

「Vectrex Mini(ベクトレックス・ミニ)」をただの置き物にさせないおまけ。これは完全新規機能で時計モード「Vector Clock」も内蔵されました。いい、いいねそれ。日常的にこの筐体をちゃんと稼働させる意義ってもんがある。いいじゃないですか。

ソフトはといえば「MineStorm II(内蔵ゲーム「マインストーム」の修正版)」「Bedlam」「Hyperchase」「Spinball」など13本だったかな、ゲームがプリインストールされています。さすがにROMカセットというわけではないですよ。加えて,内蔵SDカードスロットからコミュニティなどが制作した自作ゲームの追加にも対応。いろいろ夢が広がります。

元祖の「Vectrex」はディスプレイの上にオーバーレイという半透明シートを被せて擬似カラーディスプレイ的になってましたがこのオーバーレイもとうぜん「Vectrex Mini」の5インチディスプレイサイズとなって付属します。よかったよ、物理再現で。オリジナルに準じてこういうアナログ対応してくれるのは企画者の熱い思いが伝わります。
それで、当時のわたしの体験です。

当時学生だったわたしはゲームといえばゲーセンにいってシューティングゲームを日がな一日やっているか、MSXでハイドライドをやるか、というような日々。ファミコンはまだまだ子供っぽい内容だったしね。そんな時にデパートのおもちゃ売り場やゲーム専門店のカウンターの上で一際輝いていた筐体が「コンピュータービジョン 光速船」でした。

とにかく不思議な浮遊感があるディスプレイでなんといったらいいのか、例えれば水槽の中を覗き込むような感覚で「揺らぎぐような立体感」を感じる擬似立体的体験でとても興奮しました。これは本当にほかにない不思議なもので、買えるわけもないその高額でデカい筐体とブラウン管ディスプレイを他人事のように、しかし夢中で眺めていた記憶があります。

そして40数年の時を経て、やってきた「Vectrex」のミニチュア版「Vectrex Mini」。

海外のクラウドファンディングがKickstarterで2025年11月にスタート。目標額11万ユーロ(約1940万円)を一瞬、わずか数日いきなりキメてきて、その後ストレッチゴールどころではない勢いの快進撃。現在118万ユーロ(約2億2000万円)ですって。いやとんでもないな。そして今回開発の代表ともお会いできてお話を聞けました。いろいろと満腹であります。

さて日本のわたしたちはクラウドファンディングプラットフォームである「Kibidango」にてプロジェクト開始を待ちましょう。
