
茂原の「キッチンハウス」は一度やってきたことがあったのです。が、その時は店に辿り着けなかったんですよ。とんちか?と思った。一休和尚に助けを求めたかった。
カレーですよ。
例によってGoogleマップで現地に辿り着くんですが。クルマでやってきました。お店の名前が入った行燈を道端に発見、クルマを停めてお店の入り口を探したんですが、が。行燈だけがロードサイドに出ていて、しかもその行灯に矢印が出ているものの矢印の先に道がない。え?なんで。一体どうなっている?そうやって諦めたことがあったんです。

今回はもう少ししつこくいってみようね。看板はもう置いておいて近隣をぐるりと、、、あ、あった。行燈が置いてあった場所はちょうど店の真裏。そして矢印の表示はあるけど行燈横から入って行く通路はやっぱりないんです。ぐるりと一角を回ってやっとわかったよ。


クルマだとその行燈を見てそこに路地があるのではと錯覚してしまうんですが、店の入り口はクルマが入れない駅横の歩道に面している通路にある。そういうことだったのか。なるほどそうか。矢印は「この裏ですよ」の意味だったのね。
「キッチンハウス」
についに辿り着きました。うれしいぞ。


店に入るといい空気。常連さんが楽しそうにマスターとおしゃべりしています。こちらを空気みたいに扱ってくれつつ、しっかり気にもかけてくれます。こちらからアクションしなければ放っておいてくれるんです。おしゃべりすればきっと楽しいだろうね。どちらを選んでも快適です。注文は外のメニューで見た、
「ハンバーグカレー」
と決めていました。


皆さんが「ああ!カツカレー食べたい!」と思いカツカレーを食べに行ったりするサイクルがあるでしょ。それとちょうど同じでわたしの場合はカツがハンバーグに入れ替わっている。そんな感じです。そしてこれ、大変に良いハンバーグカレーだったのですよ。

まずはカレーがきちんとした手作りの洋食店のカレーであること。小麦粉を炒めるところから始める例の手法、基本のキ、です。それこそが本物の「ルウ」なんであるよ。あなたが悪気なく使っている「カレーのルー」と言う言葉。ルウってのはさ、完成前のソースベースのこと。元々は小麦粉をバター等で炒めたものを指します。カレーのルウの場合はそこにカレー粉やスパイスが入るわけですね。


このルウというのは元々スープなどに加えてとろみをつけるための調理用ベースであり、お客に出す完成品ではないんです。ここのカレーはそういうところから作っているのだなと理解できる味と食感。西洋料理の手法だね、ここは洋食のレストランだから。そういう丁寧な作りはとても貴重に感じます。カレーソース(ここでようやく本当の「カレー」ってことです)はクラシックな味わいで、しかしこのお店のカレーとしての個性も併せ持ついいものでした。甘さは控えめ、青々しい香りが上がり、記憶に残る味。舌触りはスムーズでクリーミー。福神漬けの甘さで口中調味をしながら食べると至福が訪れるのです。
サラダ、真面目な作りだなあ。おっつけのおまけではないものが出てきてうれしいですね。


そう、至福といえばハンバーグこそ至福の味だったなあ。ローレルの香りと肉汁に焦げ目の味香りが渾然一体。口に運ぶと陶然となる素晴らしいもの。これ本当に素晴らしい。ハンバーグの挽肉の挽き具合というもの、叩いたくらいの粗挽きを越える粗挽きからミンチの果てのようなとろける舌触りまで幅が広いじゃないですか。

ここのは細かい挽きで舌触りがちょいとセクシーな感じです。絡みつくような楽しさがあります。シンプルで真面目で大変な良ハンバーグ。おいしいなあ。たまらんたまらん。


こういうどちらもいいものが出てきてしまうとわたしは決まってセパレートしたくなるんですよ。勿体無いって思っちゃう。旨いものと旨いものをミックスするのは相性が良い時は3倍5倍と美味しさが膨らむんですが、大抵は1.5倍程度ではなかろうかね。だったら普通よりずっと旨いもの、たとえばよくあるものより1.5倍旨いものなら別々で食べてやったほうが1.5倍を2倍、楽しめる気がするなあ(わかりづらくなってきた)。


とにかく合わせてしまうのは惜しいと感じつつ、でもハンバーグカレーというものはやはりいいものだよね。改めて思うんです。
